日本では毎日酔っ払いが犯罪を起こし、彼らはそのたびに「酔っていて覚えていない。」と言い訳をする。ニュースではおなじみの光景です。もちろん単純酩酊の場合はそのような言い訳が通用しません。
しかし複雑酩酊や病的酩酊では減刑されたり罪に問われなかったりします。これが今の日本です。
飲酒運転は厳罰化しました。しかし酔っぱらいの起こした犯罪が厳罰化されることはありません。酔っ払いは治安を悪化させる要因にも関わらず厳罰化されないことは、飲酒に寛容な国であると思わざるを得ません。
日本の飲酒文化
酩酊方(酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律)では節度ある飲酒が国民の努力義務とされていますが、実際はほとんど守られていません。
すべて国民は、飲酒を強要する等の悪習を排除し、飲酒についての節度を保つように努めなければならない。
出典:酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律(昭和三十六年法律第百三号)第2条
日本は世界でも有数の飲酒に寛容な国であり、特に条例等で禁止になっていない限り、公園でも路上でも飲酒が出来ます。はしご酒(梯子酒)という文化もあります。日本ではお酒でぐでんぐでんに酔うことを恥と思わない人が他の国より多いです。飲み会の翌日に、前日酔って行った迷惑行為を笑って自慢げに話す人が普通にいます。
また「酔うことが礼儀」という古くからの文化があり、酔うまで飲むことが珍しくありありません。これは安土桃山時代まで遡るようです。
酔いつぶれるまで飲むような光景は特に会社の飲み会ではよく見ます。「お酌文化」というものが飲み過ぎに悪い影響があるような気がします。忘年会などでは2次会のカラオケやスナックで酒、3次会でも酒、などと酒が途切れません。
日本では節度ある飲酒に対しての意識は低いです。
酔っ払いが治安を悪化させている日本
公共の場での酔っ払いは週末の深夜の繁華街では当たり前のようにいます。
- 千鳥足でフラフラと歩く。
- 大声で叫ぶ。
- その場に座り込んで動けない。
- 路上に嘔吐。
- 路上の真ん中で寝てしまってて車にひかれる。
- 通行人へ絡む。
- 喧嘩をする。
- 物を壊す。
- タクシーに乗って暴力を振るう。
など、社会に迷惑をかける酩酊者はかなり多いです。
会社や家庭内での酩酊者はアルコールハラスメント(アルハラ)や家庭内暴力の要因となっています。厚労省のe-ヘルスネットにある「飲酒と暴力」のページには、アルハラを受けた成人は3,000万人で、そのうち1,400万人がその後の生き方や考え方に影響があったと書いてあります。
これは日常の光景で、酩酊者は治安悪化の要因となっています。
飲酒運転は厳罰化・・でも
酔っ払いの犯罪は多いが、酔っ払いの犯罪で最も多いのが傷害事件。
酔っ払いが逮捕されるニュースでは、容疑者は毎度このセリフです。
「酔っていて覚えていない。」
しかしそのような供述をしたからと言って心神喪失や心神耗弱で無罪や減刑になるとは限りません。単純酩酊であれば責任能力があります。
とは言うものの、酔いの状態によって複雑酩酊や病的酩酊で心神喪失や心神耗弱とされて、罪が軽くなったり無罪となる法律があるのです(刑法第39条)。そのせいか酔っ払って起こした行動に対して責任の意識が低い人が多い。
そういう中でも飲酒運転は厳罰化しました。飲酒運転では「原因において自由な行為(飲酒前には判断能力がある)」ということです。
飲酒運転は厳罰化したのに、なぜ酩酊者の犯罪は厳罰化出来ないのか?という疑問が湧きます。酩酊者にならないことくらいは酒を飲む前には判断能力があります。
これだけ酩酊者の犯罪が多いんです。酩酊法にある「節度ある飲酒」が努力義務というのならそれを義務にしてもいい気がします。酩酊するまで飲む行為は明らかに異常です。健康上のリスクもあります。酩酊者にそれ以上酒を提供することも法で禁止にしていいと思います。
酩酊者は明らかに治安を悪化させているにも関わらず、全く厳罰化されません。毎日毎日酩酊者が飲食店で暴れて殴ったり、タクシー運賃を踏み倒して運転手に暴力を振るっただの、酔っ払いが起こす犯罪のニュースはもう聞き飽きました。
酔っ払いに寛容すぎます。そしてひとりひとりの意識も低い。法改正できないにしても、悪しき飲酒文化をとことん改善していく必要があると思います。