皆勘違い!路肩は歩道の有無は関係なし!「路肩と路側帯の違い」

路肩と路側帯、車道外側線について、ネットでは情報が錯綜しています。

「車道外側線の上は路側帯に含まない図解」で表しているサイトもあれば、「路側帯には車道外側線も含まれます」と書いてあるサイトもある。また、「車道外側線の上がどこであるかに規定はなく明確に定義されていない」とするサイトもある。

また、路側帯を分けている白線のことを車道外側線と呼ばすに白線そのものを路側帯とし、路肩部分のことを路肩とは呼ばずに、それを分ける白線を車道外側線(区画線)と呼んでいるサイトも有る。

これらが教習所の教官のサイトであったり、自動車保険サイトであったり、弁護士サイトであったり、この中で法や政令を引用しつつも矛盾しているので、おそらくネットで調べる人はどれが本当でいったいなにがなんなのかワケがわからなくなるように思う。

これをスッキリしようということでこの記事を書きました。

これらは国土交通省と警察庁の作成した 「自転車利用環境整備ガイドブック」 での記載がすべて解決してくれました。

路肩と路側帯の関係は?
車道の範囲はどこまで?
車道外側線の上は路側帯?
路肩と車道外側線の違いは?

ネット上では法令を誤解釈した情報で溢れて、サイトによっては矛盾したり、わけが分からなくなっていますが、この記事で全部すっきり出来るはずです。

路肩と路側帯の関係

そこが路肩であるか、車道であるか、路側帯であるかは道路構造令と道路交通法で異なります。

歩道がある場合

歩道がある場合の道路構造令の路肩部分は、道路交通法では車道となります。道路構造令では歩道があってもなくても路肩です。

歩道がない場合

道路構造令では歩道があってもなくても路肩です。この写真の場合、道路交通法では路側帯となります。

上の写真では車道外側線で区切っていますが、道路構造令では路肩は車道外側線は関係がなく端っこの部分が路肩という場合、車道外側線の外側を路肩とする場合があります。

出典:安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン|国土交通省道路局 警察庁交通局

路肩

路肩という言葉の定義は道路交通法にありません車両制限令、道路構造令には路肩の定義があります。

路肩 道路の主要構造部を保護し、又は車道の効用を保つために、車道、歩道、自転車道又は自転車歩行者道に接続して設けられる帯状の道路の部分をいう。

出典:車両制限令第2条の7、道路構造令第2条の12

つまり道路構造令では歩道があるないに関わらず路肩です。そこが路肩であるかないかに歩道の有無は関係ありません。

路側帯

道路構造令には路側帯の定義はありません。路側帯は道路交通法の定義となります。道路交通法による路側帯の部分は道路構造令では路肩となります。つまり道路構造令では歩道の有無に関係なく、路肩となります。

道路交通法では歩道が設けられていない道路の車道路端の脇(車道外側線を含めた外側)が路側帯で、歩道がある場合はそこは路側帯ではなく車道となります。

路側帯 歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によつて区画されたものをいう。

出典:道路交通法第2条の3の4

「道路標示によって区画」という部分について。

※車道外側線は区間線であるが、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の第7条に、路側帯を表す区画線(車道外側線)は道路交通法の規定の適用では道路標示とみなすことが定義されています。

ゆえに歩道の設けられていない道路で、車道外側線によって車道路端に区画されたものが、道路交通法の扱いでは路側帯となります。

路肩は歩道の有無は関係ない

道路交通法=路側帯の定義はあるが路肩の定義はない。

道路構造令=路肩の定義はあるが、路側帯の定義はない。

つまり路側帯の定義は道路交通法に基づいていて、路肩の定義は道路構造令に基づいている。

道路交通法と道路構造令では名称が異なり、そのせいでとてもわかりにくく混乱の原因となっている気がします。

ここまで書いた路肩と路側帯の関係については、国土交通省と警察庁の作成した「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」に路肩と路側帯の関係について図解入りの説明で見ることが出来ます。

また、国土交通省および警察庁の作成した「自転車利用環境整備ガイドブック」にある、「II.道路法(道路構造令)と道路交通法の関係」の部分にも、歩道がある場合の路肩と、歩道がない場合の路肩が図解で書いてあります。

ネット上の殆どのサイトでは、路肩は車道と歩道の間の部分にあるスペースで、歩道の有無と関係していることを書いていますが、これは間違いで、実際は路肩は歩道の有無と関係がないことが上のリンクからわかりました。自動車保険や車関係の法人サイトまでかなりの確率で間違っている始末です。

法令を根拠に出しながらなぜ間違っているのか説明します。

歩道の有無が関係していると主張するサイトには道路構造令の第2条の12を根拠として出してあります。

路肩 道路の主要構造部を保護し、又は車道の効用を保つために、車道、歩道、自転車道又は自転車歩行者道に接続して設けられる帯状の道路の部分をいう。

出典:道路構造令第2条の12

ここの“車道、歩道、自転車道又は自転車歩行者道に接続して設けられる帯状の道路の部分”というところ。だから歩道と車道の間にあるスペースが路肩であるというらしい。

ただ、よく見てほしい。車道、歩道、自転車道又は自転車歩行者道”と、車道がしっかり書いてあって、歩道の有無は実は関係ない。路肩から車道に接続という意味も含まれる。

これは先程のガイドブック及びガイドライン4ページ目(PDF9ページ目を見れば図解でよくわかります。歩道あり歩道なしの路肩パターンが図解で示されています。

車道外側線上は路側帯?車道?

車道外側線という白線といっても10-15cmの幅があり、この線上は路側帯か車道か、どっちに含まれるのでしょうか?あるいはどっちにも含まれないのか?

これに関しては、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令 第7条に書いてあります。

(道路標示とみなす区画線)
次の表の上欄に掲げる種類の区画線は、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号。以下「交通法」という。)の規定の適用については、それぞれ同表の下欄に掲げる種類の道路標示とみなす。

出典:道路標識、区画線及び道路標示に関する命令 第7条

「次の表に掲げる」の表がワードプレスの引用枠にどうしても入らなかったので表だけ分割。

区画線道路標示
「車道中央線」を表示するもの「中央線」を表示するもの
「車道外側線」を表示するもの(歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられ、かつ、実線で表示されるものに限る。)「路側帯」を表示するもの
出典:道路標識、区画線及び道路標示に関する命令 第7条

道路標識、区画線及び道路標示に関する命令で、車道外側線は区画線と定義。そして道路交通法の路側帯における車道外側線は「路側帯を表す道路標示」とみなされる。つまりこの線の上は路側帯である。

国土交通省および警察庁の作成した「自転車利用環境整備ガイドブック」で図解で見ることが出来ます。

つまりこういうことです。

車道外側線が路側帯を示す場合は、車道外側線は道路交通法では路側帯を表す道路標示とみなす。

白線上も含めて路側帯です。

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