原付(50cc以下)・原付二種(51-125cc)の維持費節約についてです。これらの乗り物を家計負担軽減のために通勤などで乗る人も多いです。
これをさらに切り詰めるため、125cc以下スクーターの節約法について書きます。
車体価格の影響は大きい
経済的バイクとしての購入なら車体価格の影響はあまりに大きいです。
例えばスズキのアドレス125は23.1万円。スウィッシュだと32.45万円。差額10万円。
燃費はWMTCモード値でアドレス125が51.0km/L、スウィッシュが50.1km/L。あれ、安いアドレス125の方が燃費が良かった。家計節約でスズキ車で選ぶならアドレス125ですね。
じゃあホンダ。ホンダPCX125が34.87万円、PCX125ハイブリッドが44万円。差額10万円。
燃費はWMTCモード値でPCX125が50.7km/L、ハイブリッドの方は51.9km/L。カタログ上の比較だと燃費はわずかしか変わりません。ハイブリッドの方はシート下スペースの一部がバッテリー置き場になっているので利便性が犠牲になっています。
家計節約したいならPCX125のほうです。しかしリード125であれば車体価格31.57万円。これでカタログ燃費が50.0km/L。もっと安ければ排気量をちょっと落とせばDio110。これは23.54万円で燃費は54.0km/L。
ただDio110は14インチホイール用のタイヤですのでF12インチR10インチのリード125よりタイヤ交換費用が高くなります。
いくら低燃費モデルを買ったところで、燃費の差はわずかです。この差で車体価格の差を埋めることは大変です。それこそ何万kmあるいは10万kmレベルで乗らないと差が埋まらなかったりします。
やはり経済的負担を減らすなら、車体価格の安い物が大前提です。そこに積載性など利便性との天秤が加わります。
じゃあ中古が一番!という流れになるかと思いますが、中古はいろいろなリスクを背負うことになるので個人的にはあまりオススメしません。良い中古もありますが見極めは難しい。新車なら誰が買っても同じものが手に入ります。
新車ならばタイヤもバッテリーもオイルもプラグもエアクリーナーエレメントもドライブベルトも新品。ブレーキパッドもブレーキワイヤーもベアリング類も、そしてセルモーターやスターターリレーも新品。シート皮も新品。灯火類バルブも新品。
まだまだあります、ブレーキホースやガソリンホースなど各種ゴム部品も、各部パッキン、ガスケット類も新品です。
中古車のこれら消耗品を全部交換すると新車価格を超えるでしょう。さらに中古だと購入後にフォークオイル漏れやエンジンガスケットからのオイル滲み、あるいは原因不明のエンジン不調など出てくる可能性だってあります。
ボルトの固着やボルト山をナメたあとも中古だとある可能性がありますが新車だと皆無です。
のちのちのメンテ費用や修理リスクを考えれば新車がお得だと思います。
カスタムしない
スタンダードのまま乗るのが一番維持費が節約できます。安くて耐久性があるからです。
趣味で乗るならカスタムはありですが、家計節約で乗るつもりならカスタムは無駄にお金がかかるだけで寿命も短くなります。
例えばスタンダードマフラーが壊れたわけでもないのに車外マフラー交換して4万円消費したらガソリン代何ヶ月分無駄になるでしょうか?4万円あれば、リッター135円であれば296リットル買えます。296リットルあれば燃費が35km/Lだとすると10,360km走れます。
イリジウムプラグだってもったいない。スタンダードなプラグで十分だし何も問題はない。
高効率バルブなんて寿命短いし高い。普通のバルブでOK。
スペックオーバーの高級オイルは125cc以下の通勤や下駄目的バイクには不要。1リットル600円ほどで買えるUTCの安いバイク用オイルで十分。さらに節約する人は車用の4リットルサイズを使っている人もいます。
家計節約目的で乗るならカスタムはしない、が基本です。趣味ならOK。
ただ、例外もあります。
ブレーキパッドは純正パーツより、デイトナゴールデンパッドがオススメです。
例えばアドレスV125Sの場合であれば純正パッドが7000kmあたりで終わるのに対し、ゴールデンパッドは3万kmほどもちます。これだけもつと維持費も安くなります。
ディスクローターへの攻撃性が心配となるでしょうが、V125Sの場合だとディスクローターの摩耗はそれほどでもないです。制動力もしっかりあります。
