震災や豪雨水害があるたびに破傷風の注意というニュースが多くなるので、成人のための破傷風の記事を。
破傷風の予防摂取は成人は任意ですが、万が一のために受けておくのもありかも知れません。
成人の場合、予防ワクチンの接種はいつ受けるのか、費用はどれくらいかかるのかなどを書いていきます。
破傷風とは
破傷風は一度は聞いたことがあると思いますが、これは死に至る危険な感染症です。
破傷風は土の中にいる破傷風菌が傷口から感染する病気です。小さな傷口からでも感染します。破傷風は空気に弱く、傷口を塞ぐと増殖。怪我をしたらすぐに傷口を水で洗い流す。
感染するとどうなるか
破傷風の特徴的な症状である強直性痙攣は破傷風毒素が主な原因であり、潜伏期間(3 ~21 日)の後に局所(痙笑、開口障害、嚥下困難など)から始まり、全身(呼吸困難や後弓反張など)に 移行し、重篤な患者では呼吸筋の麻痺により窒息死することがある。
出典:破傷風とは(国立感染症研究所)2020年7月9日閲覧
成人で擦り傷等の怪我をする人は全国でごまんといますが、その中で破傷風になる人は全国でも極めて少ないことを考えると、リスク的にはかなり低いものかも知れません。
しかしひとたび感染して症状が出ると致命率が高く危険。
ガーデニングや農作業をやっている人、また水害などの被災がれきを取り除いたり片付け等をやる場合、作業中のちょっとした傷口から破傷風菌が感染することが稀にあるかもしれません。
破傷風についてわかりやすく解説しているサイトがあります。
日常生活に潜む破傷風 (一般社団法人 日本血液製剤機構)
https://www.jbpo.or.jp/tetanus/
成人が行う破傷風の予防接種
国立感染症研究所によれば、年齢別の破傷風抗体保有状況では40歳を境に陽性率が大きく低下し、感染症発生動向調査における報告患者の年齢は45歳以上が90%以上であることから、40歳以上に免疫をつけることが必要ということです。
破傷風はワクチン接種でほぼ100%が十分な抗体を獲得できるのでワクチンの効果はかなり絶大です。
現在は子供はワクチンの定期接種を受けることになっていますが、これは生涯に渡って有効ではありません。また1967年以前に生まれた人は破傷風の定期接種が行われていなかったため抗体が主役となる免疫がありません。
成人の場合、予防ワクチンは任意で接種することになります。
ワクチンは以下の3つからどれか。リンク先に接種法や費用の目安が載っています。
破傷風トキソイド(破傷風のみのワクチン)
破傷風トキソイド (一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会)
三種混合ワクチン(百日咳、破傷風、ジフテリア)
三種混合(DPT)ワクチン (一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会)
成人用三種混合(百日咳、破傷風、ジフテリア)
成人用三種混合(Tdap) (一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会)
ワクチンや接種法によって異なりますが費用は数千円から1万円程度です。
成人の百日咳(せき)が増えていることが問題となっていますので、三種混合で予防接種するのが理想かもしれません。百日咳は飛沫感染します。
報告数から考えると破傷風になるリスクは極めて低いですが、一発でも感染するとかなり深刻な症状になってしまいます。40歳以上の人は保険のようなものと考えて予防接種を行うのが賢い選択かも知れません。