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知ってる?高速自動車国道でも対面通行区間は法定速度が60km/hなのだ

2020年4月1日に改正道路交通法が施行され、高速自動車国道の加速車線と減速車線も本線車道と同じ法定速度(普通自動車は100km/hなど)で走行できるようになっています(それ以前の道路交通法では60km/hだった)。

とはいえ、登坂車線は本線車道に含まれず、法定速度は60km/h。また、対面通行区間(往復の方向別に分離されていない)も法定速度は60km/hとなります。

え?そんな条項はあったっけ?

いえいえちゃんとあります。

このルールを知らないで高速自動車国道はどこでも法定速度100km/hと勘違いしたドライバーが、対面通行区間を60km/h以下で走る車に対して、迷惑トロトロ運転、嫌がらせ、マナー違反などとネット上で叩いたり、正しいルールで走る車を煽りまくるような光景があとを絶ちません。

対面通行区間が法定速度60km/h(指定速度が定められている場合はその速度)ということの認知度が少しでも上がるようにこの記事を書きます。というか教習所でももっとこういう部分をしっかり教えるべきだと思います。

高速道の対面通行が法定60km/hという根拠

高速自動車国道の最高速度は道路交通法施行令第27条にあります。

(最高速度)

最高速度のうち、自動車が高速自動車国道の本線車道又はこれに接する加速車線若しくは減速車線を通行する場合の最高速度は、次の各号に掲げる自動車の区分に従い、それぞれ当該各号に定めるとおりとする。

一 次に掲げる自動車 百キロメートル毎時
イ 大型自動車(三輪のもの並びに牽けん引するための構造及び装置を有し、かつ、牽けん引されるための構造及び装置を有する車両を牽けん引するものを除く。)のうち専ら人を運搬する構造のもの
ロ 中型自動車(三輪のもの並びに牽けん引するための構造及び装置を有し、かつ、牽けん引されるための構造及び装置を有する車両を牽けん引するものを除く。)のうち、専ら人を運搬する構造のもの又は車両総重量が八千キログラム未満、最大積載重量が五千キログラム未満及び乗車定員が十人以下のもの
ハ 準中型自動車(三輪のもの並びに牽けん引するための構造及び装置を有し、かつ、牽けん引されるための構造及び装置を有する車両を牽けん引するものを除く。)
ニ 普通自動車(三輪のもの並びに牽けん引するための構造及び装置を有し、かつ、牽けん引されるための構造及び装置を有する車両を牽けん引するものを除く。)
ホ 大型自動二輪車
ヘ 普通自動二輪車
二 前号イからヘまでに掲げる自動車以外の自動車 八十キロメートル毎時

2 法第三十九条第一項の緊急自動車が高速自動車国道の本線車道又はこれに接する加速車線若しくは減速車線を通行する場合の最高速度は、第十二条第一項及び前項の規定にかかわらず、百キロメートル毎時とする。

出典:道路交通法施行令第27条

道路交通法施行令第27条には、交通方法の特例となる高速自動車国道の最高速度は “高速自動車国道の本線車道又はこれに接する加速車線若しくは減速車線を通行する場合の最高速度” とあります。

あれ?対面通行を除くの記述がない??

これが書いてあるのが道路交通法施行令第11条(道路の最高速度を定めた部分)。

(最高速度)

法第二十二条第一項の政令で定める最高速度(以下この条、次条及び第二十七条において「最高速度」という。)のうち、自動車及び原動機付自転車が高速自動車国道の本線車道(第二十七条の二に規定する本線車道を除く。次条第三項及び第二十七条において同じ。)並びにこれに接する加速車線及び減速車線以外の道路を通行する場合の最高速度は、自動車にあつては六十キロメートル毎時、原動機付自転車にあつては三十キロメートル毎時とする。

出典:道路交通法施行令第11条 (※赤い下線は当サイトで引いたもの)

ちょっとわかりにくいですが、赤の下線部分にまるで隠しコマンドのように書かれている部分ですw。

“第二十七条の二に規定する本線車道を除く” という部分。

「第二十七条の二」とはこれ(最低速度を定めない本線車道の部分の条項)。対面通行の本線車道の対面通行区間では最低速度50km/hが適用されないということを定めた条項。ここに規定した本線車道を除くということ。

(高速自動車国道における交通方法の特例に係る最低速度を定めない本線車道)

法第七十五条の四の政令で定めるものは、往復の方向にする通行が行われている本線車道で、本線車線が道路の構造上往復の方向別に分離されていないものとする。

出典:道路交通法施行令第27条の2

施行令第11条にある「法第二十二条第一項」とはこれ。

(最高速度)

