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日光浴で皮膚で合成したビタミンDは、シャワーやお風呂で流れてしまうのか?

日光浴をして紫外線を浴びることで皮膚でビタミンDを合成することができるというのは多くの人が知っています。

この皮膚で合成したビタミンDは、吸収に48時間かかり、その間に石鹸を使ってシャワーなどで洗い流すと合成したビタミンDも流されてしまう、という情報がある。新しい情報ではないが、こういう情報が海外のいくつかのサイトにあり、質問箱でも話題になっている。

はたしてこれは本当なのか。日本ではネット上ではこの点については一つのブログを除いて全く情報がなく議論もされてない。これを調べてみます。

元ネタはどこなのか

人間は紫外線を浴びることでビタミンD3を生成することが出来ます。紫外線B波を浴びることで上皮でビタミンD3が生成されます。ここまでは定説です。

この「上皮でつくられたビタミンD3は吸収に48時間かかり、その間に石鹸を使ってシャワーで洗い流すと合成したビタミンD3も洗い流されてしまう」という情報があるがはたして本当なのか。

この最も古いネタはこちらのコミュニティの2009年の投稿がありました。

2009年5月13日に投稿されたこの内容は、「石鹸は肌の表面からビタミンD3を洗い流すので、シャワーを浴びるときは石鹸を控えめに使用してください」というもの。

このソースをさがすとメルコラ博士の医学的仮説にたどり着きます。メルコラ博士は自然療法サイトであるMercola.comの創設者。

Mercola.comにそのビタミンDに関してのページがありました。このページの表現では、「洗い流されてしまう」ではなく、「洗い流されてしまう可能性がある」となっています。下がそのURL。

Vitamin D Resource Page ー Mercola.com
https://www.mercola.com/article/vitamin-d-resources.htm
(※サイトへのリンクが禁止なのでリンクさせずにURLだけ載せておきます。リンク禁止には法的な強制力はないが意思を尊重することにします。)

Mercola.comには免責事項があり、このサイトはメルコラ博士の意見に基づいて書かれているということです。

日本でこのネタを取り上げたのはこちらのブログの2013年の記事でしょうか。

日本ではこの情報の影響は全く見られないが、海外ではこのメルコラ博士の意見に影響したのか、栄養療法師などのサイトで日光浴後にシャワーでビタミンDを洗い流さないように書いてあるところがいくつか見られます。

多くの専門家からは否定されている

上皮で合成したビタミンDは果たして本当にシャワーで流れてしまうのか。これを主張している専門家は複数いるとの情報もあったが、調べた限りではメルコラ博士しか見つからなかった。

しかし上皮で合成されたビタミンDが石鹸で洗い流されるという理論は多くの専門家が否定しています。

2013年のこちらの論文で、ビタミンDは石鹸と水で洗っても皮膚に残ると述べている。

Sunlight and Vitamin D
A global perspective for health
Matthias Wacker &Michael F. Holick
Pages 51-108 | Received 15 Mar 2013, Accepted 28 Mar 2013, Published online: 01 Jan 2013 https://doi.org/10.4161/derm.24494

単純な話ですが、つまりビタミンD3は上皮細胞の内部で生成されるため、強くこすって皮膚を削ったりしない限りは流れ落ちないということです。

またこちらのユーチューブ動画で、ジェームズ・スポルジョン医師が生成されたビタミンDはシャワーでは流れないと、メカニズムを解説。

ジェームズ・スポルジョン医師は生物学の学士号を習得した自然療法医であり、INDEPENDENT WELLNESS CENTERという診療所のメンバーです。

結論

上皮で生成したビタミンDが石鹸を使用したシャワーで洗い流されるという情報は、厚労省でもWikiでもそのような注意喚起の記述は一切ありません。つまりこれは科学的に認められた情報ではありません。あくまでもメルコラ氏の仮説にとどまっています。

日光浴後にシャワーを浴びるとビタミンDが洗い流されるという科学的根拠はありません。ビタミンDは皮膚内部でつくられます。日光浴をしてその後にシャワーやお風呂に入ることは全く気にする必要はありません。

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