昔はどこでも普通に見かけた公園のゴミ箱。
私が住んでいる福岡市では公園にはゴミ箱がほぼありません。全国でもゴミ箱撤去の動きは多い。ゴミを捨てるマナーの問題で撤去が進んだようだ。
家庭用ゴミを捨てる人、カラスなどがゴミを荒らすなどの理由で撤去が進んでいる。ゴミ箱を撤去することで公園の美化と衛生が保たれるという考えのようだ。
欧州ではテロ防止のためにゴミ箱は撤去されている国がある。
ただ、スイスは逆だ。スイスは公共のいかなる場所にもゴミ箱があり、いかに効率的なゴミ箱を設置するかに力を入れている。この相反する両国を比べながらゴミ箱の是非について語っていこう。
ゴミ箱の問題点
ゴミ箱の問題点
- 家庭用ゴミ、持ち込みゴミを入れる人が多い
- 花見や花火大会があるとゴミが溢れまくって特に酷い
- ゴミ箱からゴミが溢れて不衛生、景観が悪くなる
- カラスなどがゴミ箱を荒らす
撤去した理由
- 撤去すれば持ち込みゴミがなくなってきれいになる
- 撤去を望む声が多かった
- ゴミは持ち帰るという方針
結局利用者のマナーの問題ですね。
とくに家庭用ゴミ袋が有料となりゴミ分別収集となった辺りから悪化した感じもします。サービスエリアやコンビニなどのゴミ箱には持ち込みゴミ禁止と注意書きがある場合が多いです。
「ただで捨てたい、分別めんどくさい。」
「そうだ！公共の場にあるゴミ箱に捨てればいいんだ。」
家庭ごみを捨てにくる人はそういう感覚でしょうか。
福岡市のゴミ箱環境
大濠公園
大濠公園は1周2kmもある大きな公園。ここは市民から観光客まで多くが利用。
2019年現在の大濠公園内には確認した感じだと、ゴミ箱はジョギングコーススタート地点にある売店広場の1箇所のみになっている。
しかしなぜか灰皿は現在でも公園の何箇所にも設置してある。
ゴミ箱はほぼ消えてしまったがトイレの便器の上に空き缶やドリンクの容器がポンと捨てられていることはよく見ます。遊歩道やジョギングコース上などはゴミは見かけない。
大濠公園はイベント時直後を除けばきれいな公園と思う。
イベントで使われたあとは翌朝にボランティアが猛烈な速さで清掃し、すぐに綺麗になっているおかげでしょうね。大濠公園はボランティアなどによる清掃活動が盛んです、ありがたい。
しかし本来散らかす人がいなければボランティアは必要ないのです。ボランティアの仕事を増やさないようにしなければなりません。
室見川河畔公園
室見川河畔公園。90年代まではどこでも普通にゴミ箱がありました。
現在は撤去されてどこにもありません。当時もゴミが散らかるような場面はほとんど見なかったですね。風が強いとゴミ箱が倒れてゴミが散乱してることはありましたが。やはりゴミ箱は地面へ固定して、そして蓋もつけるべきでしたね。
現在もゴミが散らかっているということは殆ど見かけませんが、たまに、使用した花火や空き缶類を袋に入れたまま捨てていく人はいます。
見かける頻度としては少ないですけどね。まあこれは昔と同じですね。状態としては今も昔もまずまず良好だと思います。これは清掃活動のおかげもあると思います。
スイスではどうなのか
スイスと言えばキレイ、清潔、ゴミがないとイメージしている人が多いかもしれないが、現地ではポイ捨て問題はかなり深刻です。
ゴミ箱設置状況に関しては、スイスの公共の場は本当にゴミ箱が多い。
スイスでは歩けばゴミ箱に当たるというくらいで日本の自販機並にゴミ箱は多い。
駅でも歩道でも公園でもどこにでもある。ポイ捨てはかなり多いが、スイスでは日本のようなゴミ箱撤去という動きはまったくない。
スイスでは早朝に清掃局がポイ捨てゴミやゴミ箱内のゴミも全部回収して掃除してしまうので朝にはきれいになっている。前日に出たゴミが放置されたまま翌日の日中まで持ち越すことはない。
スイスは外国人観光客が多い。展望台でも煙草の吸殻はよく落ちている。では外国人観光客だけがマナー悪いのか、そうとも言えない。
スイスではこういう問題が。
In the latest skirmish in Switzerland’s (admittedly low-key) garbage war with its neighbours, waste management authorities in southern Germany have teamed up with the Swiss Federal Office of the Environment (FOEN) to stop Swiss residents dumping rubbish in the German state of Baden-Württemberg.
