救急車をタクシー代わりにする悪質な人や、便利屋さんみたいな感覚で呼ぶ人が問題となっています。大した理由でもないのに救急車を使う行為は本当に救急車が必要な人の搬送を遅らせることになります。
これらを解決する方法として救急車での搬送料金の有料化があります。有料化を望む声は以前からあるが、一方でその問題点も上げられています。
いやいや別に一律有料としなくても、原則有料とし、条件付きで無料にすればいいのです。
救急車の現状
筆者である私の救急車歴をまず紹介すると、私は過去3回救急車に乗りました。
1回目は小学生のころ川で石を投げて遊んでいて助走つけたときに遊歩道の縁石でつまづいてダイビングし、反対側の縁石に顔面から突っ込んで大鼻血を出し、それを見た通行人が救急車を呼んで生まれて初めて救急車で病院へ。
2回目と3回目はバイクの事故で通行人が救急車を呼んで運ばれました。バイクは大破し、自分では数か所骨折したと思ったが幸い2回とも打撲と擦り傷だけで通院は不要でした。
東京消防庁によると救急車で搬送された人の5割が軽症ということらしい。もちろん軽症か中等症か重症かなんてのは素人には判断なんてつかないこともあるので一概に5割が呼ぶべきではなかったとは言えない。
しかし明らかに呼ばなくていいと素人目にもわかっているにも関わらず、例えば日焼けして痛いから、とか、誰かに話を聞いてほしかったとか、蚊にさされて痒かったとか、病院へ行く予定日だったから救急車を呼んだなど言う人がいる。
2007年には救急車を繰り返しタクシー代わりにした男が業務妨害で逮捕された。
救急車の運用状況はかなり逼迫していて救急車での搬送料金を有料化したらどうかという声が以前からあります。しかし搬送料金有料化の予定は今のところありません。海外では救急車は有料というのが一般的で、無料という日本は珍しいのです。
有料化するデメリット
救急車を有料化するデメリットとして次のようなことがあげられています。
- 経済的に余裕がない人が利用できない。
- 経済的に余裕があっても利用控えが出てくる。
- 病気や怪我の人を見かけたときに他人が勝手に呼んでいいのかわからなくなる。
無料にする条件はこうでいいと思う
救急車は原則有料にすべきです。ただし次の条件に当てはまる場合は無料でいいと思います。
- 救急搬送が必要と思われる重症の病状や怪我その他の場合。
- 本人以外が救急車を呼び、本人が搬送を望まず搬送されなかった場合。
- 重症の病状や怪我でなくとも、呼んだのが適正だと判断された場合。
救急搬送が必要な場合
救急搬送が必要と思われる重症の病状や怪我その他の場合は無料でいいと思います。
溺れて意識がない、ジョギング中に意識を失って倒れた、交通事故で重症者が出た、心臓病など基礎疾患があり心臓に異常が出たなど。
本人以外が救急車を呼び、搬送を拒否した場合
本人以外が救急車を呼び、本人が搬送を望まず搬送されなかった場合、請求はなくていいと思います。理由は例えば自転車で転倒し、うずくまっていたのを通行人に発見され勝手に救急車を呼ばれた場合。本人がただの打撲ですぐ立ち上がれ、救急車はいらないのに、救急車を勝手に呼ばれ高額な料金が請求されたらたまったものではありません。
その場合、本人がその場で搬送を拒否すれば搬送料の請求はなしでいいと思います。
呼んだのが適正と判断された場合
重症の病状や怪我でなくとも、救急隊員が見て救急車を呼んだのが適正だったと判断された場合は無料でいいと思います。
例えば喉へモノをつまらせて救急車を呼んだ。しかし救急車が到着したときは吐き出していた。という場合、到着後の搬送は不要であり、通報から現場の状況を判断して無料でいいと思います。
最後に
65歳以上の高齢者や非課税世帯も無料にしたらいいという考えもありましたが、これらの人がいたずら的に呼ばないという保証もありません。
- 救急搬送が必要と思われる重症の病状や怪我の場合。
- 本人以外が救急車を呼び、本人が搬送を望まず搬送されなかった場合。
- 重症の病状や怪我でなくとも、呼んだのが適正だと判断された場合。
というような理由で無料に出来るのであれば問題はないと考えました。
また生命保険に救急車の保障も救急車の料金保障のオプションを設けるなどすればよい。
有料化はあくまでも救急車を安易にタクシー代わりに使うような人をなくすため。正当な理由で運ばれる場合は無料にしておけばいいのです。
救急車を呼んでいいかわからないときは 救急安心センター事業 7119番(通話料は自己負担) に電話(相談料は無料)すると案内してくれます。