近年様々なプラットホームで盛んになってきているライブ配信。
ライブ配信は人と会話する機会がない人にとって、人と会話ができて心を癒やす事ができる。これは単なる趣味という枠でいい切ってしまうのがもったいないくらい素晴らしいサービス。
ネットがない時代だと、孤独感は強烈です。部屋に一人でテレビが喋っているだけというスタイル。一方的に音が出るだけのテレビでは寂しい心は満たされず、強い孤独感が襲ってくる。
ところがインターネットが広がって変化が起こった。Yahoo掲示板から始まり、2ch掲示板、あるいはホームページの掲示板があった時代から孤独感は緩和される。掲示板では言葉のやり取りが出来た。2chでは書き込み頻度が多いため実質チャットのような感じになることもあった。
そしてついに一般の人が配信できるライブ配信が登場。ライブ配信で自分を映し、視聴者とチャットで会話する。これが画期的だった。テレビは一方方向から音が出るだけだが、これは双方向で言葉のやり取りが出来る。コメントが書き込める生動画配信。
最初はノートPCなどでの配信という形式だったが、後にスマホが普及し、スマホで気軽に配信出来るとあって配信者も増えた。
ライブ配信する目的、配信を見る目的
他のプラットホームはあまり知らないのでニコ生前提で書いていくが、ライブ配信をしている人は、雑談、ゲーム、料理など様々。とくに雑談をする配信者が配信を始める切っ掛けは「誰かと話がしたい」という、寂しさ解消や癒やし目的が多い。またゲームや料理配信でも基本雑談しながらです。
配信を見る側も自分の好きなゲーム等をやっている配信者を見て情報交換し合ったり、雑談配信を見たりするが総じて共通することは、配信者との言葉のやり通り。つまり会話、コミュニケーション。
ニコ生では上位配信者はほとんどが雑談。「誰かと会話がしたい」「寂しさ解消」「癒やし」など。ただニコ生はコメントの治安はあまり良くないので逆に叩かれることもあります。
配信者を叩くことでストレス解消する視聴者もニコ生では多く見られます。これはしてはいけません。ただ、ニコ生は特殊で配信者の中には討論を主体とした配信で、概要欄に発言自由、アンチコメ容認と書いている人も一人だけいます。こういった場合は遠慮はいりませんが、脅迫コメントなどはNGです。
その他、視聴者をあえて煽ることでアンチコメントを稼いで盛り上げてくる配信者も何人かいます。ただこういったノリで書き込むコメントを他の配信者の放送枠でもやると誹謗中傷や荒らしとみなされるので注意が必要です。
ライブ配信が心を満たす
ライブ配信は社会問題として子どもたちへの依存や投げ銭などがニュースに流れるのでマイナスイメージが目立ってしまいますが、普通に楽しい場所です。
しかし私生活が充実した配信者や視聴者ばかりではありません。
中にはリストカット跡が多数ある女性配信者が何人もいる。精神的に問題を抱えて入院歴のある人もいる。生活保護を受けている人や引きこもりも多くいる。年齢も10代から50代と幅広い。
これらの人たちが「誰かと会話がしたい」「話を聞いてほしい」「寂しさ解消」「癒やし」という目的でネットで配信をする。ネットに関心がない世代から見れば、これを現実逃避と悲観的に見るかもしれませんが、そう見るべきではありません。
配信によって実生活の会話が疎かになっているのではなく、実生活で会話ができなかった人が配信を始めたことで会話ができるようになったということです。
雑談内容は、今日あった出来事、世間話、愚痴など。人と話すことが苦手な人も配信ではサクサク話せることが多い。
世の中は引きこもりやコミュ障で人となかなか話せないため極度な孤独感で悩んでいる人は多くいます。一人が好きな人でもやはり本当に一人になれば寂しさは感じるものです。ライブ配信どころかネットがなかった時代はほんとうに誰とも会話ができない環境だったでしょう。
幸いなことにこういった配信者には多くの視聴者が集まりコメントが大量に流れます。
もしライブ配信がなかったら彼ら彼女らはどうなっていたでしょうか。話を聞いてくれる人がいない。一人で孤独感を味わい、一人で悩んで苦しまないといけない。もしかしたら命を絶っていたかもしれない。しかし配信することで人と会話ができるのです。
実生活では面と向かって話すことが出来ない人でも配信では積極的に話ができることが多いようです。
いままで心の居場所がなかった人がライブ配信によって打ち解けられる唯一の居場所を見つける。これがどれだけ寂しさを満たしていることだろうか。
