牛乳は体に悪い!牛乳は毒だ!こういう言い文句を広げる人がいます。
さあさあどうしたことか、言い方が極端だよね。何もかも否定するような言い方はインターネットではよくあることですが、いうことが露骨すぎて胡散臭さが満点です。
ということで彼らの嘘と間違いを暴いて牛乳を弁護する記事を書きます。公平を期すために、乳業界の引用はしていません。中立的な機関の引用のみ入れています。
乳糖不耐症を前提に体に悪いと主張
これに関しては主張を大筋を認めます。
ただ、乳糖不耐症があるかないか、というゼロかイチかの2通りで考えている人が多いです。
しかしこれは残存ラクターゼ活性が高いか低いかの問題で、乳糖を摂取する量により個人差があります。ラクターゼを全く持たない人もいることはいます。ですが乳糖不耐症でも少量の摂取なら乳糖を分解できる場合が多い。
つまり皆さんはパンを食べている、たいていのパンには脱脂粉乳が使われていますが、お腹ゴロゴロなりますか?多くの人は平気ですよね?微量の乳糖なら分解できるからです。
ラクターゼ活性は牛乳を摂取し続けることである程度は高くなることもあります。
ちなみにあらかじめ乳糖を分解させた牛乳も売っています。牛乳は栄養豊富なので是非ともオススメしたいです。
乳糖不耐症の場合は一気に摂取するのは駄目。
許容量を知って少しずつ摂取すれば大丈夫。
牛乳には女性ホルモンがあるから危険という主張
牛乳は他の食品より女性ホルモンが多く含まれているというのは事実ですが、健康に影響があるかについては体内で合成する量よりかなり少ないので全く問題がないようです。
Q9.摂取する乳のホルモン量により健康に対するリスクは懸念されるのか?
出典:ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、肉及び乳中のホルモン類に関するFAQを公表(食品安全協会)
A9. 乳(ヨーグルトを含む)一日200-250g摂取により摂取されるホルモン量はヒトが体内でホルモンを自己合成するよりかなり低いとされている。またホルモンは非常に速やかに代謝される。入手可能な科学的データによれば、現在はいかなる健康リスクも想定されない。
Source:Questions and Answers on Hormones in Meat and Milk (Bundesinstitut für Risikobewertung )
残留した超微量のホルモンで病気が増えたなどというエビデンスはなし。
結論~
安全です。
牛乳は牛が飲むものだという主張
人間の体はそういう判断はできません。ヒトの体は牛乳を栄養のひとつとしか判断できません。それをいい始めるとお茶の葉もはちみつも果物も肉類も人間が食べるために生まれてきたものではありません。
抗生物質が残留しているから危険だという主張
食品衛生法で抗生物質が含有してはいけないと定められています。
検査で陰性でないと出荷されません。
抗生物質の入った牛乳は出荷できないので市場には存在しません。もし出回るような事があればメーカーは全量回収して謝罪会見を開くことになります。事故などは別として、流通している牛乳に抗生物質が残留しているというエビデンスは一切ありません。
抗生物質は残留していません。
牛乳は心筋梗塞を起こすと主張
牛乳は心筋梗塞を起こすという主張に関してですが、こちらは心筋梗塞との関連はなかったとする研究結果。
一方、飽和脂肪酸を多く摂ると心筋梗塞などの心疾患のリスクが高くなると考えられてきましたが、今回の集団では、そのような関連は見られませんでした
出典:飽和脂肪酸摂取と脳卒中・心疾患死亡(JACC Study)
北欧の人は心筋梗塞が多いのは間違いないようです。しかし原因が牛乳であるとは特定できていません。
寒い気候が原因かもしれませんし、肉中心などその他の食事の影響を受けている可能性もある、遺伝子や身長、肥満度など体格の違いなどの問題かもしれない。その中で牛乳がどれくらい影響しているのかというものが一切証明されていない。
単にデータベースから相関性をこじつけているだけにしか見えません。
血管の石灰化などに関しても北欧の冬場は日照時間がほとんどなくビタミンD不足により骨からカルシウムが溶け出し、血液中に流れやすくなっている環境が原因かもしれないのです。
牛乳に起因するならその北欧の人の中で牛乳摂取量と心筋梗塞などの相関性を示した調査くらいはないと話になりません。
基本的に和食として、食物繊維(海草、キノコ、茎野菜)を多くとり、塩分は1日10g以下に抑え、ミネラルの多いバランスの良い食事にしましょう。大豆製品(納豆、豆腐、豆乳など)や牛乳はよいでしょう。
出典:心筋梗塞、狭心症-その予防と治療(国立研究開発法人国立循環器病研究センター)
国立研究開発法人国立循環器病研究センターでは牛乳はいいと書いてありますね。
結論~
飽和脂肪酸は心筋梗塞と相関性がない報告が増えてきた。
牛乳の適量摂取が原因で心筋梗塞を増やすというエビデンスはない。
牛乳を飲むと骨が弱くなる?
