近年会社などのパワハラが社会問題となっていますが相変わらず多いようです。
これは職場の立場上、歯向かえない部下などが上司から昔から受ける威圧的で理不尽な攻撃行為である。逆もあるが、多くのパワハラは上司が部下に対して行う。
この問題性としては、パワハラを毎日繰り返された個人が、仕事だけでなく私生活も容姿も、もはや存在さえも否定され、叩かれるためだけに会社へ通い、精神的に追い詰められ鬱となり、精神が極限状態となると最悪自殺するケースも度々起こっていること。
いまだにパワハラのことを、甘えだとか辛抱が足りないだとか決め込んでいる勘違い人間が存在するのでこの記事を書きます。
指導の厳しさとパワハラは違う
これは指導が厳しいとか、見解の相違というものとは違う。パワハラは指導ではなく、ただ単に叩くことを目的とした卑怯な行為である。
仕事が忙しいとかきついとか残業が多いとか、厳しい口調とかそんなことは大した問題ではありません。「おい!それは違うぞ!おい!何やってんだ!」などという荒っぽい口調ではないんです。こんなものはパワハラではありません。パワハラは人権を破壊する卑劣な行為です。
パワハラの場合、ただ個人を否定するだけの全く中身がない叱責です。全く合理性がなく、これは指導でも説教でもありません。ただの弱い者いじめです。
権力の名のもとに立場上抵抗できない相手に対し、机を蹴って怒鳴って威圧したり、人格そのものを否定する発言「お前は無能だ」「ダメ人間だ」「生きている価値もないやつだ」などを毎日のように繰り返し脳内へ植え付けさせ、存在さえも否定して徹底的に追い詰めていくだけ。
ずっと昔の日本のパワハラは恐怖と威圧による服従関係という感じで部下全員へまとめて行われていたようだが、これだと同僚と気持ちを分かちあえるからまだましである。しかし近年は一人のターゲットのみが徹底的に狙われ理不尽に毎日集中攻撃される。そして狙われない人は何をやっても攻撃されないほど差別化される。
このようなパワハラ行為は現在も絶えることなく起こっています。
パワハラはこのように攻撃される
パワハラ人間はこう攻撃してきます。
- 抵抗しない・抵抗できない人、特定人物を集中的に狙う。
- 指導が目的ではなく、叱責が目的となっている。
- 人格を否定する言葉や差別用語を平気で使う。
- ターゲットを、仕事ができないことにしたい。
- 叱責は日に日にエスカレートする。
- 自分が満足するまで叱責が続く。
- 叱責が仕事の効率を落とすほどダラダラと長く、中身がない。
- 仕事を不当に低く評価し、ダメ人間だと仕立て上げる。
- きちんとした段取りの説明や大切な情報を伝えず仕事をさせ失敗を誘う。
- 仕事以外でも、趣味や容姿や出身地、家族など何もかも否定してくる。
- どうでもいい些細なことまで大声で怒鳴り散らしながら因縁をつけてくる。キレどころがわからない。
目的が指導ではなく、叱責するのが目的となっている
仕事の指導のために叱責することはどの会社でもあることだと思う。しかしパワハラというのは、指導ではなく、叱責することが目的と化しているのです。
指導の場合はミスに対し、「ここが間違っているからこの順番でこうやれ!」「こうするからミスが起こるんだ!だからこうしろ!」「それは違う!ここをこのように修正してやり直せ!」などと合理的に指導をします。
指導や教育に全く関係がない余計な一言(「無能」「ゴミ」「クズ」「死ね」「帰れ」など)は必要ありません。
パワハラというのは、表向きは注意や指導や教育でやっていると言いながら、人格を否定する言葉を使い、ダラダラと長時間叩き続けるだけで話に全く中身がありません。叩くことが目的となっています。
人格を叩くだけで指導力がないので(中身がない指導)、業務が改善されるわけもなく、また同じミスを繰り返す事になり、イライラしてまた叩く。