出典：THE LOCAL CH
スイス住民が国境を超えてドイツへ家庭ゴミを捨てに行っているらしい。
フランスでもスイス人がゴミを捨てに。
Le phénomène a pris de l’ampleur depuis quelques années. Nos voisins suisses viennent de plus en plus jeter leurs poubelles en France, les déchets étant fortement taxés de l’autre côté de la frontière.
出典：franceinfo:Quand les Suisses viennent jeter leurs déchets en France
ゴミを捨てることが有料というスイスでは、少しでも安く捨てようと、国境越えてドイツやフランスまで買い物へ行くついでに家庭ゴミを捨てていく人がいるということです。
これはやめてほしい。日本は島国なのでこういう事はできませんが、スイスは国境に囲まれた国であり、物価の高いスイス国内より、物価の安いドイツやフランスのスーパーなどへ国境を越えて買い物へ行く人が多いのです。
そういう中で、ごく一部の人がこういうことをやっている。スイスのイメージが下がりそうです。日本でいうと、家庭用ゴミをコンビニやサービスエリア、公園のゴミ箱へ捨ててる人たちと同じに見えます。
スイスのゴミ箱
スイスの金網バケツタイプのゴミ箱にはフタがついている。そして中にはビニール袋。つまり臭いが出ない。
昔福岡市の公園にあったゴミ箱も金網タイプだったが蓋はなかったそのせいで強風でゴミが飛んでいったりカラスが荒らすことがあった、しかし蓋があればそのようなことは起きない、さすがスイス。
探さなくてもゴミ箱はすぐ見つかる。それがスイス。
ゴミ箱撤去という思考はスイス人にはないようです。列車の中にもちょっとした紙くずなどを捨てる小さなゴミ箱がある。スイスを旅行する身にとっては本当に便利で快適です。
やはりゴミ箱はあったほうが良い
結局日本とスイスの現状を比べてどうかと言うと、スイスのほうが公共のポイ捨てはかなり多い印象。外国人観光客が多いというのもあるかもしれない。
ゴミ箱を撤去はゴミを減らすというらしいが、家庭で出たゴミをまとめて捨てに来るような人は、ゴミ箱を撤去するとゴミ箱がない場所には捨てに来なくなるかもしれない。
しかし、人が監視していない別の場所を探してどこか必ず捨てに行く。
家庭用ゴミ投棄はそれはそれで取り締まるべきであり、ゴミ箱撤去が根本的な解決にはならないと思います。
それに利便性を考えればゴミ箱はあったほうが確実に便利。
ちょっと鼻水が出てポケットティッシュで拭き取ってそれをゴミ箱へ捨てる。しかしそのゴミ箱がない。いつもかばんを持ち歩いているわけでもなく、手ぶらで歩いている人は、そのティッシュをまたポケットに入れて公園で過ごした後に持ち帰ることになる。
地元住民なら「ゴミは個人で持ち帰る」で別に問題はないかもしれないが、特に遠方から来たような観光客からすれば不親切で不便な街と思われる。
観光客は公共のゴミ箱かホテルで捨てることがメイン。必ずしもバッグを持ち歩いているとは限らない。
例えば観光客がファーストフード店や弁当屋で食べ物をテイクアウトし、公園のベンチで食事をする。
ゴミ箱がなければ捨てる場所がないのでゴミをずっと手にぶら下げたまま臭いを撒き散らしながら1日中歩きまわったり電車に乗ったりして観光をするはめに。これじゃあ不愉快だし不便極まりない。
公園などをイベントで使った場合は話は別。
皆がゴミ箱へ捨てると一瞬でゴミの山だ。しかも一杯で入り切らなくなるとゴミ箱周辺へ置き去りにしていく。しかしこれはゴミ箱がない公園でもお馴染みの光景である。
これは今まで通りイベント時はゴミ箱を使用禁止にし、ゴミは持ち帰りで構わないです。
そして警察がパトロール強化して公園や駐車場その周辺の不法投棄を徹底的に取り締まるべきだと思う。
私の考えをまとめると
- 公共の場にはゴミ箱はあったほうがいい
- ゴミ箱を正しく使うことはむしろいいことである
- カラス対策、臭い対策はゴミ箱を蓋付きタイプにすればいい
- 公園などをイベントで使う際はゴミは持ち帰りにする
- 不法投棄のパトロール強化
ゴミ箱はあったほうがいい
