
信号機のない横断歩道で、歩行者が渡ろうとしても止まらない車が多いことが社会問題となって随分経ちました。
2018年にはついに警視庁が動き始めました。
このウェブサイト開設の一番最初の記事がたしか横断歩道についてだったと思います。あれから1年と4ヶ月ほど。
横断歩道の歩行者優先の現状について、2021年6月現在の福岡市の状況を書きます。
横断歩道は歩行者優先
道路交通法第38条では、信号機のない横断歩道は歩行者優先で、車は歩行者の横断を妨害してはいけないということが定められています。
多くのドライバーの間でこれがずっと守られていなかった。
道交法では定められていたが何十年も全く守られていなかった。ある意味自動車優先が暗黙の了解のようになっていました。
これにメスを入れて正そうということで、2018年から警察庁が本気で動き出しました。世界中の人が集まる東京オリンピックで日本が恥かかないように間に合わせるということだったのかも知れません。
マスコミが取り上げ始めたのが4-5年くらい前からでしょうか?ですがネットの掲示板では私が知る限り10年くらい前からすでにスレッドがあってその問題が指摘され、別の掲示板の板にも拡散しようとした動きはありました。
ですが私が疑問に思い始めたのは1996年。スイス旅行で横断歩道に立った瞬間に車が止まってくれたこと。
スイスでは何度横断歩道前に立っても必ず車が止まる。カルチャーショックを受けました。しかしスイスでは常識でした。その後何度かスイス旅行へはいきましたが、やはり確実に止まります。
私は疑問が生じました。
「ルールは日本も同じじゃないのか?」
「なのになぜ日本では誰も止まらない?」
「なぜ誰も問題にしない?」
しかしそれが社会問題として取り上げられたのはごく最近のことです。
横断歩道について前回の記事
信号機のない横断歩道の歩行者優先が守られていない問題を書いた昨年(2019年8月)の記事がこちらです。
この記事のさらに1年ほど前までは横断歩道での車の停止率はほぼゼロでした。止まるのは警察車両と教習車のみ。
この記事を公開した2019年8月頃にはすでに少し改善していて、私の住んでいるとある横断歩道(たまに警察が取り締まっている場所)ではだいたい10台に1台くらい停止していた感じ。
2020年12月の現状は
信号機のない横断歩道での歩行者優先が守られているか。
2020年12月の福岡市のとある横断歩道ではおおよそ10台に2台ほどが停止する感じです。バイクは停止率がさらに悪く、私が見た限りでは停止は皆無です。
結果を言うとここ1年ちょいでほとんど何も変わってない。
歩行者が道路の半分まで渡っていても同じです。止まらない車は止まりません。変わらない人は社会問題化しようがいまだルールを守らず何も変わっていません。真一文字にどんどん突っ込んできます。
止まらない時は10台以上連なって連続で車がビュンビュン通過していきます。止まる時はさくっと1台目で止まります。
止まるドライバーと止まらないドライバーがハッキリ分かれる感じです。
もちろん教習車は100%止まります。
2021年6月の状況(追記)
2019年8月からの定点(定期的に警察の取締あり)での状況では、停止率は3割程度。
あまり伸びない。
大きく手を挙げて手を降って渡る意思を示してもまるっきり止まらない車は多くいます。
これが現状です。
警察が取り締まっていない時間帯では特に停止率が悪い。結局「取り締まっているから仕方無しに止まっている」ようにしかみえません。
相変わらずダメダメですね

もはや社会的に認知されている横断歩道での歩行者優先。
もはやドライバーは交通ルールを知らなかったという言い訳はできません。止まらない車は、知っていて止まる気がないだけです。
停止できるできないの問題ではなく、止まる気があるかないかの問題です。
私がいる地域で停止率が2割程度というのは、相変わらず呆れるほど悪い。8割が交通違反。
なんというか1年ほど前にちょっとニュースで話題になったが、最近はそういう話題がないので、またもとへ戻りつつあるような気さえします。
警察庁などもウェブサイトで注意喚起のページを作ってはいますが、そもそも止まらないドライバーはこういうことへ興味がありませんので見ません。この記事も興味のない人が訪れることはないでしょう。
やはり横断歩道ルールのイベントや、マスコミが積極的に啓発活動の情報を、そのときだけではなく継続的に流していくことが重要ではないかと思います。止まらない車は恥ずかしいと思える社会になるように。
また、前回の記事でも書きましたが、スイスでは車は100%止まります。あのインターラーケンのメインストリートでさえも一台目で止まります。スイスでは何十年も前からの常識です。日本がスイスのようになれる日はいつ来るのでしょうか?
止まることは誰でも出来ます。止まらないのはその意志がないからです。
同じ先進国としてここまで差があると恥ずかしいです。
横断歩道の歩行者優先がただのブームで終わらないようにしなければなりません。これは道路交通法のルールなんです。
横断歩道で歩行者が渡ろうとしていれば車側は赤信号と同じ。これを妨害することは信号無視と同じです。
譲ってもらったら挨拶を
信号機のない横断歩道で車が止まってくれた。
ならば、譲ってもらった歩行者も、何かしらの挨拶をしたほうがいいと思います。
スイスでは譲ってもらった歩行者はありがとうの意味合いを込めて手を挙げるなどしてドライバーとコミュニケーションをとります。常識です。
日本では、多くの歩行者は車が停止してくれても何も挨拶をせずにそのまま歩いていきます。子供は挨拶をしますが大人の方が全くしません。
あたりまえのルールだから礼はしなくてもいいではなく、これはエチケットだと思います。義務ではありませんが挨拶をしたほうが円滑に物事が進むでしょう。
歩行者から挨拶があるとドライバーは気持ちいいですし、また次回も停止しようという気になるでしょう。お辞儀までしなくても、ちょっと手を上げるだけでいいんです。