世界にはいろいろな救急車があります。本当に国によって様々です。車種も違えばサイレンも運転も違う。
大切なことは患者を安全に迅速に病院へ搬送すること。動画サイトでいろいろな国の救急車を見ていると、やはり気になるのが日本の救急車はサイレンが小さくのんびりしている。
このサイレンの不満と、あとはその他救急車を取り巻く環境を外国と比べてみます。
日本の救急車が世界的に見てどうなのか評価します
あくまでも私個人から見た評価です。
サイレン、救急車の運転、救急車の装備、救急車の安全性能、救急車優先が守られているか、この5項目で評価したいと思います。
救急車優先のマナーはいいんだが、サイレン音がのんびりしている
まずはカナダの救急車のサイレンの動画。
ヒュンヒュンヒュンヒュン!とピッチの早い音です。
アメリカも割とこういうサイレンが多い印象です。交差点などを通過する際はマシンガンのように音が連打されたり、大きな電子ブザーのような音(日本でも最新型には搭載されているものがある)がします。
欧州の一部の国ではクラシックなゆっくりしたピッチのサイレンです。
日本の救急車のサイレン。
日本は中国上海の救急車とほぼ同じ音。通常モードはピーポーピーポー(定義的にはサイレンではないが)とゆったりしたピッチです。
緊急モードのウーウー音は別として巡航時の音はややのんびりしていて急いでますよというアピールが薄い。その割には乗用車は皆ビシッと止まり救急車が優先される日本はある意味すごい。
救急車が赤信号の交差点などを進行するときに日本では拡声器を使う事が多いですが、海外ではまったくないですね。大音量のサイレンに切り替えるかクラクションというパターンです。
拡声器は結構いい効果あると思います。この点は高評価。
救急車の運転
外国の救急車は日本より運転が荒いです。かなり飛ばします。交差点も容赦なく突っ込んできます。それ故事故も多いです。
日本は交差点は十分に減速し、拡声器など使って安全を確認しながら進行していて世界トップレベルの安全運転だと思います。
日本でも救急車の事故はたまにありますが、それでも世界の救急車の運転を見れば、いつ事故が起きてもおかしくないレベルであり、日本の救急車がいかに安全運転をしているか実感できます。
救急車の性能・装備
医療機器や折りたたみストレッチャー、キャビネットなどは、最近のどの救急車でもきちんと完備されていて文句のつけようがないです。
救急車の車体衝突安全性
日本の救急車はトヨタのハイエースがベースに改造したトヨタ・ハイメディック、またはニッサンのパラメディック(最新型だとNV350キャラバンがベース)という車種になります。
装備は充実していますが、車体剛性が救急車仕様として強化されているわけではありません。現に衝突事故の例を見ると、追突された救急車は見るも無残です。
ドイツのメルセデスの救急車はいくつかのモデルがあります。ベースはメルセデス・スプリンター。トヨタハイエースのようなものもあれば、後方がショートコンテナのようにカスタムされた大きなものまであります。
アメリカの救急車メーカーBraun Industries Inc.によって改造された救急車は半端ない車体剛性です。装甲車レベルにすごい。車が横から突っ込んできても患者を守ることが出来ます。
横から突っ込んだ車はひしゃげているのに、救急車はわずかに凹んだ程度です。これ、ハイエースだとくの字に折れ曲がっているはずです。
この救急車を是非日本でも採用してほしいと思いますが、ただ、日本の狭い路地には向いていないのが残念です。この車体の大きさで住宅街の狭い路地に入っていくのはきついです。
救急車優先は守られているか
日本は世界的に見ても救急車優先がよく守られている国。たまに救急車を優先しない歩行者や、救急車がうるさいと石投げたりする事件もありますが、傾向としては日本は救急車優先がよく守られています。
先進国はだいたいそういう傾向ですが、ただしインドは最悪です。まるで譲ってくれない。
総合評価
項目 | 日本 | アメリカ ニューヨーク | ドイツ |
---|---|---|---|
サイレン音 | 小 | 大 | 中 |
安全運転 | 高 | 中 | 低 |
移動速度 | 遅 | 中 | 速 |
車体装備 | 充実 | 充実 | 充実 |
衝突安全性 | 低 | 低–高 | 低–中 |
救急車優先 | 良好 | 低 | 良好 |
結局、救急車は目立つことが安全性につながる
白い色も確かに目立つのですが、日本では白い車も多いので、色は黄色のほうが理想だとは思います。
もともと黄色は色そのものが目立ちますし、黄色い車は殆ど見かけないので際立ちます。ちなみに欧州は黄色い救急車が多い。
安全運転や救急車優先のマナーについては日本は素晴らしい。
あとはサイレンをインパクトのあるものへ変更して、万が一の搬送時の事故で横から追突されても患者を守ることが出来るような車体剛性を強化した救急車になれば、最高だと思います。