夏は冷房、冬は暖房。そして気になるのが電気代や灯油ガス代。
壁には断熱材が入っていて外気温の影響は受けにくいですが、窓というのはガラス一枚で外気温の影響を受けやすい。
窓というのはエネルギーロスが大きい部分。
日本の住宅は欧州に比べ大きなサイズの窓が主流。
大きな窓を使った住宅ほどエネルギーロスが大きくエネルギー効率は悪い。
ゆえに窓ガラスのエネルギーロスを減らすことが冷暖房の光熱費の節約に大きく影響します。
複層ガラス
窓ガラスのエネルギーロスを減らす方法として複層ガラスがあります。複層ガラスであれば、保冷・保温効果が高くエネルギーロスが少ない窓となります。
複層ガラスは北海道では昔から一般的ですが暖かい地域ではあまり親しみがありません。ただし最近の新築は複層ガラスが増えてきています。
複層ガラスは寒い地域の窓ガラスと考えるのはもったいない話で、暑い地域でも省エネになります。効果は冬だけではありません、夏でも効果あります。
魔法瓶の構造と同じ原理です。二重構造にして内部に空間を設けることで熱が伝わるのを遮断します。魔法瓶に冷水を入れたとき冷水を長時間保てるのと同じ原理と考えるとわかりやすいでしょう。
魔法瓶は内部の空間が真空に近い状態となっていますが、一般的な複層ガラスは乾燥した空気が入っています。しかし複層ガラスにも内部を真空に近い状態としたりアルゴンガスを入れたタイプもあります。
複層ガラスは夏場は外からの熱を遮断するためエアコンで冷やした室温が温まりにくくなり、冬場は温めた室温が外へ逃げにくくなります。
ただ、複層ガラスではない家を複層ガラスに変更するのは費用もかかり大変です。
窓に貼る断熱フィルム
一般的な一枚ガラス窓を複層ガラス窓へ交換するのは結構な費用がかかってしまいますが、窓ガラスに貼る断熱シートであれば一箇所2,000-3,000円程度(大きさによります)で簡単に取付可能。
ただしエネルギーロス対策としては複層ガラスよりは効果が大きく劣ります。また使用するガラスのタイプによってはガラスの熱膨張が大きくなりガラスが割れることがあります。
貼り付けにはゴムベラがあった方がいいです。これは数百円で買えます。
貼り付け方法はコツが要りますがユーチューブ動画に貼り付け方が上がっていますので参考になります。
ただし、これらのフィルムは耐用年数があり一般的に10-15年ほどと言われていて、高温・高湿・紫外線が強い場所などシビアな使用環境によっては数年ほどで張替えとなります。
動画では小さな窓ですが、大きな窓になると難易度も上がります。
断熱カーテン
カーテンは多くの恩恵があります。紫外線カット、遮光、遮音、遮熱、断熱。
カーテンは誰でも簡単に交換できますので手軽なエネルギーロス対策としておすすめです。
エネルギーロスを減らす効果でいうと、窓ガラスの手前に層を作ることとなり、これも複層ガラスなどと同じ原理で、夏場は外からの熱が室内に伝わりにくくなり、冬場は室内の温かい熱が外へ逃げにくくなります。
断熱効果の高いカーテン
このカーテンはレースカーテンとセットとなった断熱効果の高いものです。レースカーテンだけでも断熱効果はあります。
夜間では関係ありませんが、昼間にエアコンの効率を上げるために遮光カーテンを閉めて部屋が暗くなり、昼間なのにLED室内灯をつけてしまえば30Wほどの電力を消費する。こうなると本末転倒な一面も出てきます。
そういう場合は明るさの状況を見ながら全部閉めて室内灯を点けるか、室内灯を点けずにレースカーテンだけにするなど工夫が必要かもしれません。レースカーテンだけでも断熱効果はあります。
カーテンを買う場合は現在使用中のカーテンサイズを計ってサイズをしっかり確認しましょう。
隙間ができにくいカーテンレール
いかにカーテンが優れていても、カーテンには壁との間にどうしても隙間ができます。
その隙間をできるだけ出ないように工夫されたカーテンレールが上のタイプです。
このカーテンレールはリターンフックが付いたもので、左右と上に壁との隙間がほとんど出来ないような作りです。
断熱カーテンに隙間を出来にくくしたカーテンレールを使用することでエネルギー効率はより高いものとなります。
まとめ
窓ガラスのエネルギーロスはとても大きい。
冷暖房の効率を上げるなら、窓ガラスのエネルギーロスを減らすことが重要。
窓ガラスのエネルギーロスを減らすことで夏場のエアコンの電気代、冬場のエアコン、ファンヒーターなどの暖房器具の電気・ガス・灯油代の節約となります。
これは費用的な利点だけでなく、温室効果ガス削減にもなります。