福岡県の海の中道大橋で起きた悲惨な飲酒運転事故から13年。
あれ以来飲酒運転が大きな社会問題となり道路交通法も改正され飲酒運転の罰則が強化された。テレビでもとことん取り上げられ全国あちこちで飲酒運転撲滅運動が起こった。
にもかかわらず、未だに飲酒運転の事故が絶えない。
そもそもこれはドライバーの意識の問題であって本来は完全に未然防止できることではないか。彼らは一体何を考えているのか、あの事故で何を学んだのか。何かを変えていかないといけないのではないか。そこを考えていこう。
飲酒運転の行政処分・罰則
- 酒酔い運転とは 酔って正常な操作ができない状態で運転すること。(※アルコール濃度は関係ない)
- 酒気帯び運転とは 呼気中のアルコール濃度が0.15mg/L以上検出された状態で運転すること。
行政処分
酒酔い運転
基礎点数 35点 免許取り消し 欠格期間3年
酒気帯び運転
- 呼気中のアルコール濃度0.15mg/L以上0.25mg/L未満の場合
基礎点数13点 免停90日
- 呼気中のアルコール濃度0.25mg/L以上の場合
基礎点数 25点 免許取り消し 欠格期間2年
罰則
酒酔い運転の場合
運転者 5年以下の懲役または100万円以下の罰金
車両提供者 5年以下の懲役または100万円以下の罰金
酒類提供者または同乗者 3年以下の懲役または50万円以下の罰金
酒気帯び運転の場合
運転者 3年以下の懲役または50万円以下の罰金
車両提供者 3年以下の懲役または50万円以下の罰金
酒類提供者または同乗者 2年以下の懲役または30万円以下の罰金
飲酒運転死亡事故件数の推移
これを見ると2002年から2008年までは順調に減ってきているが2008年以降一気に鈍化してここ数年は横ばい状態ですね。さすがに昔に比べると遥かに少ないわけですが、これだけ問題化しているにも関わらずいまだにゼロではない、相変わらず飲酒運転する人がいるということです。
飲酒運転の意識を大きく変えるきっかけとなった事故
2006年8月25日に起こった福岡海の中道大橋飲酒運転事故。
家族5人が乗った乗用車が、飲酒運転をしていた車に追突され、追突された車が橋の欄干を突き破って海に転落し3人が死亡。加害者の運転手は懲役20年の判決。
ここから飲酒運転についての世間一般の意識が変わった。
飲酒運転は絶対に駄目!と、テレビでは次々と飲酒運転の危険性を訴える番組が放送。道交法もより厳しくなった。飲酒検問も気合い入れて行われた。教習所でも免許更新時の講習でも飲酒運転の危険性を教え込まれた。
みんなでよくしていこう、変えていこうと誓った。飲酒運転したら世間の晒者になる、という所まで来た。
ここまで社会問題化すればさすがにもう誰一人飲酒運転をするはずがないだろうと思えたかもしれない。
たしかにあれ以来飲酒運転は大きく減った。
しかし、ここまで飲酒運転を追い詰めたにもかかわらず、あいも変わらず定期的にニュースになる飲酒運転事故。
これがなくならない。ここまで問題になったんだから飲酒運転ゼロになって当然な気がするんですが、現実飲酒運転はなくなってないんです。これだけ問題になっている飲酒運転をなぜいまさらやるのかと違反ドライバーに問い詰めたい。
彼らは一体何を考えているのか。呆れて物が言えないです。
ニュースになる飲酒運転事故がまだこれだけ続いているということは、飲酒運転そのものは相当多いと思われる。そして今日も飲酒運転するつもりの馬鹿者が全国で大勢いると思うと腹ただしいですね。
海の中道の事故、この事故を忘れてはいけない。風化させてはいけない。
海外の飲酒運転の基準や罰則
飲酒運転撲滅にもうこれ以上できることはないのか?
