雨の日、雨上がりなど路面が濡れた状況で自動二輪車や自転車に乗っているとマンホール蓋に非常に神経質になります。
なぜなら濡れたマンホール蓋は極めて滑りやすいから。
どれくらい滑りやすいかというと固められた雪道と同レベルだとも言われてます。そもそもこのような極めて滑りやすいものをあらゆる路上に設置している事自体が信じられないです。
日本はマンホールが多い国なので深刻です。マンホール蓋について語っていきます。
マンホール蓋の現状
濡れたマンホール蓋が滑りやすく危険であるということは誰もが周知していることです。
通常のマンホール蓋でもスリップ防止を全く考慮していないというわけではなく、滑りにくくするために立体の模様をつけたり、表面はフラットではなく細かな凹凸をつけてはいるようです。
しかし交通量の多い場所では小さな凹凸はすぐに摩耗してツルツルの鉄板になっているという現状。
各公共団体では適応適所に、通常のマンホール蓋よりはるかに滑りにくい本格的なスリップ防止マンホール蓋を設置したり、車輪がかからない位置に配置するなど道路環境改善に努めています。
道路全箇所のマンホール蓋がスリップ防止蓋というわけではないので、二輪車で走行しながら通常のマンホール蓋かスリップ防止マンホール蓋かを見分けるのは困難。
つまりライダーはウェット時、マンホール蓋は警戒し、なるだけ踏みたくないし蓋の上でブレーキを掛けることは極力しないし怖くて出来ない。
それにマンホール蓋を避けることばかりに集中すると周囲の車の動きなど注意散漫になるしあまりいいとは思いません。
さらにマンホール蓋を避けてばかりいる蛇行運転なって危険であると私は思います。
周囲の車の状況によっては50cc原付きは車に追い抜かれる頻度も多く、車線上のラインを選べずマンホール蓋があっても踏まざるを得ない状況は多い。
私は二輪車歴は原付から大型まであって長いですが、全国の全道路上のマンホール蓋がスリップ防止蓋になるのが願いです。
マンホール蓋が滑るのはカーブだけではありません、直線であろうと油断はできません。
信号発進加速時は、リアタイヤがマンホール蓋の上で回転スリップして左右に流れるリスクだってがあるんです。それほど加速しなくても濡れたマンホールだと簡単に空転します。
マンホール蓋にも寿命があります。
マンホール蓋は消耗品です。徐々に摩耗していきます。溝は浅くなり、表面もつるつるしてきます。そうなると一層滑りやすく危険な状態になります。しかし現状は摩耗の進んだマンホールを多く見かけます。
自治体など予算厳しいかもしれませんが、安全最優先と考えれば摩耗したマンホールは速やかに交換してほしいものです。
マンホール蓋の表面を見てみる
まずはこちら。どこにでもあるようなマンホールです。
表面をよく見ると細かな凹凸が付いています。
最初はもっと凸凹していたのに摩耗ですり減ったという感じでしょうかね?
では次。これは外側にスパイクピンのような物がついていて滑りにくそうですね。色も目立つのでいいと思います。
拡大してみます。
外側の突起以外にも、表面に凹凸がついていて、これがスリップ防止になっているんでしょうね。交通量の少ないところにあったマンホールです。
では次。交通量の比較的多いところにあるマンホール蓋。
拡大してみます
これは表面が摩耗してツルツル艶々の状態。模様の段差があるぶんまだマシですが、実際雨で濡れれば二輪車はこんなものは軽くスリップしてしまいます。
マンホール蓋ってのはちょっと雨が降るとこのようにすぐ水が膜を張ってしまいます。アスファルト路面は多少の雨は吸水して湿気るだけで水の膜は張りませんがマンホール蓋は簡単に水の膜ができます。これがマンホール蓋の怖さです。
改善してほしい点
- すべての蓋をスリップ防止蓋へ。
- どこにあるかわかりやすいように目立つ色に。
- 摩耗劣化した蓋の速やかな交換。
- 同じ地帯に多数連なって集中しているものはなんとかならないものか。
スリップ防止マンホール蓋
そもそも一般的なマンホール蓋でも蓋に溝があることでスリップしにくくなるようですが、雨の日その溝にすぐに水が溜まって結局あまり意味をなしていない気がします。
しかし以下に上げる本格的な「スリップ防止加工」や「スリップ防止マンホール蓋」もあります。こういう物はどんどん取り入れてほしい。
最近洒落たデザインのマンホール蓋が増えてきているが、それより安全性優先のマンホール蓋をもっと増やしてほしいと思います。
マンホール蓋に松ヤニ主成分のシートを熱溶着して施行。
松ヤニと聞いただけで効きそうです。
マンホール表面に透水性防滑塗床材を施行。
グリップ力はもちろん耐久性もかなりあるようです。
表面に3次元構造の突起があるマンホール蓋です。
住友ゴムとの共同開発で、突起が摩耗しても形状が変わる3次元構想で作られています。
「ノンスリップ仕様マンホール蓋」は車道向けで殊な形状の突起があるマンホール蓋です。
「歩道用ノンスリップ鉄蓋」はソフトなゴムチップ張りとハードなノンスリップシール張りがあります。
日本産業規格(JIS)の改正
2018年に日本産業規格(JIS)が改正されています。
2018年12月20日、経済産業省は下水道用のマンホール蓋の日本産業規格(JIS)(旧名称:日本工業規格)を23年ぶりに改正。
※経済産業省ニュースリリース 日本工業規格(JIS)を制定・改正しました(平成30年12月分)の関連資料より
2018年は災害続きだったせいか、変わったんですね。
老朽化問題、豪雨時に蓋が外れる危険性について、滑り防止蓋についても書いてありました。
本当は災害起きてから改正ではなく、その前にやるべきなんですよね。けれども全国の下水道用マンホール蓋をすべて規格通りに取り替えるのは予算的にも作業的にも大変だと思います。
予算的な問題があるならマンホール募金を募ってでもやってほしい。
特に危険度の高い部分から対処していってほしいです。なるだけ車のタイヤのレコードラインから外した位置にマンホール設置すれば蓋の摩耗も少なくて済むと思うんですけどね。
最後に一言
マンホール蓋を気にすることなく走りたいよ