東京都練馬区教育委員会が作成した各家庭のSNSルールのリーフレットがあり、それを各小中学校へ配布し各家庭ごとに記入させて提出させていた。
これにはSNSのパスワードを書き込む欄があったが、東京都練馬区教育委員会はパスワードは書き込まないで提出させるように通知。しかし一つの中学でパスワードが書き込まれた状態で回収してしまった。
この問題を考える。
SNS練馬区ルール
スマホが子供でも持つ時代となった近年ではSNSでのトラブルや依存症が社会問題となっている。そこで練馬区ではSNS練馬区ルールを作成。
これを見る感じでは内容的には理にかなっているが、そもそもこれは家庭が決めることであり、練馬区が介入できることではないと思う。
そして問題となったのは次のリーフレットだ。
この2ページ目の記入シートにある「SNSパスワード記入欄」が問題になった。練馬区はパスワードは記入しないように通知したというが、そもそも記入シートを作り直していない点が大きな問題であろう。
マスコミでニュースとなる。
このニュースには多くのコメントが付いた。
ネットの声
ツイッターでは怒りの声が。
このツイートはごもっとも。
練馬区教育委員会は謝罪したが、当然騒動は収まるはずもない。ネットではプライバシー・人権侵害との声で溢れた。
学校というのはこれまで様々なブラック校則が問題となってきたが、まだこういうことをやっているのかと言うのが感想。そしてその記入シートを作成したのが練馬区教育委委員会だった。
これはいろいろおかしい
SNSルールとなってはいるが、記載にスマホやゲーム機の使用は・・・インターネットは・・・という表現があるのでこれは実質ネットルール。子どもたちに何を規制したいのかというとSNSではなくネット全般を規制する目的となっている。
SNS練馬区ルールではSNSに個人情報を載せないと注意喚起しているが、記入シートで個人情報を収集しようとしていたこと自体が矛盾である。最終的には記入しないように通知となったが、そういう記入シートを作っていたのは事実である。
赤の他人や機関がSNSの個人パスワードを収集するという行為が非常識であると認識しているのなら、記入シートを作り直して配布するはずだがそれもやっていない。
そしてそもそもパスワードだけの問題ではないのだ。
家庭でのSNSルールは区や学校が介入出来る問題ではない。
教育委員会や学校側がなぜSNSを管理・指図するのか。学校内でのスマホの使用に関しての制限ならわかるが、学校という敷地を出てから自宅へ戻ってからのプライバシーな行動は学校は介入できないはず。家庭の行動までをなぜ学校へ提出するのか。もう頭おかしいとしか言いようがない。
生徒は区や学校の奴隷ではない。人権がある。学校内では学校のルールに従うべきだが、家庭での自由時間の行動まで区や学校が管理するなんてありえない話だ。
SNSの利用ルールはSNSの運営のサービス利用規約に従わないといけない。あとは家庭のルールであり家庭でルールを決めるべき問題。
SNSアカウントという財産は学校のものではなくアカウントを所有する個人のもの。学校へSNSパスワードを提出するということは、預金の暗証番号を学校へ提出しろと生徒へ言っているのと同じ。
これを作ったのは東京都練馬区教育委員会だが、学校の教員が誰一人指摘しなかったのか。結局保護者が学校へ指摘したことでやっと問題が取り上げられた。
SNSの家庭ルールを作って学校に提出しろなどというのは、教育委員会に強制力はないし、学校にも強制力はない。こんなことまで制約するのは時代錯誤もいいとこ。今は戦前じゃない。
依存問題は大人も
大人になって依存症にならないように子供のうちに制約しておくべきだは違うと思う。むしろその反動で依存症になりやすくなるリスクがある。
学生時代に風紀などを規制し、卒業後にその反動で一気に羽根を広げるのはよくある話。これは制約が厳しいほど反動が出る。
歩きスマホに関しては法律で禁止にすればいい。ネットの犯罪やセキュリティ被害などに関しては、インターネットという科目を設けて、ネットのルールとセキュリティ、ついでに検索能力、フリック入力やキーボード入力など教育すればいいしテスト科目に追加すればいい。
ガチャ課金問題については法律でガチャ課金限度額などを設け、運営を規制すればいい。ガチャ課金システム自体を禁止でもいい。月額課金あるいは、基本無料で便利アイテム課金で十分。
スマホとネットは、現代では生活に欠かせない必須な物となっているのでこれを引き離すことは100%出来ない。むしろこれらを使いこなせないほうが生活に支障が出てしまう時代。
スマホ、ネット、SNSという大きなくくりでしがらみを設けるのではなく、SNSでの誹謗中傷問題やゲームガチャ課金依存問題、こういった根源的な問題を個別に考えていくほうがいい。