叩くことが習慣化してくると、どんどん調子に乗ってきます。毎日があら探し。仕事上であらが見つからないと、容姿でもなんでもいいから否定しようとしてきます。とりあえず叩かないと1日を過ごした気分になれなくなります。
やつらは無能に仕向けてくる
パワハラする人間は、ターゲットがミスをするように仕向けてきます。
例えば事前の説明が不十分のまま仕事をさせたり、重要なことをターゲットだけ伝えなかったり、到底不可能な無理難題を命令してくる。
こういう状態で仕事をさせてからミスを誘います。叩くためにミスを誘ってくるのです。そして「仕事できない」だの「無能」だの言いくるめてきます。彼らの叱責は彼らが満足するまで続きます。十分叩いて満足したら去っていきますが翌日も続きます。
不可抗力でどうすることも出来ないときでもターゲットのせいだと大声で怒鳴り散らし無能扱いしてきます。こうなるともうどうしていいかわかりません。しかし別の社員が同じ不可抗力で出来なかった場合は何も言いません。
ターゲットになると何もかもを否定されます。仕事も私生活も容姿も家族まで、存在そのものまですべて否定してきます。最後の〆の言葉は「俺は間違ったことは言ってないからな!」である。
一度ならまだしもこれを毎日欠かさず「お前は無能だ!お前は無能だ!」と罵って刷り込まれると流石に精神が病んでくるでしょう。
仮にこれら一切のトラップを巧みに回避し、無理難題な仕事まで完璧にこなしてしまっても、決して認めない。むしろ「生意気な奴め!」と不機嫌な顔に変わる。彼らはターゲットの功績を認めたくないのです。
パワハラする人は仕事をきちんと評価しません。
パワハラされる側がデキない無能な人間なのではありません。パワハラ上司の曲論に騙されないでください。
他人に対し「無能」と口癖になっている人は、自分が「無能」であるからである。自分が無能であるから他人を無能にさせることで自分は無能ではないと自尊心を保つのです。
ターゲットにされるのは真面目で素直な人が多い
ターゲットになるのは素直で真面目で一生懸命でおとなしく、挨拶や返事もよく、一切愚痴や文句を言わないでコツコツ頑張る人が多いように思います。気が弱そうでおとなしい人間は叩きやすいので特に狙われやすい。
パワハラする人間は、彼らは強そうな人からは逃げ、弱そうな人を狙って叩き、強さを誇示してきます。
真面目で一生懸命な人間は一般的には会社では評価されるが、そういう人間を生理的に好まない人も存在します。自分より学歴が高い部下に嫉妬し目の敵に叩いてくる上司もいる。学歴に嫉妬している場合は学歴を否定する言葉を出すのでわかりやすい。(例「お前ほんとに◯◯大学院?中卒じゃねえの?」「大学院でもなあ、無能だと意味ないんだよ!」など)。
パワハラ上司は、自分よりも潜在能力が高く、本来なら優秀な社員に成長する人材を権力の名のもとに理不尽に踏み潰します。
パワハラ人間はこういう特徴がある
パワハラ上司の心理は、
- 「おとなしそうだから叩きやすいな。」
- 「気が弱そうなやつを見ると腹が立つ。」
- 「素直で真面目で頑張っている人を見るとむかつくわ。」
- 「自分を超えてしまいそうな有能な部下を潰したい=嫉妬。」
パワハラ上司のダメな特徴
- 自分は有能・デキる人間だと思い込んでいる。
- 自分がいかにすごいかを自慢する。
- 自分は絶対に間違ってないと思い込んでいる(非を認めない)。
- エゴイズム(利己主義)である。手柄を横取りし、ミスを押し付け、自分の評価を上げる。
- 人によって態度がコロコロ変わる。
- 平気で嘘をつく。
- 気の弱そうな人を見るとイライラする。
- 強気に媚びて、弱気を叩く(強いものから逃げ、弱いものへ強さを誇示して満足)。
