道路交通法には第26条に車間距離の保持ということで安全な車間距離を保つよう定められてはいるが、具体的に何メートル・何秒などは決められていない。
現状は多くのドライバーが信号待ちなど停止時の車間は2mから3mほどだ。バイクは50cmから1mとさらに狭い。バイクは車の真後ろにくっつけるように止める傾向がある。
最近は煽り運転や車間距離など言われていて、走行中の車間距離は話題になることはあっても、停止中の車間距離は話題にもならない。道路交通法に停止時の明確な車間距離(メートル)は定められていないが、だからといって好きな車間距離で1cmでも100mでも自由でいいというわけではない。
信号待ちや渋滞時にはある程度は余裕がある車間距離で停止するべきだと思う。この停止時の車間距離の理想と、距離はやや広めがいい理由を書いていきます。
道路交通法
まずは車間距離についての道路交通法。
車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。
出典:道路交通法第26条
これは進行中の話のようだ。なら信号待ちなどの停止はどうだろうか?
道路交通法第70条に「安全運転の義務」があるので停止位置にも気を配る必要がある。運転というのは走行と停止(停止中にどうするかではなく停止位置などを運転手が決めて止めるまでの行為)が運転だからだ。
しかしそうはいっても何メートル開けて止めろなんていう具体的な法律はない。
前の車のわずか1cmの真後ろに停止するのは危険だというのは誰でもわかるが、じゃあどれくらいかとなると各個人の裁量で決まっているのが実情。
車間を開けて止めたほうがいい理由
車間が狭いデメリット
詰めて止めることは推奨しません。車間が狭いデメリットをあげます。
- 前の車がちょっとでもバックしたら追突する。
- 万が一後ろから玉突き衝突があれば、停止車間を詰めているとより多くの台数が被害を受ける。
- 他の車が進路変更しにくい。
- 救急車など緊急車両が通過するときに左右に移動出来ない。
- 近すぎると信号機や標識が見えない。
車間を広めに取るメリット
危険回避ができる
車間をとって停止していれば、前の車がじわりと下がってきたときにクラクションなどで危険を知らせる時間的余裕が増える。バイクだと、前の車がもしもバックしてきたときに左右に回避することが出来る。
これがもし車間を50cmほどで詰めて止めていれば、ちょっとでもバックすれば追突することになる。
特にバイクは車のギリギリ後ろに停止することが多く、あれでは前がちょっとでもバックすればぶつかる。あそこまで近いと避けることも何も出来ない。私もバイク乗りだが彼らの行動は全く理解不能だ。
ちなみにクラクションはむやみに鳴らしてはいけないが、危険を防止するために仕方がないときは鳴らしていいと道路交通法で決められている。
車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
出典:道路交通法第54条の2
緊急車両を通しやすい
救急車や消防車などの緊急車両が信号待ちの列を通過する時、信号待ちの列や渋滞の列が車間距離をとっていれば、車は左右に移動し安い。
詰めているほど道を開けるのに苦労します。1秒を争うこともある救急車や消防車はここで渋滞にハマるわけにはいきません。
個人的な見解
走行中の車間は、個人的には3秒という時間を開けて走るのが理想だと私は考えている。走行中は距離よりも秒数が目安にしやすい。どの速度域でも応用がきく。
停止についても個人的な意見となるが、停止時の車間は 約3mの距離をとって停止するのが理想だと考えている。だいたいの車がそれくらい開けている感じです。ただ、バイク乗りは前の車と50cmから1mくらいしか開けない傾向が強い。
400ccバイクの1台分の長さが2m、コンパクトカーが4mなのでこの中間辺りの距離を取るのがいいと思います。
停止時は詰めたほうが車の列が短くはなる。特に市街地の渋滞解消にはそのほうがいいと考える人もいるかも知れない。ただし安全面や緊急時を考えると車間は余裕を持って開けるのが理想である(広すぎるのも考えものだが)。余裕を持たないと何かあったときに身動きができない。