※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

物流の効率化を考える ー 前日オーダーが理想、当日オーダーは非効率です

厚生労働省のツイートで倉庫作業の効率化の話が出ていましたが、私が食品を扱う物流で働いていた頃に強く感じていたことを書いていきます。

ざっくりいうと、倉庫の効率化はオーダーのかけかた次第です。

やはり効率を考えるならば前日オーダーなんです。当日オーダーや荷物を出し終わってからの追加オーダーはとても非効率です。これがどれだけ非効率で倉庫に負担がかかっているのかその理由を書きます。

当然これはオーダーをかける側へは物流から直接指示はできません。いいにくいことです。ただ、前もって出庫が決まっているのなら前日オーダーをかけてほしいのです。

もちろん年末は倉庫もパンパンに詰まり、荷物の入出庫が多いため、忙しくはなります。この時期の効率を考えることはとても重要です。

物流センターや扱う商品によって、入出庫のシステムや効率は違うと思いますが、主に冷凍冷蔵食品原料を扱っていた2万トンクラスの大型物流倉庫での状況をもとに意見をまとめます。

当日オーダーは何度も同じパレットを下ろすハメに

もしも全てが前日オーダーで、当日オーダーがゼロならば、出庫は最短手順で準備することが出来ます。つまりパレットを下ろす回数も最も少ない回数で可能となり、フォークリフトの負担も減ります。

なぜそうなるかと言えば、出庫は様々なところからかかりますが、別々の出庫でも同じロットの商品から出庫されるというものが多数存在します。これをまとめて準備することができるのです。

しかし当日にもあちこちからオーダーがかかると、前日オーダーで準備したものと同じロットの商品のパレットをまたフォークリフトで下ろして作らなければならず2度手間3度手間となります。

さらに出庫が終わってトラックのドライバーが積み終わった時に追加オーダーがかかることがあります。これは本当に非効率です。

当日オーダーで最も困るのが大口出庫です。庫内の取りやすい位置にあるものなら問題はないですが、めったに出ないような商品を当日出庫で10t車1台あるいは2台分レベルの全量出庫をかけてくると、倉庫の奥に埋まっていることもあるためかなりの時間を要します。

さらに2階3階の倉庫から出庫するとなると、パレットを下ろすエレベーターやリフコン(垂直搬送機)が荷物で詰まって回転せず、他の小口出庫まで出なくなるパターンです。

前日オーダーでも17時移行はほとんど意味がない

倉庫側からすると前日オーダーは理想ですが、17時を過ぎても19時を過ぎてもオーダーはかかり続けます。事務所がまだいて伝票を切ったとしても、倉担当が仕事が終わってもう帰宅していれば前日オーダーの意味がありません。

翌朝きてプリンタから何十枚も前日オーダーが出ていることは日常でした。

出庫伝票にも問題あり

物流センターにオーダーがかかり、事務所が出庫伝票を出す。私がいた所は複数の行き先の出庫を積み込んでいるトラックが毎日来ていたが、その伝票は、同じロットで行き先ごとにバラバラと出てくる。

同一ロットから行き先別に2個、3個、5個、2個、2個、3個、4個、3個、という感じで一枚ずつバラバラに伝票が出てくるが、これを、他の大量に出てくるごちゃまぜの伝票から同一ロットの伝票を見つけ出し、合計位を計算して出庫を準備していた。

同じトラックに詰むのにこんなことするくらいなら、合計数で伝票を出してほしかった。そもそも事務所はパソコンで管理しているのだからまとめた数で伝票を出して、細かい数は明細欄に書けばいい話。紙だって無駄になる。

トラックへのパレ積み

大口の出庫ではトラックにパレットごと詰んでいきたいというドライバーがいます。4トンや10トンへ一人でバラで手積みすると1時間2時間とかかるのが、パレごと積み込めばあっという間に終わります。運んだ先でもパレットごと下ろせばまた時間の短縮です。

もちろん忙しくて倉庫内から荷物が出てこなければパレット積みでも速くはなりませんが、パレ積みは総じて効率的です。

ただ、パレットを返却しないトラブルが多く、パレット貸出禁止としている物流センターもある。パレットごと積みたいときにドライバー個人が事務所や現場立ち会いに頼んでも一瞬で断られます。前もって会社を通じて交渉すると例外として認められるかもしれません。

私がいた物流はパレット貸し出し禁止でしたが例外トラックもありました。

トラックがいつ頃来るかの連絡

前日オーダーはいいとして、当日オーダーは物流にトラックがいつ頃来るのか、それがわかれば効率は良くなります。

毎日同じ時間に来るトラックはいいですが、初めて来るようなトラックはいつ来るかがわからないので、大量にある出庫伝票からどれを優先して準備していいかがわかりません。すぐ来るなら優先して準備することが可能です。

午前中か午後かあるいは夕方か、大体でもいいのでわかると助かるのです。そうすれば最も効率の良い順番で準備が出来ます。

トラックドライバーへ

トラックも複数の物流を回ることはよくあります。トラックが一つの物流で予想以上に待たされると予定が大きくずれ込みます。年末だとトラックが物流センターの敷地内に入りきれずに道路に長い列を作ることもあり、下手をすれば数時間待たされるようなパターンもあります。

トラックドライバーは複数の物流をいろいろ回る予定がある場合は、物流の立ち会いに出庫がどれくらいの時間がかかるのか気軽に聞いてくれるといいと思います。時間がかかる場合は他の物流から回ってくるというドライバーもいます。

また出庫数が1カートンや数カートンと手や小さな台車で運べるほど少ない場合は優先して出すので、トラックが並んでいてもすぐに出庫が出る場合があります。出庫が遅い場合は積極的に立ち会いに聞くことをおすすめします。稀に忘れている場合もあるからです。

またトラックが船に乗る場合も時間に遅れそうになるなら立ち合いに積極的に催促をしてください。

歩道や路上ではフォークリフトは運べませんので、少量出庫でトラックが付けられず荷物だけ出てきた場合は台車などで自分で運ぶことをおすすめします。物流センターでいろいろルールがあるかもしれないので一言声をかけるといいと思いいます。

それとセンター内がいっぱいでトラックが入れない状況でドライバーが出庫伝票を持ってきても基本的に出すことは出来ませんし準備もできません。これはシャッターに付けたトラックが優先されるからです。

シャッターにさえ付けていないトラックの出庫を倉担当にかけると、先につけていたトラックの出庫が遅れます。あとから来たトラックの荷物が出てきたとしても運べないまま放置となります。

なので、混雑時に前もって渡しても小口出庫以外はほぼ無駄となります。

入庫について

入庫では、初めて物流に来るドライバーはパレットへ荷物をどう積み付けていいかわかりません。何も言わないでおくと変な組み方(棒積み・パレットからはみ出る・潰れるような組み方)で積みつけされ、最悪積替えて時間の無駄です。特に大口の入庫では非効率となります。

入庫立ち会いは、面倒だからとドライバーを放置するのではなく、必ず組み方を指示しないといけません。ドライバーもわからないときは立ち会いに聞くことです。

まとめ

これらの中で最も気になっていたのが当日オーダーがあまりに多いことでした。

同じロットのパレットをフォークリフトで何度も下ろしたり戻したりすることは、時間も無駄であり、フォークリフトのバッテリーも持たなくなります。

私がいたとこは1日の出庫のうち、前日オーダーが1割未満でした。ほとんど当日オーダーでした。この効率の悪さは常に実感していました。

ただ定時を過ぎて倉の担当が帰ってから翌日のオーダーの伝票が出てきても準備はできません。なので早めのオーダーが望まれるのです。

タイトルとURLをコピーしました