「リンが含まれているからカルシウム摂取を阻害して吸収されない。飲めば飲むほど骨が弱くなる。」
という主張ですが、牛乳100gあたりカルシウムは100mg、リンは90mg。
牛乳のカルシウムとリンの比率はほぼ1:1です。カルシウム吸収阻害が問題化するのは、リンがカルシウムの2倍以上摂取している場合といわれています。
つまり全く問題なし。
国内外の骨粗鬆症に関する専門家が集まる学会で、「牛乳や乳製品が骨粗鬆症の原因になる」という報告は行われていません。
出典:牛乳を飲んでも大丈夫?(公益財団法人 骨粗鬆財団)
牛乳飲んで骨がスカスカになったという論文などを見たことないですね。
つまり牛乳を飲むと骨がスカスカかになると主張する彼らはエビデンスなしに否定していることになります。
牛乳単体ではカルシウムは吸収されますが、その他食品と一緒に取った場合、栄養バランスによってはリンとカルシウムの比率が崩れ、吸収を阻害されるかもしれませんが、それは他の食品が原因であり、牛乳のせいではありません。
結論~
牛乳飲んでも骨は弱くなりません。
牛乳のいい点を書いていくよ
牛乳は栄養バランスに優れている
タンパク質、ビタミン、ミネラルが豊富。カルシウムは魚の骨を食べるより吸収率がいい。
牛乳は中性なので歯が脱灰しない
歯のエナメル質はPH5.5以下になると脱灰を始めます。象牙質はPH6.2あたりで脱灰を始めます。
しかし牛乳はPH7の中性。よって歯のエナメル質、象牙質ともに脱灰は起こしません。つまり酸蝕歯の心配がありません。それどころかカルシウムで歯が強化されます。牛乳は歯を強くすると言うのはそれなんです。
辛いもの食べてヒリヒリする時、牛乳飲むと楽になるよ
激辛カレーなどを食べて、喉や口の中がヒリヒリして耐えられないとき、皆さんはよく水を飲みますが、牛乳を口になじませながら飲むとかなり緩和されますよ。表面が膜で覆われるような感じです。
牛乳は健康に悪いはとんでも科学
日本人は乳糖不耐症が多くお腹を下しやすい人がいるのは事実です。 気をつけるのはそこだけ。
それ以外に関しては証明するものが一切ありませんでした。ネットで牛乳否定を広めようとしている人は主張がなんでも極端すぎて、ひとつもいい事ないとばかりに何でもかんでも否定してて、もう怪しい宗教にしか見えません。
あまり派手に言うと私の方が胡散臭くなるのでこれくらいで止めておきます。
初めに書いたように乳糖不耐症については注意する必要があります。ですが乳糖不耐症の人も少量なら大丈夫ということもあり、少しづつ飲んで自分がどこまでの量の乳糖分解できるか知っておけば問題ないと思われます。
この記事の結論~
乳糖不耐症は摂取量に注意。
牛乳に危険性はなかった。
インターネットは怖い