カスタマーハラスメント(和製英語)、いわゆるカスハラ。これは客が店員などに対して行うハラスメント。
これはすでに1990年すぎ頃から傾向はありました。その後どんどんエスカレート。
何年か前からは社会的な問題にもなりましたが、一向に改善する傾向はなく、一部の客は自分が絶対的な存在であり絶対ルールであると勘違いした態度をとります。
カスハラはなくならない
レジで店員が札と小銭を渡す順番が違っただけでブチ切れる客。
店員がお弁当温めますか?と聞いただけで「当たり前だろ!」とブチ切れる客。
店員へ土下座を強要した事件も度々ニュースになったことがあります。
新型コロナ以降も店員を殴ったりする客がニュースになりました。
なぜこれほど沸点が低い人がいるのでしょうか?これでは僅かな振動で爆発するニトログリセリンと同じです。キレどころがさっぱりわかりません。
普段は家族友人に親切で優しい人が、相手が赤の他人で無抵抗となると急に高飛車な態度へ変貌し、些細なことで気に触ったと気が狂ったように敵意むき出しになるパターンは少なくないです。
スイスの場合
スイスを例にあげますが、おそらく他の外国もスイス同様に客と店員の立場は同じだと思います。
スイスは、レストランなどでは客を丁重に扱います。レストランのランクに関係なく店員は愛嬌がいい。レストランはサービス料が含まれているから当然かもしれませんが。
しかし料理が運ばれると客もありがとうと感謝の挨拶をするし、会話の様子を見ても立場は同等で、店員に対して威圧的だったり上から目線の客は見たことがない。
スーパーのレジなどでは客に気を使う傾向は感じられない。無愛想というわけではない。目が合えば挨拶はするし、挨拶すれば笑顔で返してくれる。
レジに行列ができていて忙しい時は店員は無表情で黙々と作業をこなし客とは互いに無言の場合もある。店員は椅子に座ってレジ作業をする。店員と客の上下関係は全く同じ。それが普通の光景。
駅の窓口や観光案内所なども同様。立場は同じ。
ホテルのレセプションでの応対なども、スイスでは日本のようなガチガチなマニュアル的な丁寧な挨拶や応対の仕方はよほど高級なホテルでない限りないような気がする。多くはフレンドリーな感じで接してくれる。
空港内ではスイスインター航空のチェックインカウンターも、空港施設内の案内職員は非常に丁重な応対。これは客に対しての応対マニュアルの教育を受けている感じはした。これは日本と同じ。
スイスは基本的に客と店員はイコールであり、高飛車な言動へ出るような客は見たことがない。世界中から観光客が訪れるスイスなので私が知らないだけで多少はいるでしょうが、日本のようには多くはないと思います。
これから変わるのか?
日本はあまりにも客への応対の教育を徹底しすぎたのかも知れません。サービス料をとっていないようなコンビニのレジ応対でも接客レベルが高い。
しかし良いことばかりではなく、悪いことをした客へ強い口調で注意できない日本の最近の接客文化は変えるべきだと思います。
昔のように、迷惑な客を怒鳴る店員は今はいません。そして何やっても怒られない、怒られたとしても丁重な言い方なので調子に乗って好き放題やる客が少なからず増えてしまいました。
客のほうが偉い、立場は有利だと勘違いしている人は多いです。ですが客はお金を払う代わりにサービスを受け取っています。つまり互いに等しい関係です。
それが仮にレストランなどサービス料が含まれている業種で受けたサービスであったとしても客はなにをやってもいいわけではありません。食事マナーは守るべきだしワガママな子供のような言動は慎むべきです。
「あそこの店員は挨拶しなかったから態度悪い。」というようなコメントをネットで目にすることがしばしばあります。ですが、このような考え方はそもそもおかしいです。
客が挨拶したのに店員から無視されたならばそれは態度悪いと言えるでしょう。しかし店員より先に気がついた客が店員に挨拶をしましたか?挨拶をしなかったならば、客はわかってて挨拶をしなかったことになります。その場合、客のほうが態度は悪いです。
店員と目があっていないなら気がついていないので、それなら先に気がついた客から挨拶をすればいいんです。普通は店に入った客から店員に挨拶をします。外国ではそれが常識です。
別に挨拶は義務ではありませんので、挨拶しない客が悪い云々と言ってるわけではないですが、店員の挨拶について文句をつけるなら、文句を言う側もちゃんと挨拶するべきだということです。
いい年して自分ルールでは大きな赤ん坊と同じです。
接客のレベルは上がってきているのに、一部の客のレベルは下がってきています。
いい大人なんですから客だろうが成人としての最低限のエチケットくらいはきちんとやってほしいです。自分ルールでやりたい方大好き放題・・これは社会人として恥ずかしいことです。