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気をつけないと命を落とすベンチプレストレーニング

ウエイトトレーニーに大人気のベンチプレス。多いときは順番待ちにもなる人気ぶり。

このベンチプレスは事故が多く、安全に取り扱わないと大怪我どころか死ぬこともあります。日本国内でもたびたび死亡事故が発生しています。

今日は大人気ベンチプレスを安全に使用するための話題です。

ベンチプレスは大人気種目だが一番危険な種目

長さ220cm、太さ28mmの金属のシャフトの左右にプレートが装着される。

そのバーベルの下には太いスチールで出来た頑強なベンチ台があり、シャフトの下に潜り込んで仰向けに寝そべる。

そのバーベルを両手で持ち上げ、首の真上で上下させる。

自分が今置かれている状況を我に返って冷静に考えるととても恐ろしい光景。ギロチンの刑と同じ状況。

ベンチプレスは人気があるゆえに初心者でも飛びついてしまいます。それだけにきちんとした対策を怠ると事故に繋がります。

ジムでベンチプレスを一人で行い、力尽きて潰れてもがく。そういう経験をした人、またそういう光景を見たことがある人は多いのではないでしょうか?

潰れたときに「助けて!」という声が聞こえることはなく、一人で静かにもがいていることがほとんど。ゆえに周囲に人がいても気づくのに時間がかかります。

私が行くジムには移動式のセーフティスタンドが置いてありますが、それをベンチ台に移動して使う人は少ないというのが現状。

恐怖、ベンチプレスの事故

  • 2012年12月13日
    千葉県館山市藤原の県立館山運動公園トレーニングルームで23歳の男性がベンチプレスで80kgのバーベルが首に落下して死亡。
  • 2013年11月18日
    大分市の建設会社で56歳の男性がベンチプレスで190kgのバーベルが首に挟まり死亡。

たとえ軽い重量でも、落下した場所が首か顔面であれば大怪我をします。

フィリピンの俳優が2014年にトレーニング中、40kgのバーベルが顔面を直撃して顔面骨折の大怪我をし、その後手術を経て完全復帰したニュースもありました。その俳優はスポッター付きでトレーニングしていました。それでも事故は防げなかったのです。

スポッターでは防げない!セーフティバーは必須!

事故のパターンとしては

  1. 体力が限界に達してゆっくり潰れる
  2. 手が滑って突然落下する
  3. 最後ラックに戻すときに空振りしてバーベルが落ちる
  4. 左右のバランスを崩してプレートが滑り落ちる

「4の左右のバランスを崩してプレートが滑り落ちる」についてはカラー(プレート滑り止め)の使用でほぼ解決します。

スポッターの限界

スポッターは突然の落下には対応できません。

仮に常時真下に手を添えていてもキャッチしてから制御する力がバーベルに伝わり、落下のエネルギーをゼロにするまでには時間がかかります。

あの短い距離と時間では胸の手前で止めることは無理で、一旦そのままドスンと落下してしまいます。そのあとに持ち上げて救出する感じになります。よってスポッターだけでは安全ではありません。

スポッターは力尽きて潰れた場合の補助だと思って下さい。

セーフティーバーが基本

セーフティバーを設置していればほとんどの事故は防止できます。

ただし移動式のセーフティバースタンドの場合、設置位置を間違うと、バーベルがスタンドに当たらず、自分へ落下してくることがあります。またセーフティーバーは自分にあった高さ調整をきちんとしないといけません。

サムレスグリップは危険?

