「高速道路の端っこの余白部分は路肩か路側帯か?」
インターネットを見ていると事故や取り締まりの話題などで高速道路の話題が出てくることはよくあるが、その高速道路の端っこの部分を路肩と呼んだり路側帯と呼んだりで、どっちが正しいんだ?と議論が勃発している場面を見ます。
また、自動車教習所教官や自動車保険会社が路肩と路側帯の意味を勘違いして情報を流している場面をよく見ます。これらは検索上位に来ることが多く、そのせいで間違ったまま広まったり余計問題はややこしくなっています。
実は高速道路は路肩でも路側帯でも正解です。なぜか?それをわかりやすく記事に書いていきます。
道路交通法の路側帯とは
路側帯とは道路交通法で出てくる言葉です。その定義は道路交通法第2条に書いてあります。
路側帯 歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によつて区画されたものをいう。
出典:道路交通法第2条第1項第3号の4
いわゆる、歩道がない道路の車道外側線の外側にある道路部分が路側帯です。
一方で路肩というのは道路交通法にはありません。これは道路構造令の言葉です。
道路構造令の路肩とは
路肩は車両制限令、道路構造令で使われる言葉で、車両制限令第2条第1項第7号、道路構造令第2条第1項第12号にその定義が書かれています。
路肩 道路の主要構造部を保護し、又は車道の効用を保つために、車道、歩道、自転車道又は自転車歩行者道に接続して設けられる帯状の道路の部分をいう。
出典:車両制限令第2条第1項第7号、道路構造令第2条第1項第12号
道路構造令では路肩は車道外側線は関係がなく端っこの部分が路肩という場合、車道外側線の外側を路肩とする場合があります。
路肩と路側帯の違いを詳しく記事にしています。
高速道路の端っこは路肩?路側帯?
高速道路の車道外側線の外側の部分は、
道路構造令では路肩。
道路交通法では路側帯。
となります。つまりどっちで呼んでも間違いではありません。
勘違いの例として、路側帯は道路交通法第2条の3の4に「歩行者の通行の用に供し」と書いてある!ということで、「歩行者が通行できないところは路側帯ではない!」と言い張る人がいます。しかし、道路交通法をよく見ればわかることです。
路側帯 歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によつて区画されたものをいう。
出典:道路交通法第2条第1項第3号の4 (下線は当サイトで引いたもの)
「歩行者の通行の用に供し」と書いたあとに、きちんと「又は車道の効用を保つため」と書いてあります。「又は」を見落としてはいけません。
つまり道路交通法で「路側帯」と呼ぶのか、道路構造令で「路肩」と呼ぶかの違いだけです。どちらも正しい。ただ、運転に関係するのは道路交通法です。道路構造令では車道の範囲が道路交通法と異なることもありますので、なるだけ道路交通法で考えていくべきでしょう。
ちなみに警察署のウェブサイトを多数確認しましたが、その部分を路肩と書くこともあれば路側帯と書くこともあって統一はされていません。運転教本ではイラストで車道外側線の外側を「路側帯又は路肩」と表記してあります。