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原付が5.4馬力以下の125ccになっても原付は原付である

ビッグニュースが飛び込んできてぶったまげた。原付は50ccバイクだったが、もしかしたら原付の定義が馬力制限された125ccクラスへ変わるかもしれないというのだ。

つまり原付免許でこの馬力制限された125ccクラスのバイクに乗れるということに。

これはバイク業界や原付乗りにとってとても明るいニュースになりそうだ。というか原付乗りにとってはかなりメシウマな話。

もしも実現すると一体どう変わるのか大予想します。

現行法の原付とは

メディアの記事を見ると原付とか原付一種とか原付二種とか説明なしにごちゃごちゃ書いてあり、わからない人もいるので、現行法ではどういう定義かわかりやすく説明します。これをしっかり頭に入れないと分けわからなくなります。

道路交通法と道路運送車両法で呼び名が違います。本当は統一してほしいんですけどね。

50cc以下50cc超125cc以下
道路交通法(免許区分)原付普通自動二輪(小型限定)
道路運送車両法原付一種原付二種

125ccクラスは道路交通法では普通自動二輪で、道路交通法の免許区分では普通自動二輪(小型限定)ですが、ライダーの間では道路運送車両法での原付二種と呼ばれることが多いです。ライダーの間では原付の延長線上という認識があるせいかもしれません。

単に原付という場合は一般的に50ccの原付一種のことを指します。原付二種のことを略して原付と呼ぶ人はライダーにはまずいないです。50ccと混乱するからです。ニ種のときは原付二種ということがほとんどです。

この記事では道路交通法の呼び名で書いていきます。

原付の定義が変わる可能性

ここでは大まかにしか書きませんので詳しくはベストカーの記事を読んで下さい。

ざっというと、新しい排ガス規制を継続生産車の原付50ccがクリアするのは大変厳しく、その期限2025年11月で原付の現行生産ラインナップは終わるかもしれないと言われています。

そこで、原付を生き残らせる新しい案が、原付の定義を排気量で分けるのではなく、出力で分けるというものです。

原付は排気量50cc以下でしたが、それを小型限定クラス(原付二種、50cc超125cc以下)の排気量で最高出力を4kW(5.4馬力)以下に制限し、それを原付(50ccの代替)にしようという案です。

馬力規制されてもパワフルになる

5.4馬力以下に出力を抑えた125ccクラスは現行生産の50ccよりパワフルになります。現行50ccはおおよそ4.5馬力程度で、まあそれが5.4馬力になるだけでも違うのですが125ccという排気量がもたらすメリットは大きいです。

5.4馬力制限の125ccクラスというと125ccモデルは現在おおよそ10馬力ほど出ていると考えればそのたった半分しかないけど、例えば50ccの5.4馬力と125ccの5.4馬力を比べた場合、125ccのほうがすっとパワフルです。

125ccの出力をたった5.4馬力に抑え込むということはかなりのパワーを抑え込むことになり、ピークパワーの回転域がとても長くなります。低回転から高回転域まで5.4馬力を発生するわけですから、ピークパワーが高回転域で一瞬しかない50ccよりもパワフルになります。

5.4馬力に達するまでの回転域のパワーは現行の125ccと殆ど差は出ないでしょう。

エキパイと排気口を小さく絞ってふけを悪くし、高回転域での馬力を抑えてくることは予想できますが、そうすると低速トルクが上がります。

つまり走り出しが非常にパワフルになりますのでストップ&ゴーの多い使用だとかなり大きなメリットになります。

特に登坂では50ccスクーターの場合は最高出力回転域まで回転数が上がらず、そのせいで坂をなかなか登ってくれません。しかし125ccであれば低回転でもパワーがあるためグイグイと登っていくでしょう。

原付は今までの非力な4スト50ccから、モリモリ加速する125cc原付となります。

燃費は50ccよりどれくらい落ちるのか

50ccと125ccで燃費がどれくらい変わるのか気になる人は多いと思います。

昔の2スト50ccだと燃費はレッツ2DXで結構回して市街地が33km/Lほど、ツーリングが38kmLほどでした。最近の4スト50ccだと燃費で定評のあるホンダのタクトは、結構回した場合でも市街地が50km/L、ツーリングで60km/Lほど行くようで、あまり回さないと70-80km/Lほど記録する人もいます。