- 自分の深い世界観を他人へ押し付け、それ以外を認めない。
- 自分は他人より苦労してきたと思い込んでいる。
- 感情をコントロールできず衝動的な言動を起こしやすい。
一言でいうと、パワハラをする人間は自分の未熟さと弱さを見られるのを恐れている人です。しかしそれを自分では気がついていません。認めたくないのです。
こういった人間はずる賢さで出世するかもしれませんが、大きな問題を起こし、不祥事で潰れるリスクを伴います。またそのその身勝手な性格のせいであらゆるところでトラブルが舞い降ります。
否定しか出来ない人の言うことは信じるな
繰り返しますが、労務遂行上の指導・監督とパワハラは全く別のものです。パワハラは全く合理性がなく指導でも監督でもない。叩くことを目的とした、陰湿な弱い者いじめ。
「お前は出来損ないだ!もうやめろ!給料泥棒!帰れ!」という否定的な言葉を積極的に使い、否定ばかりで全く中身のない説教が延々と続き時間の無駄。これじゃまともな社員は誰一人育てることは出来ません。
パワハラが原因で悩んでいる人、パワハラで会社を辞めた人は、ダメ人間だと洗脳されても人生を悲観することはありません。彼らが行う能力評価は正しくないのです。パワハラされる人は無能どころかむしろ有能なんです。まともな会社環境ならきちんと評価されるでしょう。
もし会社ぐるみ(このくらいはどこでもやってるし普通だと考えるような会社)のパワハラの場合はそんな体質の会社に残る意味はありません。非常識な会社に貢献する必要なんて微塵もありません。さっさと見切って辞めたほうがいいです。
辞めるときにこう言われるかもしれません。「辞めるのは自由だが、うちで通用しなかったらどこに行っても同じだよ。」
これはブラック会社でよくある捨て台詞のパターンです。しかしこの言葉はあらゆる人から否定されています。非常識を常識として語られても困ります。
もし辞めると心に決めたときは、こんな言葉は無視してさっさと辞めましょう。ちなみにこれもパワハラです。とにかく否定したいのです。この会社で通用しなかったのではなく不当に評価されただけであることを忘れないでください。
失敗をそこで諦めたのではありません。非常識な会社に入社してしまったという失敗を修正し、きちんとした会社で成功を目指すために辞めるのです。成功を妨害されたり成功しても評価されないのであればその会社に残っても意味は無いのです。
アーノルドシュワルツェネッガーの名言「成功のための6つのルール」にこうあります。ルール4「否定する人の言うことを聞くな」です。
「お前にあれは無理だ。これは無理だ。そんな試しは聞いたことがない。と、そういう事を言う人がいる。私は何度も言われたものだ。しかしそういう言葉を聞くと私は心弾む。私がそれを成功すれば最初の人間になれるのだ。このような人の言葉に耳を傾けるな。私は、お前ならきっと出来ると自分へいつも言い聞かせてきた。」というものです。
もしパワハラを理由に会社を辞めてしまった人も自分を悲観することはありません。それは敗走ではありません。今までは上司に翼を切り取られて狩りができない鳥だったのです。これが自由に羽ばたける身になったわけですから勝利です。映画「大脱走」のマーチでも脳内に流しながら勝利を噛み締めましょう。
全身で翼を広げこれからベストを尽くすのです。就職が難しく面接に失敗しても、次に受かればいいのです。また落ちたら次の面接に挑戦するのです。アーノルドシュワルツェネッガーはこうも言いました。「敗者は倒れたらそのままです。勝者の場合は倒れても立ち上がる、倒れても立ち上がる、倒れても立ち上がる。勝者は何度倒れても常に立ち上がる。これが勝者です。」
落ち込む必要はありません。アントニオ猪木の有名な言葉「元気があれば何でも出来る。」これを忘れないで。