きっかけは金融機関の硬貨の両替や入出金に対し、枚数に応じた手数料を導入したこと。
それ以降スーパーのセルフレジで客によって硬貨が大量投入され機械が停止してしまうトラブルが相次いでいるらしい。小銭消化と言うより両替目的のためにセルフレジを利用しているのだろうか。
このセルフレジが停止する原因と対策、客のマナー問題について考察していきます。
セルフレジが停止する原因
停止する原因は2つ。
- 枚数が限度に達した。
- 異物が入り込んだ。
1番目の「枚数が限度に達した」というのは、各セルフレジに設けられている硬貨の限度枚数。セルフレジなら無限というわけではないです。扱える枚数には限度があります。1人が大量に硬貨を入れるとすぐにオーバーフローしてしまいます。
2番目の「異物が入り込んで停止」というのは、財布を逆さにして一気に小銭を投入することで、財布に入っていた硬貨以外の異物を勢い余って流し込んでしまい、エラーで機械が停止してしまうというもの。
客のマナー
なにか法改正があるたびに身勝手な行動に出る客は一定割合で発生します。
例えばレジ袋が有料になったととたん、スーパーの買い物かごをそのまま持ち去る事件が多発したり、マスク不足のときに店員に詰め寄って殴ったりなど、客のマナーに関してはセルフレジ問題だけでなく店の対応が丁寧になるほど年々悪化しているようにも見える。
買い物カートを駐車場に置きっぱなしにしたり、健常者が身障者スペースに斜めに駐車したり、いったん買い物かごへ入れた商品を買うのをやめて戻す時、元の場所へ戻さず全然違う商品棚へ戻したり、キウイが固いか確かめるため指で押して潰したり、客だからとやりたい放題になっている傾向が強くなってきました。
客も店も立場は同じです。例えばスイスでは、店はお金をもらってありがとう、客はサービスを受け取ってありがとう。互いは同じ目線であり互いに感謝し挨拶をします。
日本も昔はそうだった気がします。おかしな客がいたら店主が怒鳴って注意していたのも今や昔の話。今は丁重に注意しても逆ギレされる時代です。
今は客が自分のほうが立場が上であると勘違いし、店員が敬語を使って腰を下げて丁寧なのに、タメ語で下目遣いで偉そうに話す客もいる。それはどんどんエスカレートし、おかしなクレーマーも増えて平気で暴言を吐いたり嫌がらせをする時代となった。
そのマナーは社会問題となっています。いわゆるカスハラ問題です。こうやってマナーは悪くなる一方です。このズレてきた文化をもとへ戻していかないといけないと思います。
セルフレジの硬貨大量投入は枚数制限を張り紙している店もありますが、そうでない店もあって、禁止というわけでもなかったりする。じゃあ好き勝手にやっていいのかというと、やはり大人・社会人のマナーとして迷惑行為を慎み、良識ある行動を心がけるべきではないでしょうか?
対策はあるのか
これはもう客のマナーの問題としか言いようがないが、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律でこのように定められている。
貨幣は、額面価格の二十倍までを限り、法貨として通用する。
出典:通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第7条
ちょっと文体が古くてわかりにくいが、法律上の貨幣(硬貨)として強制通用力があるのは1種類につき20枚まで。つまり店側は1種類につき20枚を越える硬貨の場合は受け取りを拒否することが可能というわけです。(※銀行券(紙幣)は20枚を超えても通用します。)
つまりセルフレジの機械側で20枚を超える場合は額面価格を読み込まないように設定することはできないのかなあと思うわけです。
また財布を逆さにして異物まで投入してしまう問題については、硬貨投入口を変更し、清涼飲料水の自販機のように一枚づつ投入する方式にするしかないのかなあと。
もちろん効率は落ちますが、これなら異物を誤って投入することもなく、また一度に何十枚も大量投入するのも面倒になるため、少しはマナーが改善するのではないかと思います。ただ、今使用中のセルフレジの仕様で、できる対策となるとこれは出来ない。
店側は「硬貨は1種類に付き20枚までとしています。それ以上は支払い受け取りできません。」と注意書きを書くのが緊急的な対策でしょうね。
根本的な解決法は、電子マネー化でしょうか?しかしゲーセンやお寺(賽銭箱)など電子マネー化が今すぐは厳しいところも多いです。そろそろ一円玉を廃止し、硬貨を減らす時期かもしれません。スイスなどの国ではすでに1円玉に相当する1ラッペン硬貨がありません。
ですがやはりすぐ改善スべきは客のマナーだと思います。非常識で迷惑がかかることは控えるべきです。