時代は完全にPCとスマホを使ったインターネットの時代だが、高齢者はそれらの新しい文化になかなか馴染めません。
今までずっと親しんできたテレビ、新聞、固定電話(携帯などを持たない)を使い続ける傾向は強い。
ちなみに私はインターネットがないと生きていけないくらいインターネットに依存しています。インターネット依存症です。
インターネット、PC、スマホなどを一切使用しない生活でも、今のところは普通に生活は可能です。しかし今後は情報機器の依存度がさらに増していき、それらを使いこなせない高齢者が社会で取り残される可能性があります。
新しい文化を取り入れない心理
内閣府の、高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果によれば、情報機器(インターネットを含む)を使わない理由は、
「必要性を感じないから」が一番多い。
次に多いのが「使い方がわからないから、面倒」ということです。
必要性を感じないから
「必要性を感じないから」、ということではあるが、そもそもインターネットをやったことがないでしょう、と私は思うわけです。インターネットの魅力を味わったことがないのにこの意見を出しているのでは?と思います。
人は自分が長く使い続け慣れ親しんだものを使い続ける傾向があり、新しい文化が訪れてもそれを受け入れたがらない傾向はあると思います(本来使い勝手がいい二千円札もいい例)。
それらの文化に馴染んだ人は、仮にインターネットの利便性を体験したとしても馴染めず、いつものテレビや新聞、固定電話へ戻るでしょう。たとえ不便でも慣れ親しんだ物を使うほうが居心地がいいのです。
しかしこれは逆に考えると、若い世代から見れば、若い世代にとってはテレビ、新聞、固定電話について必要性を感じないわけです。
使い方がわからないので、面倒
で、2番目に多い「使い方がわからないので、面倒」という理由。これはおそらく的確な答えではないでしょうか。
例えばコンピューターゲームでいうと、昔はシューティングなど簡単なアクションゲーム中心でした。
しかしロールプレイングゲームという新しいジャンルのゲームが日本へ登場した時、やり方がわからないから面倒といって受け入れられない人もいました。
例えば現在でも戦国シミュレーションゲームには遊び方を覚えるのに何をやっていいかわからず一苦労することがあります。一度覚えるととても楽しいですが、遊び方を覚える前に挫折してやめる人も多いでしょう。
インターネットはまず最初の壁になるのが初期費用、プロバイダなどの申し込み、機器の設定など。さらに知らない専門用語がずらりと並び、もはや何から手を付けていいかわからないかもしれません。
高齢者にとっては学ぶことが多すぎてかなり大きな壁です。
暮らしに広がるIT
いくらアナログを愛用しても、暮らしの中には確実にIT(Information Technology)という情報技術が浸透しています。飛行機のチェックインなど公共交通機関の手続き、電子決済、申請や契約などの手続き。
日本はITが遅れている方で、これからはどんどん増えると思います。新しい文化、生活様式をどんどん吸収していかないとおそらく取り残され孤立する予感さえあります。
CO2問題もありますし、紙媒体はどんどん減っていきます。もう昔のままというわけにいきません。デジタルで管理するほうが環境にもよく、迅速で正確です。新聞紙、本、手紙、紙の切符、紙の申請用紙や証明書などいつかは消えるでしょう。
IT文化を受け入れないと生活できないようになる時がいずれ来るはずです。
若い世代も数十年後いずれ同じ状況へ
スマホなどを使いこなす若い世代もいずれ新しい生活様式についていけない時代が来るでしょう。
時代は常に変化します。
若者の読書離れ、新聞離れ、ら抜き言葉・・など色々言われますが、おそらく毛筆から硬筆へ切り替わった時代も、若者の毛筆離れ、これからの日本はダメになる・・・なんて言われていたのではないでしょうか?
言葉も同様です。永久に同じ文法は歴史をたどってもないですし、言葉も変化していきます。
古い世代は認めたくなくても、新しい言葉(間違った国語と言われるが)を使う人が大半となれば、世代が完全に入れ替わった時、それが正しい国語となっていくのです。
高齢者が新しい文化を受け入れ難い傾向は昔からだと思いますが、今の若い世代も、高齢となったときに同じ問題へ直面するはずです。
やはり自分が育った環境での文化が一番馴染めるのです。
これからの問題
これからますますIT(情報技術)化が進むと、レトロスタイル生活を頑なに突き通すだけでは電車さえも乗れなくなると思います。
スイスではインターネットを使わない高齢者が社会的に孤立化するのではないかと問題提起されました。日本でも同様の心配があると思います。
かと言って古い文化をいつまでも続けるわけにもいきません。
インターネットはこれからの時代は必要不可欠となっていくはずです。高齢者がデジタルに馴染めるようにサポートするシステムの構築が必要になると思います。