125ccの方は、スズキのアドレスV125Sで市街地の燃費は33km/Lほど、ツーリング燃費は結構回しても48km/Lくらいです。最高が55km/Lでカタログ値を超えたこともあります。ホンダのPCX125の場合だと街乗りで40km/Lほど、ツーリングでは50km/Lを遥かに超えるようです。ちなみにヤマハはスズキより燃費が悪いです。

たしかに50ccのほうが燃費はいいですが車種や走り方によっては125ccのほうが50ccより燃費がいい場合もあり、まあ125ccの燃費でも低燃費として十分納得できるレベルではないかと思います。

ただね、空気をキレイにするための排ガス規制が、排ガス規制をクリアするために燃費が悪くなる原付へ進化するってのが・・・。

問題点もあるぞ!

最高出力を抑え込んだ125ccクラスを原付にすることは問題点があります。それはフルパワー化する人が出てくるということです。

5.4馬力に抑制されたパーツを交換し、10馬力前後へフルパワー化しようと試みる人は出てくると思います。そうなるとナンバーを小型限定(原付二種)へ変更しないといけません。脱税になります。原付免許でも乗ることは出来ません。

メーカーは原付専用に設計した125ccモデルで出してくるのか?いいえそうは思いません。

専用モデルを作るとコストがかかります。おそらくは海外市場を考えたグローバルモデルで125ccクラスを設計、製造し、それを小型限定として国内でも販売する一方、同じ車体で出力を抑え込んだ原付バージョンを出してくる感じになると予想します。その方が共通パーツが多く安いコストで作れるからです。

かつてスズキで100ccスクーターのアドレスV100と、同一ボディで50ccエンジン搭載のアドレスV50というのがありましたがこういう感じで共通パーツを使いながら分けてくる気がします。

しかし、アドレスV50の場合はエンジン排気量が違いましたが、違いが出力制限だけとなるとボアアップよりも罪悪感が薄れ、特定パーツを加工したり、パーツリストから小型限定モデルのパーツに交換してフルパワー化する人が多く出てくる気がします。

ここを勘違いするな!

勘違いしてはいけないことがあります。これは原付免許や普通自動車免許で125cc以下の小型限定(原付二種)に乗れるようになるという意味ではありません。

最高出力が5.4馬力以下に抑制された125ccクラスを原付にしようかね、という話です。

それと、最高出力が5.4馬力以下に抑制された125ccクラスを原付にしても、扱い自体は今までの50cc原付のままとなる可能性が高いです。

  • 原付免許や普通自動車免許では小型限定モデル(50cc超125cc以下)には乗れない。乗れるのは原付モデル(最高出力を5.4馬力以下に抑えた125ccクラス)。
  • 原付の法定最高速度は30km/hのまま。二段階右折もある。2人乗りは出来ない。
  • たとえ普通二輪・大型二輪免許を持った人が125ccクラスの原付車に乗っても原付ルール。
  • 125cc原付であっても車両の速度リミッターは50cc同様60km/h(法定は30km/h)。

これはこのままだと思われます。

一つ疑問が残るのが、原付区分を排気量ではなく5.4馬力という出力にするならば、昔の7.2馬力など5.4馬力を超える50ccは原付ではなくなるのか?という疑問です。

しかし5.4馬力超で7.2馬力以下の昔の50ccはおそらく原付のままであると思います。今7.2馬力の50ccに乗っている原付免許持ちがいれば、それは原付免許のままでそのまま継続して乗れると思います。


最後に、この情報はまだ確定したものではないということに注意してください。

125ccクラスの最高出力を5.4馬力以下にしたものを原付扱いにするかどうかはまだ確定していません(2022年12月18日時点)。しかしそうなる可能性はかなり高いような雰囲気です。

ちなみに排ガス規制で2025年11月から導入されるのは原付の継続生産車に対してですので、すでに生産が終了している中古車両はそのまま購入可能で、すでに所有して乗っている人も継続して乗ることが出来ます。

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