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残留農薬よりも注意するべき食品の危険因子

残留農薬を危険危険と気にして無農薬ものを選ぶ人は結構います。

しかし実際は食品に含まれる基準値内の残留農薬を、食事で摂取したことが原因の被害報告など聞いたことがない。

カリフォルニアのグリホサート訴訟に関しても、あれはグラウンドキーパーが農薬散布していたという職業暴露による被害の訴訟で、農薬が入った食品を食べたことが原因の訴訟ではない。

食品摂取での被害報告というと天然毒素やウイルス、寄生虫、細菌などによるもので、死者も出ることがあります。

これらは毎年食中毒など多く発生して絶えない状況で、残留農薬より遥かに意識向上を心がける部分だと感じます。

食品中の残留農薬よりもはるかにリスクが高い危険因子を記事にします。

ひじきのヒ素

ひじきには無機ヒ素が含まれているってご存知でしょうか?

ヒ素と聞くと、ヒ素中毒で死者が出た「和歌山毒物カレー事件」や「森永ヒ素ミルク中毒事件」をイメージする人もいると思います。

「ひじきにはヒ素が入っている」というと、バカにする人や笑う人もいるかも知れません。

ですがこれは冗談でもなんでもなく、ひじきには無視できないレベルでヒ素が含まれています。残留農薬とか汚染物質とかではなく、ひじきというのはもともとヒ素が入った海藻なのです。

無機ヒ素は有害物質であり、必須栄養素ではない。国際がん研究機関(IARC)ではヒ素を発がん性で最もランクが高いグループ1に分類。これは人に対して発がん性があるということです。

どれくらいひじきが危険かと言うと、食べたらすぐ死ぬとか、すぐ中毒症状が出るというまでの危険レベルではありません。

しかし英国食品規格庁がイギリス国民に対してひじきを食べないように勧告しているレベルで、ひじきはオーストラリア、ニュージーランド、台湾での海藻類(生)の無機ヒ素の基準値も大きく超えています。

ひじきの煮物を小鉢一品(一人分)食べるだけで、世界保健機関(WHO)の耐容一週間摂取量(PTWI)を1日あたりで換算した数値に達し、ひじきを食べることがいかに基準値に大きく影響するかが分かります。

かといってひじきを食べて死んだ人は聞いたことがありません。ひじきを食べて急性中毒も効いたことがありません。

ただし毎日食べ続けると長期的にどう影響するかは予想がつきません。

ちなみに農林水産省によると日本人は白米やワカメからもヒ素を摂取しています。こちらのヒ素濃度はひじきより遥かに少ないですが、多くの人が毎日食べるので結果的にはこれらの影響が多いと言えます。

ひじきを毎日食べる人はあまり聞きませんが、ひじきを好き好んで日常的に頻繁に食べるとなれば影響は圧倒的にひじきに傾くと思います。

じゃがいものソラニン

じゃがいもの芽や緑の皮はソラニンが多くて中毒事故は度々起こっています。

しかし、実はじゃがいもは皆が普段食している可食部もソラニンはゼロというわけではなく微量に含まれているのをご存知でしょうか?

ジャガイモの可食部分は、100 gあたり平均7.5 mg(0.0075 g)のソラニンやチャコニンを含んでいて、そのうち3~8割が皮の周辺にあります。

出典:ジャガイモによる食中毒を予防するために(農林水産省ウェブサイト)

じゃがいもの可食部でもソラニンは微量に含まれ、それを私達は普段から摂取しているのです。それが危険かと言うと全く問題はありません。それはなぜか?

これは量の問題です。体に悪い物質でも悪影響が出るかどうかは量の問題だということです=無毒性量。これは合成農薬も同じで、量が少ないと体は毒性を示しません。

この無毒性量をさらに100分の1にした地点に一日摂取許容量(ADI)があります。これは毎日生涯食べ続けても影響がでないと考えられる量。つまりADI内に収まった残留農薬というのは体に悪影響はありません。

しかしジャガイモのソラニンは消費者が注意しないとどうにもなりません。購入時には問題がなくても、購入後に光に当たる場所に置いたままなど保管環境次第ではソラニンが増えてしまいます。

ウイルス、菌、寄生虫などは特に注意!

寄生虫や細菌類の食中毒も毎年発生していて、安全性が保証されている基準内の残留農薬なんて気にしている暇はないほど注意しなければならない要素です。

細菌が増えても加熱すれば死滅するから大丈夫とも限りません。加熱で細菌が死滅しても、細菌が出した毒素は消えない場合があります。その代表的なものが2000年に起きた雪印集団食中毒事件です。

雪印集団食中毒事件では黄色ブドウ球菌が出した毒素であるエンテロトキシンが原因で集団食中毒が発生。これは加熱しても消えなかったため多くの人が食中毒を起こしました。

細菌やカビなどによる食中毒というと、「食中毒なんて回復すれば後遺症はないし、発がん性がある残留農薬のほうが怖い・・・」というように軽く考える人もいるかもしれませんが、細菌やカビの中には発がん性があるものもあります。

例えばピーナッツのカビ毒アフラトキシンには発がん性があります。これを防止するために防カビ剤を使用します。その残留農薬には基準があり検査されます。もちろんカビ毒アフラトキシンも検査されています。

防カビ剤が使われているであろう輸入ピーナッツでもカビが発生することはあります。カビの問題は残留農薬と違って、検査時に基準値内でおさまって通過しても、購入後にそれが増えるリスクがある点。

アフラトキシンは調理加熱してもほとんど壊れないので注意が必要です。ピーナッツにカビを見たら食べてはいけません。

ウイルス、菌、寄生虫の情報はこちらで知ることが出来ます。

生物系分野(内閣府食品安全委員会)

まとめ

合成農薬は多くの人が不安を持ち避けたがる要素ですが、合成農薬の場合は動物実験など多くの研究から毒性を導き出して、安全が確証できる数値で基準が定められます。

残留農薬は検査されていますので、スーパーなどで購入する分では消費者は特に何も注意することなく安全は保証されます。

しかし、天然毒素を含む食品や、ウイルス、寄生虫、細菌類などは、消費者が意識して注意しないと、食中毒などを起こすことがあります。

食中毒は急性の症状ですが、天然毒素やウイルス、カビ毒の中には発がん性などのリスクがあるものもあるということ。

残留農薬はそもそも厳しく管理されていて問題はありませんし、実際基準値より遥かに少なかったり検出されないのがほとんど。それに食品を購入後に加熱調理などで減ることはあっても増えることはありません。

しかしウイルスや細菌類は購入後の調理時の衛生状態で中毒を起こしたり、また保管状況、保管期間で増えていきます。

農薬よりもこれらにもっと興味を持って警戒したほうがいいと思います。

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