インターネット上のいろいろな記事には、バイクの寿命に関して原付きは1万kmだとか3万kmだの、中型以上は10万kmだのか書かれていることがあります。
中型以上の10万kmはまだしも、低排気量については厳しく見過ぎだと思います。エンジン回転数が高くエンジンへの負担も大きいですが、それでも1万kmや3万kmで寿命がくるようなものではありません。
実際、低排気量のバイクの寿命は世間一般で言われているよりはるかに長いです。
それをこの記事で述べていきます。
バイクの寿命
この記事では「寿命」という定義をエンジンをオーバーホールなしで元気に乗ることが出来る基準として話を進めていきます。限界という意味ではなく。
バイクの寿命はかなり低めに見られることが多いです。2スト時代は50cc原付きで寿命1万kmというような情報もありました。しかし2ストでもそんなに短かった事例は聞いたことがない。
特にオーバーホールなどすること無く、通常の消耗品で10万kmを超えた2ストのアドレスV100なんて普通にあります。
ただ、原付きなどはメンテナンスを怠る人も多く、そういった使い方は寿命を短くします。メーカーのマニュアル通りきちんと整備していれば驚くほど元気で長持ちします。
50ccで1万km?1万kmなんてまだ成人式が終わったようなレベルです。1万kmで終わったら人によっては1年で寿命ですよw。ないない。
年数を目安にすると
先に結論を言いますと、定期的に消耗品を交換し、マニュアル通りに整備をした場合だと、買い替えたほうがいいようなレベルの整備や修理なしでも20年いけます。
年数で言うとよく10年と言われますが、例えば私が今乗っているバリバリ現役のアドレスV125Sはちょうど10年だから寿命になってしまう。じゃあ買い替えの目安?いや違う。
10年過ぎたV125Sは特別な大掛かりなメンテナンスはしていないがエンジンは快調でよく回る。始動も加速も問題なし。故障なし。シリンダーヘッドやフォークシールからのオイル滲みなどもない。
10年も過ぎればフロントフォークのシール系など劣化が心配される年数だが、シールが劣化したから寿命か、買い替え推奨か、と言うと全くそんなことはない。ただの消耗品でしか無い。
一応スズキのマニュアルではゴムホース類などのゴム系部品は4年を目安に交換するように書かれています。ただ、今の所触った感じではガソリンホースなど亀裂はないし、弾力も十分ある。ブレーキホースも問題なし。ただしこれは安全のため近いうちに交換予定。ただ全て自分でやるので部品代のみ。
10年過ぎると通常とは違うメンテナンス費用は多少かかってくるかもしれないが、だからこれが寿命とは思わない。こういう目安で寿命を出している人もいるが私はこれはバイクの寿命とは言わないと思う。
今でも90年代のタクトやらライブディオ、レッツⅡなどの2スト車両なんて普通にどこでも見ますしアドレスV100も普通に街中で走っています。4ストはホンダのフリーウェイ(250cc)もまだまだ現役でみます。
もうポンコツというわけでもなく普通に元気に走っています。
走行距離の目安では
昔は50cc原付きのメーターが4桁kmまで(9,999km)までしか無いことが原因なのかわかりませんが、原付きの寿命が1万kmなんて雑誌で言われていました。しかし当時でも9,999kmメーターなんて何周もしていたのが現実です。
現在はどうでしょうか?中古車では50ccで3万kmを超える車種を殆ど見ない。だからといって寿命を3万kmと見るのは甘い。
50ccでもよほどのハズレ車両でない限り、余裕で5kmは突破します。
大まかな目安は、
ただ、限界という話になればまだ長い。50ccでも10万km超えるし、中型以上だと20万kmだって超える。
だから距離なんて気にせずどんどん乗っちゃっていいですし焦って買い替えなんてしなくていい。しかし排気量関係なく流石に10万kmを超えてくるとガスケット類などの劣化でシリンダーヘッドからのオイル滲みなど出てくるかもしれない。
