野良猫は糞尿を撒き散らし、生ゴミを漁って散らかすので困っている人は多い一方で、野良猫に毎日餌を与えている人もいて苦情などのトラブルは多い。
野良猫への餌やり行為については法律的には違法ではないが、だからといって周囲の迷惑を無視して好き勝手にしてしまうのはマナー違反。
ではマナーを守った餌やりならいいのか考えていきます。
私も白状すると昔餌をやったことがあります
ちなみに私は大の動物好きで、犬の猫も鳥も昆虫も大好きです。小さい頃は犬猫は飼っていませんでしたが親戚の家(毎週末泊まりに行ってた)で犬と猫を飼っていたのでよく遊んでいました。犬猫には結構懐かれる方で、しゃがむとたいてい近づいてきます。
私も野良猫を見つけるとつい近寄ってナデナデしたくなります。
今考えれば後悔していますが、私もずいぶん昔に2回ほど野良猫に餌をやったことはあります。公園で昼ごはんにおにぎりを食べていたら野良猫が近づいてきたので少しだけ手にとってやったことがありました。その時に差し出した手に猫パンチをもらって猫の爪が刺さって手のひらが出血した思い出があります。
こういう私も野良猫の被害にあったことはあります。
駐輪していたバイクのセンタースタンドに数日連続でおしっこをかけられたことがあります。スタンド先端部が濡れていたので雨かオイルかと思って近づいたらおしっこの臭いがした。いつも野良猫を見るのでおそらく間違いはなかった。センスタが錆びてしまうと困るので錆止めでクレ556を吹いていたら、そのオイルの匂いのせいかおしっこしなくなりました。
また外したバイクカバーにおしっこをかけられました。これも3日連続(3回連続)でやられた。その度に水で洗いました。今はカバーを外したら猫にマーキングやられないように別の場所にしまっています。
餌やりの問題点とは
餌やりの問題点(野良猫の害含む)は
- 猫の喧嘩がうるさい。
- 野良猫が定着し、糞尿などの害が出る。
- 食べ残しの餌が不衛生。
- バイクのシートで爪研ぎ
- 車のエンジンルームに入り込んでしまう。
- 他人の敷地内へ無断で入って餌をやる行為。
私がいる地域では餌やりをしている人がいる場所を2箇所知っています。1箇所は河川敷公園で、ここはよく余った餌が散らかっていて、そのうち猫のためのタオルやケージまで置かれるようになり、最終的には誰かが通報したのか、餌やり禁止の看板がその場所に建てられ、ケージ類は撤去され、その半年くらい後に猫はいなくなりました。
もう一箇所は靴屋の前の歩道脇で夜間餌やりをしている人。毎日いつも同じ時間に見かけます。最初は1人でしたが次第に2人に増え、さらに増えて4人で会話しながら餌を与えるのを見るように。たまに猫がいないのか、閉店した靴屋の建物の敷地裏の狭い隙間に勝手に入り込んでなにかしているようです。店の裏の敷地に餌でも置いているのかはわかりません。
猫の喧嘩がうるさい
餌付けすることで猫が定着し、あちこちで猫の縄張り争いで喧嘩が始まります。
大きな鳴き声やバタバタと物にぶつかったりして近所住民のストレスとなっています。
野良猫が定着し、糞尿などの害が出る
野良猫に餌やりをすると、野良猫はそこが餌場だとして住み着きます。猫が住み着くと周辺の住宅の庭や家の周りで糞や尿の被害が出ます。
食べ残しの餌が不衛生
猫が食べきれないほど餌をあげたり、また置き餌をして猫が食べきれなかったりし、余った餌だけがいつまでも放置されていることを見ることがあります。
それらの餌でカラスが寄ってきたり害虫の発生や悪臭の原因となり不衛生だということです。
バイクのシートで爪研ぎ
バイクのシートが野良猫によって爪研ぎされる被害報告はツイッターで多く上がっています。
今日は天気が良くバイク日和ですね。
— apr (@01apr) May 29, 2022
出かけようとバイクのカバーを取ると、猫の鳴き声が。
カウルの隙間に挟まってました。
引きずり出してバイクを見たらシートに爪研ぎの後が。
あるあるですか? pic.twitter.com/9mkGf7rOhb
シートに穴が開くと雨水が染み込んで乗ったときにお尻が濡れます。シート張替えはショップでシート形状によって7,000円から3万円ほどします。自分でタッカーを使ってやれば安くすみますが本来これは傷つけられなければ不要だった出費。