配信者が実際口にした言葉では、「配信を切るのが怖い。」「配信を切ると虚無感がすごい。」という。これは一見依存症のようにも思えるが、放送で多くの視聴者とワーワーやっていたのが、放送を切ることで急に静かになり、心にぽっかり穴が空いた感が襲ってくるということでしょう。
例えると卒業式翌日の虚無感あたりが似ているのではないかと思います。前日までクラスの大勢の仲間を毎日過ごしていたのが、今日からは誰もいない、二度とああいう毎日を送ることはないんだ、という虚しさは味わったことがあります。
特に長時間配信を頻繁にする生主はその傾向が強いかもしれません。しかしいままで積極的に話せる人がいなかった人が、楽しい居場所があるだけでも素晴らしいことです。
放送で私生活の悩みを延々と愚痴ってしまう人もいました。その放送では特に解決することはなかったが、最後に「話を聞いてくれてありがとう、気分が晴れた。」と何度も言っていました。
ライブ配信はメディアからは投げ銭トラブルだの依存症だの悪く言われがちだが、こういういい面も多くあるということです。これは趣味の域を超えたとても大切な部分。
ライブ配信者はリスクもある
癒やし目的でライブ配信することにはリスクもあります。それはアンチ視聴者による煽り。または配信者同士の人間関係トラブル。
視聴者はポジティブなコメントばかりするとは限りません。中には意地悪なコメントをしたり荒らしも現れます。ここをうまく捌けるといいのですが、そんな力が最初から皆備わっているわけではありません。スルーしても精神的にまいってしまう場合もあるでしょう。
誹謗中傷やしつこい荒らしコメントをブロックすると、根に持ってきて更にエスカレートすることもあります。
配信者同士のトラブルにも注意しないといけません。視聴者が別の配信者のところでデマを流すこともあります。ただ、配信者同士のトラブルはそう多くはありません。
大手になれば5ch掲示板へスレッドが立つことがあります。スレッドが立ったら配信者としては認められたということであり成功者です。しかし5chは治安が悪く、批判的なレスや誹謗中傷レスが主体となることが多いです。5chは見ないことが正解です。
また配信者は大手になるほど視聴者からストーカー被害を受けやすくなります。自宅を特定されて住所を晒されたり、自宅へ着払いでピザを送りつけられたり、勝手に自宅の敷地内に入ってきたり様々な妨害など嫌がらせを受けることもあります。ただしこれは大手になった場合がほとんどでそれ以外の配信者はほとんどその心配はないです。
ニコ生の誹謗中傷を克服した人の話
ニコ生では配信者への誹謗中傷や心無いコメントなどがとても多いです。どの配信サイトより多いと思います。
メンタルが弱い人がこの道を突破するのは容易ではありません。ですがメンタルが弱い3人の女性配信者はこの茨の道を克服しました。その理由を配信中に聞くことがありましたが、3人共同じでした。
それはニコ生で有名な「Q-CHAN牧師」という配信者を見たのが心の支えになったそうです。彼はキリスト教の牧師さんをやっている人で、ニコ生などで配信もやっています。キリスト教が支えになったというのではなく、Q-CHAN牧師の人間性が支えになったようです。
ニコ生では「Q-CHAN牧師」へはかなり誹謗中傷コメントが多く、差別用語が飛び交い、ピザ宅配のいたずら(受取人払い)もあったり、おそらく誰よりも叩かれています。Q-CHAN牧師はそのコメントに対し一切反撃はせずに、にこやかに淡々と配信をしています。
これを見てその3人女性配信者は「私よりも叩かれている人がいる。なのにあんなに元気だ。あんなに叩かれているのになんでいつも元気なんだろう。」と思ったそうです。このQ-CHAN牧師のメンタルの強さが心の支えになって誹謗中傷コメントを克服したと語っていました。
最後に
配信することにはリスクもあります。上に書いたリスクは主に大手になった場合がほとんどですが、リスクを分かった上で、心の癒やしを求めて配信を始めるなら全然OKだと思います。
リスクが怖いなら配信者としてではなく、視聴者としてライブ配信に参加し、コメントを書き込み、配信者とコミュニケーションをとるのがおすすめです。
誰かと話したい、寂しい、でも友人がいない、人とあって話すのが苦手・・など悩んでいるならライブ配信へ参加すると癒やされるかもしれません。配信をやればもう一人ぼっちではありません。たくさんの視聴者が仲間です。
メディアではライブ配信は若者に人気などと書かれることもありますが、中年層は多いですし、50代以上もたくさんいます。年齢なんて関係ありません。コメントも年齢や社会的な地位は関係なく、全員が同じ目線で会話ができます。