だがオイル滲みがあったところで普通に走れるしガスケット交換すれば直るわけだが、それ以降もあちこち交換品が増えてくることを考えて、10万kmを買い替えの一つの目安にするのはありかもしれない。
だからといって10万kmを寿命とする考えは賛成できません。
50ccに関しては私は2スト4ストの2台の50ccスクーターを乗りましたが、2ストのスズキレッツⅡも、4ストのホンダのスクーピーもどちらも3.5万km超えたあたりで買い替えました。
理由は故障とか調子が悪いとかではありません。エンジンは快調でした。単に別のバイクが欲しくなったから買い替えたと言うだけです。
ただ、オドメーターが9,999kmを超えると0kmに戻りましたので、中古で出回る時は走行距離がどうなるかわかりません。中古で走行数万kmの車両がないから原付きは短命というのは違います。
実際の寿命は4スト50ccで5万kmくらい余裕で超えます。125ccだと10万km超えます。小さなバイクでもこれくらいは元気に走ります。この距離を超えてもまだまだ元気で走っている報告は多数あります。
50ccで10万km付近まで走っている報告もツイッター上にあります。
ホンダのトゥデイ(50cc)の10万km。
ヤマハのギア(50cc)の10万km。
50ccでさえこれくらい走るんです。125ccとなると10万km突破の報告は更に何倍も増えます。2ストのアドレスV100でも10万km超えます。
400ccだとCB400SFでオーバーホールなしの20万km超えを2件ほど聞いたことがあります。しかもそれで終わりではなくまだまだ走る状態。
しかし多くのライダーは走行距離が数万km程度で買い替えてしまいます。調子が悪くなってという理由で買い換えるのではなく、違うバイクに乗るためなどの理由です。
修理部品の問題
あまり古くなると修理部品が入手しにくくなるというのはあります。
ただ、新型が出ても共通部品として使われ続けているパターンも多く、特に消耗品に関しては社外品もあるので、事故やバイクが風で倒れカウルを割ったりなどしない限りは心配はあまりいらないと思います。
カウルなど純正部品が手に入らなくなっても、オークションサイトを探せば何かしら見つかると思います。
廃車にするべき致命的な故障とは
バイクの寿命が終わる致命的な故障は、よくあるものだとクランクベアリングの破損。
この修理にはエンジンの一番奥までバラす必要があり、ここがやられると修理代が絶望的で基本的に廃車。
長く乗るには
5万km10万km突破するのにエンジンオーバーホールなんて不要。
長く乗るために。
- 日常点検のオイルレベルチェック。
- 整備マニュアルに従う。
- スタンダードのまま乗ってカスタムしない。
- バイクをきれいに保つ。
- バイクに乗る。
怠りがちな日常点検。特にオイルレベルチェック、空気圧チェック。
マニュアル通りの整備。オイル交換、プラグやエアクリーナーエレメント点検・交換など。
長く乗りたいならカスタムをしないでスタンダード状態のまま乗ること。
そしてバイクをきれいに保つこと。汚れは各部サビなどが出てバイクを劣化させます。フロントフォークのインナーチューブは定期的に磨いて綺麗にしないと、サビが浮いてきてそれがダストシールやオイルシールにダメージを与え、最終的にオイル漏れがでてくるかもしれません。
バイクに乗ること。動かすほうが調子は良くなる。あまり長く乗らないとマフラーの中に蜘蛛が巣を作ることもある。
あと距離を重ねていくとどうしてもエキパイにカーボンが蓄積します。4ストも例外なし。オイル交換を頻繁にやっても同じ。蓄積します。これを焼いて取り除くとパワーが戻ります。
エアクリーナーエレメントに関して、湿式のスポンジフィルターは経年劣化でスポンジがボロボロになり、最後は粉になってエンジンへ吸い込まれてしまいます。エンジン内部で溶けて溶着すると厄介ですので、洗浄タイプでも4年を目安に交換したほうがいいです。