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二千円札は記念紙幣じゃないのだ

2000年7月に二千円紙幣が登場。

ところが結局ほとんど流通せず。現在はほぼ空気。若い人は存在を知らないかもしれない。スイスでは2000円に相当する紙幣と言えば20フラン札。このお札は流通量が半端なく、あちらではなくてはならない存在。

日本とスイス両国比較しながら考察してみました。

なぜ二千円札を出したのか

二千円札に相当する紙幣が多くの国で流通しているから、と思っていました。

が、2000円と2000年、これは偶然ではなかった。さらに紙面をよく見ると沖縄の守礼門が描かれています。2000年7月に開催された第26回主要国首脳会議(沖縄サミット)を記念したものだったんです。

では記念紙幣なのか?

いいえそうではありません。二千円札はちゃんとした普通の紙幣なのです。

当時二千円札が出ると聞いて喜んだのだが、

スイスではとことんお世話になった20フラン札。それに相当する紙幣が日本で出るということで当時は楽しみにしていたのだが・・・。

ATMでいくら下ろしても二千円札は出てこない。銀行でも郵便局でもどこのATMでも同じだった。数ヶ月、数年すれば・・出てくるようになるだろうと思ったのだが、その後もATMどころか釣り銭でも一切もらうことがない。

財布の中を二千円札で満たしたかったのに1枚すら手元に廻ってこないとは。やる気あるのか!流通させる気無いだろ!と当時は心の中で叫んでいました。

スイスでは20フラン札が大人気

一昔前のスイス紙幣、現在は新札に切り替わっている。

これスイスだけでなく欧州全般で言えるようです。

スイスには10フラン、20フラン、50フラン、100フラン、200フラン、1000フランの紙幣がありますが、日常品で使うのは10フラン札と20フラン札がメイン。ちなみにスイスの紙幣は色で見分けが付きやすい。

20フラン札については、スイスを旅行していると、これほど便利なものはないと感じます。とにかく様々な買い物で使いやすい。

2枚出せば40フラン、3枚出せば60フランにもなるんですよ。あたりまえじゃん!と聞こえてきそうですが、とにかく便利なのです。20フラン札は10フラン札の代わりにもなり、50フラン札の代わりにもなる、そういう中間的な存在。

つまりはオールマイティ札。20フラン札を何枚も持っていれば間違いないのです。

二千円札が流通しなかった理由

今まで慣れ親しんだ文化や習慣を今更変えることには抵抗がある

個人的な意見としてはこれが一番有力かと思います。

生まれてから今まで続けてきた文化や習慣を今さら変えさせられることは大きなストレス

それが一人個人に対してならまだなんとかなるが、国民全体で文化として変えようとするとそりゃ無理だ。

つまり二千円札なしの環境で育って毎日その習慣に慣れている人たちにとっては二千円札が突然現れて押し付けられてもそれは苦痛です。

変化にはストレスがつきまとう。多くの人は今まで通りを望み、新しい文お化や習慣はなかなか受け入れられないもの。それが自分で望んだ変化ならまだしも、突然他人から押し付けられる形では受け入れる人は少ないでしょう。

キーボードを目で見て両手で我流タッチしている私に、ブラインドタッチのほうが効率がいいからと無理に押し付けてこられてもそれはストレスなんです。

私のような打ち方でも慣れると不便ではないし速度だってブラインドタッチと変わらない。ブラインドタッチを必要とは思わないし、慣れた我流タッチを今更変えることは不便でストレス。つまりそういうことです。

ATMやレジが対応していない

いや、19年も過ぎて対応していないとはどういうことだ!2000年当時ならわかりますがその後も対応していないというのは、つまり二千円札はほとんど流通していないから、対応の必要すらないということでしょうか。

対応した機器がないので流通しない、流通してないから対応した機器を作らない、これじゃあ二千円札は敗北の運命しかないです。

入手したくても二千円札が手元に廻ってこない

これは特に感じたこと。ATMで現金を引き出すときに期待しても一万円札以外では五千円と千円札しか出てこない。

店で一万円から出しても釣り札は五千円と千円札しかこない。二千円札で受け取った試しが一度もないのです。

二千円札を使い倒したいのに全く手元に来ないとは。銀行など金融機関で個人的に二千円札両替を希望しないと入手できないような環境であれば、流通なんて到底無理な話ではないでしょうか?

沖縄ではなぜか流通している二千円札

沖縄ではATMでお金を引き出すとかなりの確率で二千円札が出てくるようです。

私の住んでいる福岡市では全く出てきません。

第26回主要国首脳会議(沖縄サミット)の記念で作られた紙幣で、お札には沖縄の守礼門が描かれているので沖縄にとっては二千円札は特別な存在であるんでしょうね

そういう理由で二千円札の普及が活発なのかもしれません。二千円札導入した当時は全国がこうなる予測だったんでしょうね。二千円札を使い込みたい私個人としては羨ましい環境。

ただ、沖縄旅行した人が二千円札を受け取り、それを自分の住んでいる都道府県で使うとなると、レジで機械が対応していなければ読み込まなかったり、目視の確認となっても店員が本物かどうかわからず不審がったり、いろいろな理由で受取拒否されたりすることもあるようです。

そうなると二千円札は邪魔者扱い。

多くの人は二千円札を見慣れていないし見たことすらない人もいるわけですから、いかに精巧に出来ていても、これは本物なのかおもちゃなのかと疑うのは仕方ないかもしれません。

ただ、これは新札に切り替わるときだって同じことが言えるはずじゃ?しかしこの場合は認知度や流通量が初めから半端ないのですぐに馴染みますね。

それにしてもここまで嫌われるとは・・。そもそも流通すればこういうことにはならなかった。二千円に罪はないのだ。

今度どうなるの?もはや記念紙幣なの?

多くの人は導入当時は物珍しさで記念に手に入れただけって感じでしょう。

結局それっきりで終わってしまった存在。

記念紙幣ではないが、現状、二千円札は今や記念紙幣のような存在になっている感じは強いです。

本当はこうじゃなかったはず。私自身は二千円札は受け入れたいですが、どうにも浸透しないのであればどうすることも出来ません。すでに二千円札は製造中止していますし。

新札の話もありますが、二千円はラインナップされていません。沖縄ではかなり流通していますが、全国ではこのまま消えていきそうな予感しかしません。

ただ、個人的には二千円札は流行ってほしい。

本当は便利なんだよ、

二千円札(´・ω・`)

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