ほうれん草はシュウ酸が云々・・・。
アク抜きして食べましょう・・・。
シュウ酸は尿路結石のリスクを高める・・・。
多くの人がそう言います。たしかにそうです。しかしほうれん草だけ気をつけていればいいんでしょうか?いいえ違います。
シュウ酸=ほうれん草というイメージがあまりに強いですが、日頃よく食べているものにも結構含まれています。シュウ酸は植物全般にほぼ含まれています。
尿路結石は気絶するほど痛らしい!
尿路結石、私は一度もありませんが痛いらしいですよ。救急車搬送中に気絶した人もいるくらいです。こむら返りの痛みの数倍はあるかもしれません。こんなの経験したくないですね。
同じように生活していてもなりやすい人とそうでない人がいる。再発率は高い。出来る人は何度でも出来る、出来ない人はずっとできない。そして男性に多い。年齢的には中年以降。
食品からのシュウ酸摂取は原因の1つと考えられていますが、その他要因も多く関係しているので原因特定は難しいのが現実。ただし少しでもリスクを下げるためにシュウ酸摂取はなるだけ控えたいものです。
シュウ酸を多く含む食品
食品のシュウ酸塩含有量
品目 | シュウ酸塩量(mg/100g) |
---|---|
パセリ(生) | 1,700 |
チャイブ(生) | 1,480 |
スベリヒユ(生) | 1,310 |
キャッサバ根(生) | 1,260 |
アマランサスの葉(生) | 1,090 |
ほうれん草(生) | 970 |
ココアパウダー | 623 |
ビートの葉(生) | 610 |
人参(生) | 500 |
ソイプロテイン | 496 |
アーモンド(炒り) | 469 |
大根(生) | 480 |
レタス(生) | 330 |
豆腐 | 275 |
ブロッコリー(生) | 190 |
ピーナツ(生) | 142 |
アスパラガス(生) | 130 |
キャベツ(緑生) | 100 |
トマト(生) | 50 |
じゃがいも(生) | 50 |
玉ねぎ(生) | 50 |
あずき(茹で) | 25 |
スイートコーン(生) | 10 |
韓国臨床栄養学会(KSCN),Nutritional Management of Kidney Stones (Nephrolithiasis) より抜粋
https://doi.org/10.7762/cnr.2015.4.3.137
※上のデータは韓国のものなので日本国産のものとは数値が異なる場合があります。
表を見るとわかりますが、ほうれん草だけ注意すればいいということではないのがわかると思います。
ですがこれら食品の数字だけで判断してはいけません。例えばパセリなんかは1食あたりに食べる量が少ないので数値が大きくてもそれほどリスクは高くありません。
重要なのは1食あたりの量と摂取頻度です。
シュウ酸は植物に含まれ、これらは多くの人が日常的に食べているものです。これらをすべて回避するのは困難です。
茹でることで減るが、全部ではなく5割ほど
茹でてアク抜きをすることでシュウ酸はおよそ半分程度に減ります。
アク抜きすることで減りますが全部なくなるわけではないです。ほうれん草のアク抜きは自炊する人ならば皆やっていると思います。
ですがシュウ酸はほうれん草だけではありません。
レタスやブロッコリーもシュウ酸は多く、結石ができやすく日常的に食べる人は茹でたほうがいいかもしれません。じゃあ何でもかんでもとことん茹でればいいかと言うと、大切な栄養素まで流れてしまいますので一概には言えません。
結石を予防しよう
尿路結石の生涯羅漢率は2005年の尿路結石全国疫学調査によれば男性15.1%、女性6.8%ということです。これはかなり高い数字と思います。特に男性。
カルシウムと一緒に食べる
シュウ酸を含む食品をカルシウムと一緒に摂取することで、シュウ酸とカルシウムが結合してほとんど吸収されず排泄されるというのが定説。
シュウ酸(H2C2O4)に対してカルシウム(Ca)がどれくらい必要かというと、シュウ酸カルシウムの化学式がCaC2O4なのでシュウ酸1分子にカルシウム1原子。質量比は9:4。
つまりすべて結合させるつもりならばシュウ酸9gに対してカルシウムが4g必要だということ。
ほうれん草お浸し一人分がほうれん草50gとすると、アク抜きで50%減少した上でのシュウ酸ナトリウムは約240mgに対してカルシウムは107mgで釣り合います。
ほうれん草50gにはカルシウムが35mg含まれていますので、残り72mg。牛乳換算で65g。牛乳は100ccで103gあります。
つまりほうれん草お浸し一人分50gに対して牛乳換算で約63cc分のカルシウムです。
乳糖不耐症であればヨーグルトもお薦めです。ヨーグルトだと60gになります。
※アク抜きで溶け出したカルシウムや、また腸内で吸収されるカルシウムなど、その他要因は一切考慮していないので、すべてシュウ酸カルシウム結合に利用された場合の単純な目安です。
コーヒーにもシュウ酸は含まれますが、コーヒー牛乳として飲むことである程度予防できるということです。
サラダを食べるときはチーズをトッピングするといいかもしれません。この野菜とチーズの組み合わせは結構いけます。 チーズあればドレッシングかけなくても結構美味しいですよ。
適度な運動
激しい運動は血液中の尿酸値があがりシュウ酸カルシウム結晶の原因になります。運動で大量発汗しても結石のリスクが高くなります。
しかし適度な運動で体に振動を与えることは結石が小さな粒子のまま尿で排泄されやすくなります。小さな状態であれば痛みはない。ランニングや縄跳びなど。
そしてこまめな水分補給を。