車のエンジンルームに入り込んでしまう
野良猫が車の真下からエンジンルームに登って入りこんでしまうケースはとても多いです。
そのままエンジンを掛け、走行中に猫の鳴き声に気がつくパターンも実際にあります。エンジンは非常に高温となるため場合によっては猫が火傷で死ぬことも考えられますし、ベルトやラジエターファンに挟まると猫も怪我をするしエンジントラブルの原因ともなります。
猫が入り込むのは1匹だけどは限りません。3匹4匹と入り込んでいるケースもあります。
そのため走行前にボンネットをバンバンと叩いて猫を追い出す方法(猫バンバン)もありますが、確実ではありません。エンジンルームから逃げずに隙間にさらに潜り込む場合もあり、それを手で引っ張り出すと噛みつかれる危険性があります。
やはり車の保管場所付近で野良猫が生活していないのがベストです。野良猫が増えるとそれだけリスクが増えるということです。
エンジンルームに入り込んだ野良猫の取り出しに30分以上苦戦したり、JAFを呼ぶケースも有るようで出勤時にそうなってしまうと会社へ遅刻することにもなりかねないし非常に困ります。これが毎日続くと考えるとノイローゼになるかもしれません。
他人の敷地内へ無断で入って餌をやる行為
これは野良猫とは直接関係はありませんが、餌をやるために他人の私有地や事業者の敷地内に勝手に入り込む人がいるということです。
また普段は歩道などで餌を与えていても、野良猫が不在のときに猫を探しに他人の敷地内に無断で勝手に入り込んで探しているような人もいます。
自治体とどうぶつ基金で意見が異なる
野良猫の餌やりが禁止という法律はありませんが自治体によっては条例で野良猫への餌やり行為を禁止または規制するところがあります。
犬猫の殺処分ゼロに向けて活動する公益財団法人 どうぶつ基金 では、猫の餌やり禁止が状況を悪化させると主張しています。「餌がないとゴミ箱を漁る」「不妊手術のために普段からエサをあげて猫の頭数や健康状態を把握しないといけない」ということが理由としています。
ただ、どうぶつ基金では、餌やりは残った餌などキチンと片付けるという、周囲に迷惑がかからないようにマナーを守って餌をやるということを呼びかけています。
最後に
餌やりは猫を大切に思う気持ちであり動物愛護の趣旨に合致しているという意見もありますが、現状、その餌やり(餌付け行為)が原因で近所住民の迷惑になっています。つまり餌やりのルールが徹底出来ていない。それが現状です。
そもそも餌やり人同士で野良猫の糞尿の場所、爪研ぎ場所、TNRを管理するのが現実的に可能なのかという疑問があります。いくら綺麗事を並べても実行できなければ意味がありません。実際に野良猫の被害は数え切れないほどの報告があり実行できていないのが現実です。
野良猫が居着いていれば、他の地域からの野良猫の流入を防げるという意見もあるようですが、そもそも他の地域にも野良猫がいることが問題です。
また他人の敷地内に駐車された車のエンジンルームに入り込んでしまう問題は深刻で、餌やり人が糞尿のしつけを徹底しても防ぐことは出来ません。やはり野良猫となって自由に行動できること自体が問題です。
私個人の考えとしては野良猫の餌やりはしないほうがいいと思います。元は人間が放し飼いをしたせいで屋外で勝手に増えてしまったり、飼い猫を捨てたりした問題ではあります。
動物愛護で野良猫を保護するという目的ならば、野良で放置したまま餌を与える(野良の放し飼い状態で近所住民に迷惑をかける)のではなくきちんと庭付きの保護施設などを作ってそこに入れてやるのがいいかもしれません。
しかしこれも猫の側から見れば、外にいるだけで人間の施設に強制的に収容される形となり、外で自分の意志で自由に生きていく権利を侵害されているような形になってしまいます。
いずれにせよ餌付けをしてしまうとそこに定着し、近所住民の生活の迷惑になっている問題からは避けられないわけで、これは餌やり人が屋外で無断飼い(自分が飼っている猫が他人の敷地に自由に出入りできる状態)しているのと何ら変わりないもので、迷惑とトラブルの原因です。