煽り運転(悪質な妨害運転)について「煽られる側にも原因がある」というような言葉を盛んに目にします。それについて賛同の意見も多い。
だけどね、相手がムカつくことをしたからやり返してもいい!というような粗暴な運転を教習中にすれば免許は絶対に取れないんですよ。
原因は煽られる側に違反行為があったとは限らず、一時停止等ルールを守ったせいで彼らの怒りを買うことがある。煽った側の一方的な思い込みやルールの勘違いもかなり多いのだ。
根本的な原因は、煽る側がその状況に見合わない激しい怒りと破壊行為を行うことにあります。
「煽られないためには」「煽られる側にも原因がある」といった「煽る側にもっと気を使え!」のような考え方がどれだけ間違っているのか、という記事です。
正直、そういう考えで運転しているなら、危険だからもう車を降りたほうがいいです。一生運転しないでほしい。
そもそもの発端は?
煽り運転の発端は加害者に降りかかるストレスです。
このストレスは、被害者のほうが悪かった場合もあればそうでない場合もあります。その例は
- 追い越し車線で遅い車に引っかかったなど速度関係。
- 前に割り込んできた。
- クラクションを鳴らされた。
- 前の車が指定場所で一時停止したのを、自分への嫌がらせだと勘違いした。
- 信号機のない横断歩道で歩行者に譲るため前車が停止したのを、自分への嫌がらせと勘違いした。
- 交差点とその先が混雑して、交差点内に取り残されそうだったので、前が青だったが停止線から進まなかった前車に対し、自分への嫌がらせと勘違いした。
まあざっとこんな感じ。道路交通法を守ったことが発端で煽り運転が始まることもあります。
なので、煽られないためには交通違反や危険な運転(後方に車がいたら指定場所一時停止でも止まらないで飛び出しなど)をしないといけないことになります。
発端がどっちが悪いかなんて関係ない
問題は、発端がどっちが悪いか?ではなく、彼らは自分へのストレスの大きさに見合わない激しい怒りと破壊行動が衝動的に出てしまうことです。
追い越し関係に関しても、50km/h制限の片側1車線道路で、加害者は100km/hで走っていて、その前方を走っていた50-60km/hで走る車に一気に追いつき、すぐに真後ろ1mにベッタリと張り付く。
おい!チンタラトロトロ走るな!
おれは50キロ制限の道を100キロで走りたいんだよ!
邪魔するなよ、嫌がらせか!
いいからもっと飛ばせや!
という感じで速度超過したいがためにプッシュしてるようなパターンがほとんど。
抜け道となっている30km/h制限の狭い生活道路で30km/hで走る車に、60-70km/hで走る車が追いついて抜けずにイライラしているようなパターンも多い。
高速自動車国道の追い越し車線は、追い越し車線をトロトロと走り続ける車が・・と言われることが多いが、これはレアケース。速度を守って走っているとこういうのはめったに見ない。
実際は、制限速度を大幅に超えて追い越し車線を走り続ける車が、追い越し車線上で追い越し中の車に追いついたようなパターンがほとんど。これが一番多く頻繁に見る。
つまり速度超過や通行帯違反の車がギリギリの車間で詰めてくるケース。
そもそも追い越し車線から追いついた時点で追い越しの定義にはならないために、煽った側自身も通行帯違反だし、速度遵守車より速度超過した車のほうが追い越し車線を延々と走る事が多い。
なぜドライバーがそういう傾向になるかと言うと、追い越したあとに左の走行車線に戻ってもまたすぐ前の車に追いついてしまい、数秒ごとに左右左右と何度も移動することになるので、ずっと追い越し車線をキープして飛ばしたほうがいいんだいう心理が生まれやすいため。
大抵は車間詰めてイライラだけで終わるパターンが多いが、中には破壊行動に出てしまう人もいて、ありえないような方法で無理やり追い越し、その後に急ブレーキを踏んだりし、いつまでもしつこくつきまとって煽り運転(妨害運転)に発展する場合もある。
発端は追い越し関係だけではない。
・指定場所一時停止で一時停止をした。
止まらないでいくことが日常となっているのでイライラ
・信号機のない横断歩道で歩行者優先のため停止した。
歩行者に対し止まらないことが日常となっているのでイライラ
・前が詰まってて交差点進入禁止にならないように青でも停止線から動かなかった。
前が詰まってようが交差点に突っ込むことが日常となっているのでイライラ
・高速自動車国道の片側1車線の50km/h制限の工事規制区間で50km/hで走っていた。
50km/h制限だろうが100km/hで走ることが日常となっているのでイライラ
彼らはこれを自分への嫌がらせだと勝手に思い込んでしまう。
つまり、原因は無茶な割り込みなど相手のミスや違反にあったとは限らず、煽った側の違反や勘違いも多いということ。
最初にどっちがいい悪いじゃなく、彼らは自分へのストレスに対して強すぎる攻撃性があって、その感情の制御が出来ず、衝動的に破壊行動に出てしまうことです。
街中を走っていれば、無理な割り込みをされることは誰でもあることですが、大抵はイラッと来るだけで何もおこらない。これは割り込みをしたほうが悪いが、だからといってこの程度のことでやり返すような行為は異常である。割り込みをした人の多くは不注意であり、悪意はない。
問題は、煽る側の異常な性質
発端は何にしろ、普通の人なら何も起こらない程度の小さなストレス(相手が悪いとは限らない)で、すぐその相手に過剰にキレ狂う異常性が問題(誘因に見合わないほど怒り狂う)。
これじゃがアパートで隣人がうるさいからと金属バット振り回しながら注意しに行くような異常者と変わらない。しかもその騒音はとなりではなく隣の隣だったりするという。彼らは感情が先走るので一方的な思い込みが極めて激しい傾向がある。
こういう危ない人に対し、彼らへもっと気を使って運転しろと言うことがおかしな話。こんなものは交通違反をしないと無理な話で、横断歩道で歩行者が横断中だろうが、後ろに車がいたら歩行者に突っ込んでいかないといけなくなる。
煽られないためには
正直、完璧な運転をしていてもあおり運転をする人の気に触ればターゲットにされます。
煽られないためには、というか最も効果的な方法はこれしか無いです。これはバイクの場合です。
車の場合だとなんちゃって覆面風にするのが効果的です。間違っても赤いサイレンを付けないようにしましょう、違法になります。
ただ、稀にパトカーを煽るような人間もいるので、これで100%防止できるというわけではありませんが。