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食品ロス削減の「てまえどり」が出来ない正当な理由も

農林水産省は食品ロス削減のため、消費者に食料品のてまえどり(手前から取ること)を農林水産省ウェブサイトやツイッターで呼びかけている。

また、農林水産省は「てまえどり」を啓発する事業者を2021年10月29日まで募集している。

これは小売店で消費者が期限の新しい商品を奥の方から取る行為によって、期限の古い商品が売れ残り、それが食品ロスとなってしまうという問題を啓発し、手前から取っていただきたいと呼びかけるものである。

しかし、てまえどりをする客にはいくつかの合理的な理由がある場合もある。この記事ではその点について語っていきます。

客の心理

てまえどりを推進する理由は客側のこういった心理にあるのかもしれない。

客

当たり前だが新しい商品と古い商品が並んでいればそりゃ新しい商品を選びたい。

客

複数並んでいればどれを選ぼうが自由なんだし。

客

同じ価格なら、期限が新しいものや、なるだけ多く入っているものを選ばないと損だ。

やはりこういった客が商品棚の奥から新しいものを取ってしまい、手前の商品がずっと残ることでロスになることは減らしたい。

しかし別の理由もあるのだ。

てまえどりが出来ない理由もある

  1. 昼や夕方食べる弁当を早朝に買う場合。
  2. 食べきるまでに日数かかかる場合。
  3. いろんな客が触ってそうだから衛生面で不安。

すぐには食べないから

買ってすぐではなく、後で食べるという場合

私が昔コンビニでバイトしていたときにこういう事があった。

ある晴れた祝日の早朝7時頃に弁当を選ぶ年配の客がいて、陽キャで気さくだった店長が客に話しかけた。

店長
店長

今日はどちらか行かれるんですか?

客

いやね、どこにも行かんばってんが、

昼食べる分と夜食べる分ば買いに来たったいね。

店長
店長

じゃあ新しいのがいいですよ。

夜食べるとでしょ?

そら古かけんが。新しいのにしましょ。

客

ああ、そうですか。

ありがとうございます。

例えば朝購入して昼や夕方で食べるという場合は、手前から取ると食べるときに消費期限を過ぎてしまうことがある。だから新しい方を選ばないといけない。あの当時の店長はこういうところで固定客を増やしていた。

食べきるのに日数がかかる場合

これは私がパンを買うときに「てまえどり」を行わない理由。

私は朝食用のパンに、お得な4個入りのパンを買うことが多い。毎朝パンを1個ずつ食べるので食べきるのに4日かかる。しかしパンの消費期限は一般的に3-4日程度だ。ゆえになるだけ新しいのを選ぶことになる。手前から取ると消費期限があと1日以内ということは珍しくないからだ。

特に6枚入り食パンなどは新しいものから売れていく傾向にあるだろう。あと1日しか期限がないものを買っても食品ロスになってしまう。

なら食パンにしても牛乳にしても、1日や2日で消費しきれないなら小さいサイズを買えばいいと言われるかもしれない。牛乳は500mlで、食パンは3枚入りを買えばいいじゃないかと。

しかし牛乳は1リットルサイズのほうが、食パンは1斤(5-6枚入り)のほうが、遥かにお得なのだ。500mlサイズ牛乳や3枚入り食パンなんて割高だから買いたくない客は多いだろう。

購入後に消費者が消費しきれなければそれはそれで食品ロスとなるのだ。てまえどりの呼びかけをよく読めば すぐに食べるなら手前を選ぼう」 とちゃんと書いてはあるので、後から食べる場合は当てはまらないのだが、こういった運動は奥から取りにくい環境となってしまう。

衛生面の不安

衛生面の不安が理由の場合。コロナ感染が世界的な社会問題となっている中で、接触感染に対してナーバスになっている。多くの人が何度も手でベタベタと触ったような一番手前の商品は取りたくないという心理。

これは同感する人は多いのではないだろうか。

店舗側の対策法

「てまえどり」が出来ないパターンもあることを書いたが、すぐに食べるなら基本的に「てまえどり」が推奨される。しかし強制ではない。

店側としては古いものからとってほしいのだ。そのために期限の古いものを手前に並べている。そして客はこれを知っている。

新しい商品をすぐには陳列しない作戦

これをなんとかしたいならば、新しい商品をすぐには陳列しないという作戦もある。

そもそも新しいものを並べるからそれから取られてしまう。つまり自ら墓穴をほっているのだ。

つまり古い商品がなくなってから新しいものを補充するという方法。1個でも古いのが残っていると、それだけがずっと売れずに新しいものがどんどん売れていく。

実際にそういう方法でパンの品出しをしているドラッグストアを知っている。しかしこれはこまめに品出しをしないとずっと品切れすると客は「いつもこの店は品切れしているな、これからは別の店に行こう」と客が離れていくリスクがある。

期限が迫った商品を割引する

期限が近いものは割引をしてお得にする。

これは理想だ。

新しいものと古いものが同じ値段で売られていれば、誰だって新しいものが欲しいだろう。たい焼き屋でも、せんべい屋でも、たこ焼き屋、天ぷら屋で買うにしても作り置きより出来たてが欲しいのは誰でも同じ。

ならば値段に差をつければいい。

消費期限が当日までしかないパン類が3割引などでカゴに入れられて安売りしているようなスーパーは多い。買ってすぐに食べきる客ならこれがお得だと思う。

まとめ

新しいものと古いものが同じ値段で並んでいれば新しい物を選ぶのは人の心理だ。

てまえどりが出来ない正当な理由は、買っても「すぐには消費できない場合」。ただし、てまえどりの呼びかけはすぐに食べる人たちが対象で、後から食べる人たちへ呼びかけているものではない。だから奥から取っている客がいても低マナーな客というような目線で見てはいけない。

つまりこういった運動は後から食べる勢や、食べきるのに日にちがかかる勢が新しいものを取りにくい環境となってしまう。

すぐに食べる場合でも「コロナに関連して衛生面での不安」があり、人がベタベタと触っている可能性の高い手前の商品は敬遠されがち。

そういった理由から、手前から取るのはどうしても嫌だと思う客はいるだろう。客に手前から取るように呼びかけるよりも、古くなっていくほど割引をしたり店側で食品ロスへの工夫をするほうが好ましいのではないかと思う。

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