ベンチプレスでのサムレスグリップ(親指を回して握り込まない)は危険という訴える人は多いです。

たしかに滑りやすく危ないんですが、セーフティバーがあればバーベルが滑って落ちても体への落下は防げます

サムレスグリップで落下したためバーベルに挟まれて大怪我するような人は、そもそもセーフティバーを使わないのがいけないのです。セーフティーバーは絶対です。

ただ、セーフティで防止できてもバーベルがセーフティバーまでガシャンと落ちることには代わりはなく、衝撃音が響いて周囲を驚かせることになります。

フォームをきちんとコントロールできる熟練者以外は通常のサムアラウンドグリップ(親指を回し込んでしっかり握る)を推奨します。

トレーニングジムの安全管理不備

ベンチプレス死亡事故はたびたび起こりニュースになります。

事故を起こしたジムではそれ以降安全対策が強化されます。

ただ、それ以外の全国各地に点在するジムは何ら変わらないところが多いです。そして今度は別のジムで同類の事故。この繰り返し。危機感がないところが多いと思います。

他のトレーニングジムで発生した事故は決して他人事として捉えないほうがいいです。いままで20年30年事故が起きてなくても事故は今日明日に突然起きるかもしれません。

安全対策としてベンチプレスにセーフティを備えるのは常識です。

ジムにセーフティもない、一人でやらせている。スタッフは注意もしない。そういう状況では施設側の安全管理対策に不備がありますし、それで仮に怪我や死亡事故が発生すればジム施設側が損害賠償など責任を負うことになります。

ジムの規約事項に「ジム内で発生した事故は一切責任を負いません」などと一方的に有利な条件で明記していても、消費者契約法で無効となります。

ジム入会時にたとえサインして了承していても規約自体が無効となります。

ジム管理者様へ、

トレーニングジムには絶対にセーフティを完備して使用を徹底!

シム管理者やスタッフは素人じゃありませんから、器具の危険性はわかっているはずです。ベンチプレスでセーフティがないために事故が起きれば、予測できなかったは通用しないと思います。

スポッターだけではダメです。きちんとスポッターが付いているのにキャッチできずに落下して事故になる動画は検索すればかなり出てきます。セーフティは絶対。

安全にトレーニングするためのポイント

セーフティバーを使用する

これ絶対必要!これだけで落下対策は解決する。

ただし、高さをきちんと調整すること。

移動式のセーフティはバーベルが落ちたときに空振りする危険性があるのでオススメできない。セーフティ一体型のベンチプレス台を使うか、パワーラックを使いセーフティバーを装着する。

スポッター(補助)をつける

セーフティバーがあればスポッターがいなくても落下時にバーベルに挟まれる怪我は防げるが、なにか想定外のことが起こった場合に備えスポッターがいるほうが望ましい。

ただ、スポッターだけでは不意をついた突然の落下には対応できませんので、セーフティは必須です。

バーベルカラー(プレート滑り止め)をつける

左右のバランスを崩したときにプレートやバーベルが周囲に飛び散らないようにするため。

片側のプレートがシャフトから外れてバシャバシャ落下すると、片側だけ軽くなったシャフトは上に跳ね上がります。跳ね上がると今度は反対側のプレートがガチャガチャと落ちて大変危険。

カラー使用は潰れたときにプレートが落とせないのでシャフトに挟まれたまま脱出できず危険という人もいますが、そもそもセーフティバーをつけることは大前提になっています。セーフティがあればカラーはできるだけ付けるべきです。

潰れてしまった場合

万が一、セーフティもない、スポッターもいない状況で潰れてしまった場合。

こういうときはバーベルを腰の位置まで転がします。

そして反動をつけて状態を起こして下さい。そのあとバーベルを持ち上げて床に降ろすだけです。下の動画を参考にするとわかりやすいと思います。

事故は突然やってくる、明日は我が身

現在でもセーフティ無しのトレーニング施設は多く、セーフティ無しで自宅で一人でやっているような人もいます。このままではまたいつか死亡事故が起きるでしょう。

ベンチプレスは危険なトレーニングだということをきちんと自覚して安全意識を高めていかないといけません。

事故というものは万が一に起こるもの、だから今まで1000回大丈夫でも1001回目に事故が起きるかもしれない。そういう万が一に備えるのが安全対策。起きてからでは遅いです。

ベンチプレスにセーフティは必須!

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