最近増えつつある歩車分離式信号のある交差点。知らない人も多いが、実は斜め横断出来ない歩車分離の交差点もあるのだ。
歩車分離制御された交差点なら、交差点内を自由にどの方向にでも渡れるだろうと思いがちだが実は歩車分離式にも色々あるのだ。歩行者としては知っておくべきことであると思うので、少しでも認知度を上げるために記事にしました。
歩車分離信号の交差点にも色々あるぞ
歩車分離式信号がある交差点と言えば歩行者は皆問答無用で斜め横断しまくっていますが、歩車分離式信号の交差点にも色々あり、すべてが斜め横断できるわけではありません。
歩車分離式信号機には次の4タイプがあります。
3 歩車分離制御の方式(付図参照)
出典:歩車分離式信号に関する指針|警察庁
(1) スクランブル方式
すべての方向の自動車等を同時に停止させている間にすべての方向の歩行者等を同時に横断させる方式であって、斜め方向の横断を認めるものをいう。
(2) 歩行者専用現示方式
すべての方向の自動車等を同時に停止させている間にすべての方向の歩行者等を同時に横断させる方式であって、斜め方向の横断を認めないものをいう。
(3) 右左折車両分離方式
歩行者等を横断させるときには同一方向に進行する自動車等を右左折させない方式をいい、主道路又は従道路のいずれかについて実施する場合を含む。
(4) 右折車両分離方式
歩行者等を横断させるときには同一方向に進行する自動車等を右折させない方式をいい、主道路又は従道路のいずれかについて実施する場合を含む。
歩車分離式信号のある交差点で斜め横断が出来るのはスクランブル方式のみです。
道路標示 斜め横断可(201の2)
斜め横断できる交差点かをどう見分けるのかと言うと、道路標示の斜め横断可(201の2)があると斜め横断が出来ます。なにもない場合は斜め横断は出来ません。
下の写真のクロスになった部分が斜め横断可(201の2)です。
その他、斜め横断可(201の2)は、下の写真のようなゼブラで埋め尽くされたようなものもあります。
狭い5差路など変形交差点で、クロスの道路標示が横断する部分に一致しないような場合こういう標示になります。上の写真はフリー素材からのもので、変形交差点に見えないが、写真下部分が変形交差点になっているのでしょう。
交差点内に道路標示が無い場合は斜め横断は出来ません。
【斜め横断禁止!】~ #ゼブラストップマン からのお願い~
— 大分県警察 (@oita_police) November 27, 2019
寿町1丁目交差点、大分駅前交差点で歩行者は斜めに横断できないぞ!!
斜めに横断できる交差点は、交差点に斜めに横断歩道が設置されているところだけだ!
みんなで横断歩道を渡ろうZ(ゼット)!!#大分県警察 #横断歩道 #斜め横断 pic.twitter.com/aubA0H7L90
渋谷スクランブル交差点はちょっと特殊である
渋谷スクランブル交差点と言う名前で親しまれているが、実はちゃんとした交差点名は「渋谷駅前交差点」。
この交差点はスクランブル式の交差点であるが、交差点の中を横断歩道が一本斜めに設置されたようにしか見えない。スクランブル交差点で通常あるべきクロス形状の道路標示がない。
これは全方向に斜め横断できるか?出来ないのか?
という疑問が湧くでしょう。
この渋谷駅前交差点(渋谷スクランブル交差点)は、広い五差路の特殊な交差点。この斜めの横断歩道に見えるものも、斜め横断可の道路標示。変形交差点に設置する場合の「斜め横断を認める道路の部分を限定して行う場合」の形態なのです。
つまり渋谷駅前交差点(渋谷スクランブル交差点)で斜め横断できるのは、この斜めに設置された道路標示の部分だけという限定的なものなのです。交差点内を縦横無尽に渡っていいというわけではありません。
赤方向で斜め横断すると横断に時間がかかるということもあり、ココを斜めOKにすれば信号機の切り替わる間隔が長くなって、車の交通の円滑が悪くなるため仕方ないのかもしれません。
歩車分離式であればスクランブル式でなくとも問答無用で好き放題斜め横断する人ばかりですが、そういう交差点は斜め横断の横断時間を考えた信号の点灯時間ではないために、歩行者信号が青の間に渡りきれない場面が増えてくるでしょう。
そうなると車は青になってもすぐには進行できず、交差点を通行できる時間が短くなり、結果的に渋滞を悪化させる原因となってしまうのです。