なんかYahoo!知恵袋で同じような質問をちょこちょこ見かけるのでその記事です。
自動車学校で普通自動車の路上教習中に、右折矢印式信号機のある交差点で、右折しようとしたら赤に変わったので停止線手前で停止（右折矢印はまだ点いていない）。すると教官から「ここは右折の矢印信号が出るから赤だけど進んで！」と言われた。これは正しいのか？
というような質問。
まあ結論をいうと、右折矢印が点灯してないのに赤で停止線突破して右折出来るわけ無いだろ！！！！です。右折矢印が点灯したのを確認してからでないと右折なんか出来ません！こんなアタリマエのことをわからない教官がいるとは。
この手の質問は度々見かけるので、こういう個人的な見解で指導する教習指導員が結構いるということでしょうか。そういう教習所は大丈夫でしょうか？教官によって言うことが違う、なんてよく聞きますが、間違ったことを指導してはダメですよ。
まだ右折矢印が出ていないのに、赤のまま見切り右折したらどれだけ危険かを記事にします。
信号の見切り進行は違反です
道路交通法第7条（信号機の信号等に従う義務）。
道路を通行する歩行者等又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等（前条第一項後段の場合においては、当該手信号等）に従わなければならない。
出典：道路交通法第7条（信号機の信号等に従う義務）
信号機の表示する信号に従う義務があります。右折矢印が表示しておらず赤信号だけのときに、交差点に入っていない状態から停止線を越えて右折するのは立派な信号無視です。
赤だけどすぐに青の右折矢印が出るはずだから止まらず進む・・・というような見切り進行は認められていません。
ちなみに右折信号がなく赤でも右折できるのは、すでに交差点内で右折をしている場合のみです。交差点に近づいて進行中に赤に変わった場合は、停止線を超えて進行することは出来ません。
赤色の灯火
（中略）
二 車両等は、停止位置を越えて進行してはならないこと。
（中略）
四 交差点において既に右折している車両等（多通行帯道路等通行一般原動機付自転車、特定小型原動機付自転車及び軽車両を除く。）は、そのまま進行することができること。この場合において、当該車両等は、青色の灯火により進行することができることとされている車両等の進行妨害をしてはならない。
（後略）
出典：道路交通法施行令第2条（信号の意味等） ※普通自動車に関係のある部分だけ引用。
見切り進行は右直事故を起こす
下の動画は、前方の信号機が赤に変わっても、対向側の信号はしばらく青のままという交差点。そのせいで右折矢印が表示されるタイミングが遅くなっています。
動画を見ればわかりますが、見切り進行をして信号無視して右折した車が、対向車線の車とニアミスしています。
「右折信号が点くだろう」と見切り進行で赤のまま（右折信号が点いていない状態で）右折すると右直事故を起こす可能性があり大変危険なのです。
必ず右折矢印が表示されてから右折をしましょう。
違反した場合は
違反した場合は信号無視（赤色等）違反となり、点数が2点、反則金は普通自動車の場合9,000円です。
教習指導員は個人の見解で指導しないで
教習所指導員は道路交通法に基づいた指導をしないといけません。
指導員がワンポイントアドバイスとして教習生に個人の意見や感想を言うときは、それが道路交通法に違反していないか、言葉の一字一句に十分に気を払う必要があります。でないと、教官が変わったときに矛盾した指導になってしまい、教習生が混乱しますし、何よりその意見が道路交通法に反したものであれば大きな問題です。
教官（教習所指導員）の指導内容が正しくないのではないか？と思ったら、まずは警察署の交通課に質問してください。そこで教官の間違いが確定すれば、それを教習所の窓口で、教官の名前と交通課の回答を持参して事情を話しましょう。
赤に変わって、まだ青の矢印信号が出ていないのに、「次は右折矢印が出るので、赤のまま停止線を越えて右折しないと後ろから追突されるから危ないよ！そのまま進んで！」と指導する教官・・・危険すぎます。
上で紹介した動画のような信号機もあり、右直事故を起こすほうがもっと怖いです。この場合信号無視ですので過失割合が重くなります。
教官はその交差点の信号をいつも通ってその右折矢印タイミングを覚えてるのでそう指導しているのかもしれませんが、信号機の点灯パターンの仕様なんて交通事情でいつ変わるかわかりませんし、そんな独自研究のローカルルールを教えたら教習生が卒業後に他の信号でもやるようになります。
それに、そもそも信号機の表示に従うのが義務です。見切り進行で赤突破はそもそもが違反です。