車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。

出典:道路交通法施行令第11条

これらを組み立てて解釈すると、高速自動車国道の対面通行区間の法定上の最高速度は60km/hとなる。

いやはや道路交通法はなぜこうも分かりにくく断片的に情報が散らばっているのか不思議でしょうがないです。

学科教本の2段階「高速道路での運転」には、 “構造上往復の方向別に分離されていない区間では一般道と同じになります。” と書いてありますので、つまり対面通行区間は法定速度は60km/hということです。道路交通法などを見て理解するより教本を読む方が早い。

対面通行とは

最初に対面通行を説明すればよかったのですが、道路交通法施行令第27条の2の解釈が絡んでいるので後回しにしました。

本線車道で法定速度が60km/hとなるのは本線車道が道路の構造上往復の方向別に分離されていないもの。つまり中央帯(道路構造令の定義)、中央分離帯(一般自動車道構造設備規則の定義)もなく、上りと下りの道路が同じ構造体でくっついていてきちんと分離されていない双方向通行の道路。

中央帯 車線を往復の方向別に分離し、及び側方余裕を確保するために設けられる帯状の道路の部分をいう。

出典:道路構造令第2条第10号

「中央分離帯」とは、車道を往復の方向別に分離するため、その中央部に設けられる地帯をいう。

出典:一般自動車道構造設備規則第1条第6号

中央帯も中央分離帯もほとんど意味は同じ。

中央帯は往復の方向別に構造物等により分離するもので、側帯(余白のようなもの)と分離帯(工作物)で構成されたもの。規定の幅があり、一般自動車道構造設備規則では中央分離帯の最低幅員は1mとなっている。道路構造令では高速自動車国道の中央帯に関しては区分で違うが4.5m以上や3m以上の幅員となる。

高速道路上の対面通行とは道路が二方向通行で道路中央にポールがあるだけ、あるいは中央部分にワイヤーロープだけで区切られたような区間で、分離には不十分である。

下のストリートビューは対面通行に切り替わる部分(この先はワイヤーロープで区切られる)。ニ方向通行の警戒標識があり、その先に対面通行の看板が見える。

わからないときは標識を見ていればよいです。双方向の警戒標識、対面通行と書いてあれば対面通行で、法定速度は指定速度ではないのでいちいち速度の標示はないが、ここからは法定速度60km/hとなります。対面通行になると非常に近い距離ですれ違うことになり、わずかな運転ミスで正面衝突の危険性があります。

対面通行区間でも70km/hとなっている場合も

対面通行区間は法定速度60km/hですが、簡易中央分離施設が設けられている区間は原則として規制速度は70km/h以下(交通規制基準p127)。指定最高速度の標識で70と出ている場合は70km/h以下で走ることが出来ます。

下のストリートビューはポールだけで頼りないがなぜか70km/hの指定速度。

下はワイヤーロープ区間で指定速度70km/h。

勘違いしてはいけないのは、この指定速度70km/hは「70km/hで走れ」ではなく、「70km/h以下で走ることができる」であるということ。

対面通行区間では十分に速度を落として

本来高速道路では事故防止の為対面通行はできるだけ無くすべきであるが、交通量の少ない区間では未だに対面通行区間は多い(特に北海道)。

実際に高速自動車国道の対面2車線区間では、対向車線へ飛び出す事故件数が分離区間よりも2桁ほど多く、問題となっています。スピードを出すほど事故のリスクは増え、対向車線にはみ出すリスクも増え、更に衝突を起こしたときに大きな事故となります。

法定速度60km/hで上下区間が流れていれば、正面衝突における相対速度はそのままぶつかった場合120km/hですが、互いに100km/hで流れていると200km/hでぶつかることになります。この衝突エネルギーは速さの2乗となります。

実際に60km/h以下で走れば、おそらく煽られ、後ろが数珠つなぎになる感じにはなると思いますが、60km/h以下で走ることは正しい走行であり迷惑行為ではありません。煽られたからと言って60km/hの法定速度を破って100km/hで走れば事故のリスクは増え、もし事故を起こしたときに死亡するリスクは増え、その異常な速度を指摘され罪が重くなります。

またその区間を法定通りに60km/h以下で走る車に、100km/hやそれ以上で追いつき、前方不注意などで衝突した場合は、前方不注意だけでなくその大幅な速度超過も指摘されるでしょう。

これはやはり信号機のない横断歩道の歩行者優先のときと同様に社会問題としてどんどん取り上げていき、ルールを守る車を増やしていくようにしなければならないと思います。

対面2車線区間では片側一車線しかありませんので一台でも60km/hを守れば、追いついた車全体が制限速度内の流れになります。今後自動運転が増えていくと嫌でも流れは制限速度内に収まるでしょう。

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