現在はリニューアルしてゴールデンパッドχというものへ変わっています。私はまだ前回交換のゴールデンパッドが残っているので新タイプはわかりませんがパッケージを見る限りライフは長いようです。
パッドは4,000円くらいもしますので、ライフが長いほうが経済的です。
オイル交換やりすぎは維持費がかさむ
世間一般ではメーカー指定マニュアルのオイル交換頻度がいかに危険かのように言われることが多く、オイル交換インターバルをやたら短くする人は多いですが、メーカー指定インターバルで十分。オイル交換インターバルを半分にすれば、オイル交換での維持費は2倍になります。
趣味ならそれでもいいですが家計節約バイクとして乗るなら交換し過ぎは維持費が無駄です。しかもバイク好きはオーバースペックなオイルを使用する傾向があります。これも維持費が膨れ上がり無駄です。
交換オイル量が1リットルとすれば、1リットル2,000円の高級オイルを年2回交換すれば年間4,000円。しかし1リットル600円の安いオイルを年1回なら年間600円です。浮いた3,400円で国産うな重が食べられます。
短距離走行の繰り返しなどシビアコンディションの場合は、指定の半分くらいのインターバルで十分です。シビアコンディションも整備マニュアルです。さらにそれより短い人もいますがそれはやりすぎです。趣味ならOK。
例えばメーカー指定が6,000kmまたは1年おきとなっていれば、それで十分。シビアコンディションなら3,000kmまたは半年おきで十分。それで壊れたり調子悪くなるようならメーカーは指定インターバルの見直しが必要です。
オイルが黒いのをスラッジがスラッジがと気にする人がいますが、オイルは熱ですぐ黒っぽく変色します。色の変化はほぼ熱によるもの。全く劣化していないというと嘘になりますが通常使用ではそれほど気にしなくていいと思います。
オイルゲージにたれたオイル滴を光に照らして透明感があれば熱による変色。濁りがあればスラッジ。
ただし、オイルレベルチェックは日常点検ですので、オイル交換まで全く点検しないでは駄目です。オイルが入っていないと最悪壊れます。
メンテナンスはなるだけ自分で
私の場合はバイクを新車で購入したらすぐにパーツリストを買います。そしてそれでパーツを注文しながらメンテナンス。工具はすでに一通りあります。初期費用だけ少しかかりますがすぐ取り戻せます。
オイルフィルターやエアクリーナーエレメントの消耗品を純正互換品というさらに安いもので交換する人もいますが、私はそこはケチらず純正品でやっています。
タイヤ交換
自分でやっている人は多い。が、初心者には難易度が高く敷居は高い作業。タイヤ脱着以外にビード上げやタイヤ処分という壁がある。
ドライブベルト、ウエイトローラー交換
やや難易度は高いが工具揃えればすぐ覚えられる。これバイク屋でやってもらうと工賃が結構かかる。
エアクリーナーエレメント交換
簡単。
オイル交換
難易度は低い。
プラグ交換
簡単。
灯火類のバルブ交換
カウルを外すことにコツがいる場合もあるが、まあ簡単。
ブレーキパッド交換
ディスクブレーキなら簡単。ただ安全に関わる部分なので自信がなければショップで。
パンク修理
チューブレスなら簡単。チューブタイプの場合は初心者にはきつい作業。
処分について。
エンジンオイルの廃油は2りんかんで無料引き取りをやっています(2020年9月17日時点)。
オイルパックやトイレットペーパーをビニールに入れて自作パックで燃えるごみで処分する人も多いです。ただし自治体によって処分方法は変わります。ちなみに福岡市では燃えるごみでのエンジンオイルの引き取りは行っていません。
タイヤ処分は2りんかんで1本270円+税です(2020年9月17日時点)。125cc以下のタイヤは小さいのでタイヤカッターでバラバラにし、ゴムとワイヤーに分けて燃えるごみと燃えないごみで捨てる人もいます。
メンテナンスは全部とはいかなくても出来ることは自分でやると安く済みます。
私は純正部品の購入はウェビックを利用しています。
https://www.webike.net/
メンテナンスは自信がない場合は無理に自分でせずにショップでやってもらいましょう。
バッテリーは激安中華で十分
バッテリーを純正で買うとすれば、それは利口とは言えません。純正バッテリーは例えばV125Sだと非常に高価で1万円以上します。中華バッテリーであれば2,000–3,000円ほど。当たり外れはありますが中国製のNBSのバッテリーは1年保証がありますし十分元が取れます。
