新型コロナが空気感染するかもしれない・・・と言われています。
もし空気感染するとすれば、空気中をずっと漂っているわけです。
空気感染といえばこれは結核や麻疹(はしか)、水痘(みずぼうそう)。
しかし新型コロナの場合は現在まだ予防ワクチンはありません。コロナはウイルスであり、その粒子は0.1µmというタバコの煙と同じ大きさ。マスクを貫通していまいます。
じゃあ私達はどう対策をしたらいいのか。
空気感染と飛沫感染の違い
空気感染(飛沫核感染)
ウイルスが単体で空気中を長時間浮遊し、それを吸い込んで感染する。
ウイルスが唾液などの水分に含まれていない単体の状態なので粒子が小さい。何時間も浮遊する。
飛沫感染
くしゃみや咳、会話などで、ウイルスが水分に含まれた状態で飛び、それを吸い込んで感染する。
唾液などの水分の粒子にウイルスが含まれた状態なので、飛沫核よりはるかに粒子が大きい。飛沫は数秒ほどでほとんど地面や床へ落下。
換気
換気。とても大事な対策です。
空気感染はウイルスが長時間空中を漂ってしまうわけです。
手っ取り早い対策は換気。窓を数カ所開けて換気扇を回す。
HEPAフィルター搭載の空気清浄機
粒子が数秒で落下する飛沫感染では空気清浄機はほとんど意味がないですが、何時間も浮遊する空気感染となると話は変わってきます。
最近はHEPAフィルターを搭載した空気清浄機が流行っています。
このHEPAフィルターは0.3µmの粒子を99.97%以上集塵します。
ただ、ウイルスの大きさは0.1µmと更に小さい。じゃあHEPAフィルターでも無理なんじゃないかと思うかも知れませんが、HEPAフィルターは静電気を利用しています。
HEPAフィルターを搭載した空気清浄機はウイルスと同じ0.1µm粒子であるタバコの煙を実際に綺麗にしていきます。
何度も循環することで最終的にほぼ100%捕集するのではないかと思います。(※しかしタバコの煙の場合は粒子は捕集してもガス成分は消えません。)
実際にHEPAフィルター空気清浄機は病院の空気感染対策としても使われています。
ただ、問題は例えば部屋の空気を一通り綺麗にするのにどれくらい時間がかかるかと言うと、一般家庭の部屋で使う場合、自動モードで約1時間ほど、最強モードで10分ほど(※空気清浄機の風量による)。
なので感染予防となると自動モード放置では予防効果が期待できるか微妙です。ただ空気清浄機を使わなければ何時間も漂っているわけで、それを考えると少しは感染リスク低減効果はあると思います。
じゃあずっと強で使えばいいのですが、強にすると騒音がすごい。要所要所で風量を切り替えるのが賢いと思います。
大きめの空気清浄機を使えばファンが大きいので少ない回転数で風量を確保できます。(=同じ風量で比べると静か。)
換気が手っ取り早いですが、夏場エアコンで窓を閉めざるを得ない場合は、特に家族で生活している人はHEPA搭載の空気清浄機は活躍してくれると思います。ただ、一人暮らしの場合は当たり前ですが自宅では全く意味がないです。
ここでは家庭での話をしましたが、会社、レストランや他の公共施設などでも業務用のHEPAフィルタ搭載の空気清浄機を使うことは感染リスク低減に少なからず効果があるのではないでしょうか。
マスクは意味ないのか
空気を漂う飛沫核になった小さなウイルスがマスクを貫通しても、つまり空気感染を防ぐことはできなくても、咳やくしゃみなどによる飛沫感染(水分にウイルスが含まれているので粒子が大きい)を予防することは出来ます。
マスクは今まで通りするべきです。
それとウイルスが飛沫核になった状態、つまり0.1µmという極めて小さな粒子の状態でも、マスクを全て貫通するわけではありません。
それを証明したのがこちらの動画。
この動画の実験によれば一般的な不織布マスクで、ウイルスサイズの粒子を約7割カットしています。
私の推測ですが、なぜウイルス粒子より目の大きいマスクで捕集できるのかというと、おそらく静電気の効果で捕集できているのではないかと思います。
もちろん3割は貫通しているわけですが、7割カットできれば、何もしないより遥かにいいと思います。
ただ、これはマスクの布の捕集効果であって、マスクを付けて呼吸をしているときの効果ではありません。実際は装着したときは顔との隙間から空気が入ってきます。これをいかになくすかが鍵になると思います。