※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

トンネル内は追い越し禁止だが、原付きや自転車なら追い越せるの?

片側一車線のトンネル内は追い越しが禁止されています。

クルマでクルマを追い越すのは無理としても、トンネル内を30km/hでトロトロ走る一般原付きや、20km/hで走る特定原付の電動キックボード、自転車を追い越すのはいいのか?

道路交通法ではどうなっているのか解説していきます。

道路交通法第30条

追い越しを禁止する場所については道路交通法第30条。

車両は、道路標識等により追越しが禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、他の車両(特定小型原動機付自転車等を除く。)を追い越すため、進路を変更し、又は前車の側方を通過してはならない。

一 道路の曲がり角付近、上り坂の頂上付近又は勾配の急な下り坂
二 トンネル(車両通行帯の設けられた道路以外の道路の部分に限る。)
三 交差点(当該車両が第三十六条第二項に規定する優先道路を通行している場合における当該優先道路にある交差点を除く。)、踏切、横断歩道又は自転車横断帯及びこれらの手前の側端から前に三十メートル以内の部分

出典:道路交通法第30条第1項 

※特定小型原動機付自転車等とは「特定小型原動機付自転車及び軽車両」のこと(第十八条第一項以下同じ)です。

「追い越すため」のあとに句読点「、」があるため、ここで意味が区切られます。

つまり

車両通行帯のないトンネルでは、「他の車両(特定原付、軽車両を除く)を追い越すため、進路の変更と前車の側方通過を禁止する」。

30条は 追い越しのみが禁止 という意味です。

一般原付を追い越す行為

車両通行帯のないトンネル(片側一車線以下)では自動車や一般原付を追い越す行為は禁止です。しかし追い抜くことは禁止されていません。

前方の車両が一般原付だろうが自動車だろうが、トンネル内は追い抜きはOKという事になります。

ただ、その場面は限定的で、後ろから車が来たので原付ができるだけ左に寄った場合、自動車は左寄り通行(キープレフト)をしたまま追い抜くことが可能です。追い抜きであるため、道路交通法第28条第4項の違反(できる限り安全な速度と方法で追い越す義務の違反)でもない。

※左側に歩道のあるトンネルということで仮定。

追い越しとは前車に追いつき進路変更を伴って前に出ること」です。進路変更は、車線内ではみ出ずに斜め移動しても進路変更です。「追い抜きは進路変更をせずに前に出ること」です。

しかし片側一車線のトンネル内で2輪を除く自動車が自動車を追い抜くのは物理的に無理です。しかし原付を追い抜くことはなんとか行けるかもしれません。ただ、追い抜きは30条には違反していないとはいえ、側方間隔が狭くなる場合はあまりおすすめはしないです。

特定原付や自転車を追い越す行為

白の実線の中央線の場合

車両通行帯のないトンネルの中央線が白の実線の場合。

白の実線の中央線(標示205)は道路の中央を示す指示標示です。道路の舗装された幅員が5.5m以上6.5m未満の場合で道路交通法第30条の法定追い越し禁止の場所に設けられる場合は実線となります(警察庁の交通規制基準より)。

指示標示である白の実線の中央線には規制力はないので、この場所は道路交通法第30条そのままのルールになります。

道路交通法第30条の追い越し禁止は、「特定小型原動機付自転車等を除く(これは軽車両も含まれる)」となっており、電動キックボード(特定原付)自転車(軽車両)をトンネル内で追い越せます。追い抜きもOK。

※白実線の中央線(205)は道路の中央を示す指示標示であり、「はみ出し禁止」を規制する標示ではない。

電動キックボード=特定原付とも限らず、一般原付や小型自動二輪の電動キックボードもあるので、その場合追い越しは出来ないので注意。特定原付は10cm四方の小さな正方形ナンバー。

白の実線の中央線があるトンネルは少ないですが実際あります(下のグーグルストリートビューです。2023年7月12日確認)。

黄色の実線の中央線がある場合

ただし、車両通行帯のないトンネル内で中央線が黄色の実線である場合特定原付軽車両を追い越すときであっても、はみ出しての追い越しは出来ません(道路交通法第17条5項4号)。道路標識(314)がある場合も同様。

追越しのための右側部分はみ出し通行禁止

黄色の実線の中央線は「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」を示す規制標示(102)であり、この標示そのものに規制力があります。道路交通法第17条5項は車両が対象であり、特定原付や軽車両は除かれていません。

つまり黄色の中央線だった場合は特定原付や自転車を追い越すときにはみ出すことは出来ません。はみ出さなければOKですが、トンネルなので特定原付や自転車以外の車両を追い越すことは出来ません。

実際、車両通行帯のないトンネルは中央線が黄色の実線であることがほとんどです。

トンネルの出入り口付近を挟んでしまう場合

自動車や自動二輪、一般原付を追い越すためにトンネル内で進路変更し、側方通過がトンネルの外になるのも禁止。トンネルに入る前に追い越すための進路変更をし、トンネルに入って側方通過することも禁止です。

ただしこの場合も追い抜きはOK。また特定原付や自転車などの軽車両を追い越す場合なら、追い越しもOK。

まとめ

トンネルは追い越し禁止ですが、「車両通行帯の設けられた道路以外の道路の部分に限る。」という条件です。わかりやすく言うと片側一車線以下のトンネルのこと。

片側一車線以下のトンネル内では、追い越しが禁止(特定原付、軽車両を除く)。追い抜きはできる。道路交通法第30条の定義。

※車両通行帯のあるトンネルであれば追い越し可能です。

ただ厳密に言うと、片側2車線(あるいは一方通行で2車線)以上あっても車両通行帯だとは限りません(車両通行帯となるには公安委員会の意思決定が必要)。

高速道では殆どの区間で車両通行帯ですが、一般道で車両通行帯となっているのは、バスレーンなど専用通行帯のある区間と多車線ある交差点手前くらいで、それ以外には車両通行帯は殆どありません。

タイトルとURLをコピーしました