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バイクが自転車レーンを走ると通行区分違反?メディアのデタラメ記事が氾濫

「普通自転車専用通行帯(自転車レーン)をバイクが通行すると通行区分違反である。」

このようなデタラメを自動車情報メディアがこぞって記事にしている。確認した限りではMotor-Fan、くるまのニュース(バイクのニュース)、乗りものニュース、ベストカーWebが間違って書いている(記事の修正があるかもしれないので2023年12月16日確認としておく)。

違反・・というところまではあっているが、通行区分違反なんかではない!

う~~む・・・なんでこうなったの?

僕みたいな個人サイトならまだしも、カー情報系の法人サイトがたいして調べもせずにニワカ知識で適当なことを書いているのがホント信じられない。彼らがソースにしているのは何なのか?

新聞メディアである、相模原町田経済新聞は「通行帯違反です」と正しく記事にしている。そりゃそうだ。間違う訳にはいかない。

Googleでは法人サイトは個人サイトよりも検索上位に来やすいため、間違った情報が検索上位に集まっている始末。困ったもんだ。

バイク(記事内では自動二輪または一般原付として話を進める)が自転車専用通行帯を走る違反がなぜ通行区分違反ではなく通行帯違反なのかこの記事で説明します。

普通自転車専用通行帯(自転車レーン)とは

普通自転車専用通行帯は自転車レーンと言われることが多いが、そもそもこれは道路交通法の正式名称ではない。ただし国土交通省はウェブサイトで普通自転車専用通行帯(自転車レーン)と記述している部分もあり。海外での呼び方(Bike lanes , Cycle lanes)を使ったのだろうか。

普通自転車専用通行帯の標識(327の4の2)

普通自転車専用通行帯は、普通自転車が通行するための車両通行帯で、車両通行帯境界線で通行帯を区切られている。ここは普通自転車とその他軽車両、特定小型原動機付自転車以外の車両は通行できない。

専用通行帯(109の6)

交通法第二十条第二項の道路標示により、車両通行帯の設けられた道路において、特定の車両が通行しなければならない車両通行帯(以下この項において「専用通行帯」という。)を指定し、かつ、他の車両(当該特定の車両が普通自転車である場合にあつては特定小型原動機付自転車及び軽車両を除き、当該特定の車両が普通自転車以外の車両である場合にあつては小型特殊自動車、原動機付自転車及び軽車両を除く。)が通行しなければならない車両通行帯として専用通行帯以外の車両通行帯を指定すること。

出典:道路標識、区画線及び道路標示に関する命令 別表第五(第九条関係)規制標示 ※赤色マーカーは当サイトで引いたもの。

※ただし、左折するためにできる限り左側に寄るときはバイクもクルマも普通自転車専用通行帯(自転車レーン)を通行できる(根拠は道路交通法第20条第3項)。

この車両通行帯境界線は位置的に車道外側線と間違いやすいため、自転車レーンを車道外側線の左側にある自転車通行空間と勘違いしている人もいる。しかし自転車レーンは車道の余白なんかではなく、れっきとした車両通行帯。

僕が見る限りの自転車レーンの左側には車道外側線が設けられていないことが多い。このせいで車両通行帯境界線を車道外側線と間違われやすい。

通行区分違反じゃなく通行帯違反という法的根拠

通行区分違反は17条違反のことである

通行区分違反は、逆走や、車道ではない歩道・路側帯通行などの違反行為のことであって、普通自転車専用通行帯をバイクが通行する違反についてではない。

通行区分違反は、通行区分を定めた道路交通法第17条(通行区分)の違反のこと。

(通行区分)

第十七条 車両は、歩道又は路側帯(以下この条及び次条第一項において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第四十七条第三項若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。

(中略)

 車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第九節の二までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。

(中略)

 車両は、安全地帯又は道路標識等により車両の通行の用に供しない部分であることが表示されているその他の道路の部分に入つてはならない。

出典:道路交通法代17条第1項、第4項、第6項
  • 車両は歩道や路側帯と車道の区別があるときは車道通行。
  • 車両は道路の中央から左側(歩道や路側帯と車道の区別がある場合は左側の車道)を通行。
  • 車両は、安全地帯又は道路標識等により車両の通行の用に供しない部分の進入禁止。

通行区分違反はこれらの義務を違反したもの。

よく見かける光景だが、普通自転車が右側の普通自転車専用通行帯を通行した場合(つまり逆走)、通行区分違反となる。

通行帯違反は20条違反のことだ

普通自転車専用通行帯(自転車レーン)を自動二輪や一般原付が通行する違反は、通行帯違反

通行帯違反とは車両通行帯を定めた道路交通法第20条(車両通行帯)の違反のこと。

(車両通行帯)

第二十条 車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。ただし、自動車(小型特殊自動車及び道路標識等によつて指定された自動車を除く。)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。

 車両は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により前項に規定する通行の区分と異なる通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に従い、当該車両通行帯を通行しなければならない。

出典:道路交通法第20条第1項、第2項

通行帯違反は、車両通行帯の違反。

第1項は最も右側の通行帯を通行する違反。第2項は通行出来ない通行帯を通行する違反。

2項の違反はバス専用通行帯や普通自転車専用通行帯などを通行してはいけない車両がそこを通行する行為。

これらは点数も反則金も違うから注意して!

普通自転車専用通行帯(自転車レーン)をバイクが通行した場合は赤文字の通行帯違反の方の点数と反則金。

違反点数反則金
通行区分違反2二輪車 7,000円
原付 6,000円
通行帯違反1二輪車 6,000円
原付 5,000円

自動車情報メディアはなぜいつも間違うのか

彼ら自動車情報メディアは道路交通法・交通ルールの記事で間違いがあまりにも多い。間違いと言っても誤字脱字ではなく、記事の本題の内容が間違っているのだ。

なぜ間違うのだろうか。警察庁ウェブサイトなどの正確な情報源を元に記事を書くのではなく、グーグル検索して上位に出てくるメディア記事や法人サイトの記事をソースにして書いているのか・・・。これは個人サイトやユーチューバーにありがち。

もしかすると、彼らは普通自転車専用通行帯は自転車の通行区分だからと、自動二輪車や原付が走ると通行区分違反と思っているのかもしれない。何れにせよ違反についてよく調べずに記憶だけで書いたり、あるいはちょっと検索しただけのニワカ知識で記事を書いているので間違いが多いのだろう。

自動車情報メディアが間違うのはこれだけではない!

中央線の意味や路側帯関連、黄色の中央線が自転車も対象にしているのかなど、本当に間違った記事が多い。これらが検索上位に来ると、個人サイトやユーチューバーがそれを参考に間違った解説記事を作ってしまう。

大手サイトは検索上位に来るし、ユーチューブはチャンネル登録者が多いと視聴者が容易に信じ込んでしまう(そのようなコメントで溢れる)ため、間違った情報がどんどん広がる。

僕も何度か間違ったことはあるので、あまり他人のことを言えるのかわからんがw。ただ、メディアの場合は影響力が大きすぎるので、あっというまに間違った情報が広がる。ウェブライターは、十分に調べてチェックして書くべきだと思う。

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