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標高に関係なく酸素濃度は21%!高山でも酸素濃度は同じです!

こういう事を言う人がいます。

「標高の高いところは空気中の酸素濃度が薄い。」

しかし酸素濃度は標高が低いところでも高いところでも変わりません。大気圏内の大気組成は同じで酸素濃度は標高関係なくどこでも21%のままです。違うのは気圧。つまり空気が薄いという表現が適切。

酸素濃度と薄い空気を勘違いしている人がかなり多いようなので記事を書きます。

「酸素濃度が低い」状態は「空気が薄い」とは違う

酸素濃度が低いというのは空気が薄い状態とは違います。空気が薄い高地でも酸素濃度はほぼ同じ。たとえ標高4,000mの高地であろうが8,000mの高地でろうが空気が薄くても酸素濃度は海抜0mとほぼ同じで変わりません。

高地であろうが酸素濃度は同じ21%なんです。酸素が少ないという意味とは違います。

エベレスト頂上8848mでは気圧が標高0mと比べ1/3になり酸素分圧も1/3です。酸素分圧とは体積あたりの酸素量のこと。しかしエベレスト頂上であろうが酸素濃度は21%です。1/3の7%ではありません。

大気組成は乾燥空気の場合、窒素78%、酸素21%、アルゴン0.93%、二酸化炭素0.04%ですが、これは標高が変わっても同じです。高地だから酸素濃度が下がるということはなく、ほぼこの組成のまま気圧が低いのです。

高山では酸素濃度が低い。

高山では酸素濃度が薄い。

高山では酸素が少ない。

高山では空気が薄い。

大気組成はどこでも同じ。

酸素欠乏症の恐怖

酸素濃度は21%ですが、個人差はありますが酸素濃度16%以下あたりから酸素欠乏症の症状が出始めます。さらに極端に低い酸素濃度6%以下ともなると、呼吸しただけであっという間に意識を失い死亡します。

ちなみに人間が吐く息の酸素濃度は16%です。

マンホール内やタンク内作業での酸素欠乏症事故がありますが、マンホール内はまれに酸素濃度10%を切っている場合もあります。

酸素欠乏症等防止規則の基準では酸素濃度18%以上で作業することとなっていますが、マンホールやタンク内での作業中の酸素欠乏症による死亡事故は毎年発生しています。

厚生労働省によれば酸素欠乏症による労働災害は、製造業、建設業が全体の7割を占めているということです。
酸素欠乏症・硫化水素中毒による労働災害発生状況(厚生労働省)2020年2月19日閲覧

アスリートの常圧低酸素室トレーニング

スポーツの世界では常圧低酸素室というものをトレーニングで使うことがあります。これは気圧を低くして空気を薄くしているのではなく、窒素濃度を増加させることで同じ気圧のまま酸素濃度を低くしてあります。

気圧を下げることなく高地トレーニングと同じような効果が期待できるトレーニング環境になるということです。

アスリートの場合、低酸素室は通常は酸素濃度15–16%でトレーニングを行いますが、エリート陸上長距離選手などはその低酸素室で標高3000mに相当する酸素量の酸素濃度14%あたりでトレーニングを行うこともあります。

酸素は多くても少なくても害が出る

人間にとって酸素は少なくても害がありますが、多すぎても害があります。それが酸素中毒。多すぎる酸素は活性酸素を処理しきれなくなり体にダメージを与えます。

そもそも生命にとって酸素は毒でした。酸素のおかげでオゾン層が上空に形成され、地上へ降り注いでいた紫外線をカット。その御蔭で生命は陸上で暮らせるようになり、酸素を利用して活発に動けるようになった生命は一気に進化。

人間は酸素を利用して進化した生命です。

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