ちなみに私は当時送料込み2,170円で買った中華バッテリー(1年保証)が7年持ちました。調子に乗った私は現在同じもの(値上がりし送料込み2,870円)をまた購入し、1年ほど使った今も問題なくセル一発で元気に始動しています。
どうしても中華が不安であれば台湾ユアサなどのバッテリーもあります。こちらも中華に負けず劣らず安いです。ただ、1年保証がありません。
バッテリー廃棄は私はバイク用品店のナップスに引き取ってもらってます。ナップスは不要な古いバッテリーを無料で回収しています。2りんかんやカインズでも無料引き取りをやっているようです。
ランプレのバリ取りでウエイトローラーの寿命UP
新車を買ったらできればやったほうがいいこと。それがランププレートのバリ取り。だけどほとんどバリがない場合も多いので、まあ最初のメンテ時に確認してバリがあれば取る感じでいいと思います。
バリは赤丸の部分です。
これをやることでウエイトローラーの寿命が大きく上がります。ウエイトローラーの摩耗はほとんどが固い尖ったランププレートによるものです。これはウエイトローラーのプラスチックを削り切ると、こんとは中央の金属(真鍮などかな)のウエイトも削っていきます。
こうなります。
ランプレによって削られた真鍮ウエイト。特にハイスピードプーリーを組み込んだスクーターはウエイトローラーがギリギリまで飛び出ますのでランプレの端っこで削られやすく注意です。
それがさらに進行するとウエイトローラーがプーリーから脱輪します。
ランププレートのバリをきちんととってあげるとウエイトローラーの摩耗は驚くほど少なくなります。ただしランププレートは非常に硬いのでバリ取りは手作業だとそこそこ大変です。サンドペーパーでは無理です。
バリ取りが出来なくても一回目のメンテナンスでウエイトローラーのいくつかに摩耗があれば、摩耗のほとんどない場所のローラーと入れ替える方法もあります。こうすれば寿命を引き伸ばせます。その時ランプレの位置を変えないように。
これでウエイトローラーの寿命が大幅に伸び、メンテ費用節約です。
タイヤはケチるな!スリップサインがでたら交換
タイヤをケチるためにスリップサインがでてもまだ溝があるからとスリック状態になるまで乗る人は結構います。そういうブログも多数見てきました。下手すればカーカスが見えるまで使い倒したブログまで見たことがあります。
しかしタイヤは安全に直結するパーツです。ケチったせいで事故を起こせは全て無駄。スリップサインがでたら速やかに交換です。
タイヤ費用はスクーター維持費でかなり痛い部分です。なのでライフの長いタイヤが理想ですがロングライフ=低グリップという傾向がありますので、安全性を考えれば走行距離や運転用途によるタイヤ選択が望ましいと思います。
年間走行距離が少ないのにロングライフタイヤを装着しても、タイヤの溝がいくら残っていても経年劣化でひび割れたり硬化します。そうなるとどっちみち交換となります。そのまま乗れば走行中のバーストやスリップなど安全面で問題がでます。
安全性を犠牲にしてまでコスト削減すると事故ったあとで後悔するので、摩耗と相談しながらグリップのいいタイヤ選びがいいと思います。とくにフロントタイヤは摩耗しにくいのでロングライフタイヤを選ぶメリットは少ないです。
よく乗る人は、フロントがグリップ重視、リアがライフ重視という選択はありだと思います。
交通違反で捕まらないこと
交通違反で捕まって反則金を払う。6,000円、7,000円と一気に飛んでしまう。
これが一番無駄です。
50ccだと速度違反のターゲットになっていますので注意。メーター読み40-45km/hくらいまでは捕まらない傾向はあります(メーターは速度が10%ほど多めに表示されていることが多い)が、50km/hだとほぼ捕まります。ただし40-45km/hで捕まらない保証はありません。
30km/hを意固地に守るとかえって危険ですが、速度を上げれば上げたで道交法との板挟みとなり、50ccは大変です。
信号や一時停止など止まるところではしっかり止まること。歩道上での駐禁に注意。
事故でバイクが破損でもなればさらに無駄な出費。
安全運転を。
節約のため乗らない考えは利口ではない
維持費節約ということで乗ることを控える。
これでは買った意味がありません。持ってるだけ無駄です。
乗ることは節約する必要はありません。せっかく購入したバイク、どんどん乗って活用しましょう。