行政もマスコミももうこれ以上ないほど飲酒運転を取り上げ危険性を訴えてきた。だがあいも変わらず飲酒運転は続く。
ではちょっと海外はどんな感じかみてみよう。
日本
血中アルコール濃度0.3mg/ml以上(呼気0.15mg/ml)以上。
酒気帯びは3年以下の懲役又は50万円以下の罰金、免許取り消し、欠格2年。
酒け酔いは5年以下の懲役又は100万円以下の罰金、免許取り消し、欠格3年。
飲酒する恐れがあるとわかってて車両提供したものも犯罪、酒を提供しても犯罪、同乗者も犯罪。
アメリカ
血中アルコール濃度0.8mg/ml以上。
6ヶ月免許停止。刑事法違反で現行犯逮捕後48時間の拘置所入りと100時間の奉仕活動。罰金390-1000USAドルまたは6ヶ月以下の禁固刑。
再犯するとどんどん罰則は厳しくなる。車の中での飲酒はドライバー以外でも全員禁止。栓の空いたお酒が車の中にあっても駄目。
カナダ(オンタリオ州)
血中アルコール濃度0.8mg/ml以上。
罰金550カナダドル、90日間の免許停止。7日間車両押収。免許再開に281カナダドル。
2度目以降の違反ではアルコールインターロック装着義務が課せられる。裁判所で有罪判決を受けた場合、1度目の違反でも初心者ドライバーは再び30日の免許停止、追加で60-500カナダドルの罰金。
それ以外のドライバーは1年間の免許停止、インターロック1年間。さらに違反を繰り返すとどんどん罰則は厳しくなる。車の中での飲酒は停車中でも禁止。栓の空いたお酒が車の中にあるだけでも駄目。
ドイツ
血中アルコール濃度0.5mg/ml以上。
1ヶ月免停(初検挙)、罰金500ユーロ、禁固刑最長1年。
フランス
血中アルコール濃度0.5mg/ml以上。
イギリス
血中アルコール濃度0.8(スコットランドは0.5)mg/ml以上。
刑事法違反で懲役最高6ヶ月と5000ポンドの罰金。免停最低1年。
日本は飲酒運転の基準値は世界的に見て厳しいですが、日本人はアルコールに弱いのでこれは妥当だと思います。
いきなり免許取り消しというのは厳しい方ですね。だた、飲酒運転の罪の重さを考えると妥当だと思います。
停車中の車での飲酒さえも禁止という国がありますが、日本もそうしてほしい。
酒酔いの人が停車中の運転席に座るだけでも違法にしてほしい。なぜなら酔った人ってのは正常な判断ができないので運転席に座るだけでもいつ何をやるかわからないリスクが有るということ。
同乗者も酔って暴れるなどドライバーの妨害をすれば事故につながるので、ドライバー以外でも車中での飲酒及び酔った状態での乗車を禁止にしてほしい。タクシーの運転手が酒酔い者に殴られる事件も実際あるんですし。
しかしこれだけは言える、
いくら禁止事項を増やしたところで守らないやつは守らないのだ。
今後の飲酒運転対策は
さてこのままでは埒が明かない。全国の道路では今日も明日も明後日も飲酒運転は続いていく、この現状のままでいいはずがない。
罰則的には、飲酒運転を一度でもしたら免許は生涯取り消しでいいと思う。
再習得は生涯不可でいいと思います。罰金は固定額に加え、年収の何割かを追加で課すようにしてほしい。いくら罰則が厳しくても違反しなければ何も怖いことはないです。ルールを守ることは誰にでもできる簡単なことです。
そしてここからが肝心、アルコールインターロック装置搭載をすべての車で義務化する。
搭載してない車は車検に通らないようにする(車検時に正常動作するかテストも行う)。なりすまし不正を防止するため顔認証機能のあるアルコール検知器のようなものをインターロック装置へ取り入れる。そして装置の不正改造は重罰にする。
すべての新型車からアルコールインターロック装置標準装備させて、現行車にも猶予年数を設けてそれまでに搭載させる。搭載してない車は車検が通らないようにする。という方法が一番だと思います。
アルコールインターロック装置とは
簡単に言うと、運転前に機器に呼気を吹きかけ飲酒を検知するとエンジンがかからない仕組み。
アルコールインターロック装置の問題点
- 価格が高価である
- なりすまし対策が必要
- 起動時間や計測までの待ち時間が長い
- 誤検知がある
- 呼気量が多く吹き込む時間が長い
- 装置が大きい
価格については、まだ全国でたった2500台ほどしか普及してないのですから増えれば安くなるはず。なりすまし対策は日立が顔認証システムを実証中らしい。その他改良の余地はまだまだ多いようですが、これからどんどん進化していくと期待しています。
最後に
これだけ社会問題になっていて、あれだけ飲酒運転撲滅を訴えるキャンペーンや講習など全国各地で見られるのに、それでも
あいも変わらず平気で飲酒運転をやっている人がいる
もうほんと悲しくなります。運転する資格なし。交通ルールを守るという約束で免許は交付されているんです。守るつもりがないなら免許返納してください。
と、ここで私がいくら訴えても、飲酒運転をなんとも思ってないような人は、こういう記事には興味ないかもしれません。この記事を最後まで読んだ人は飲酒運転問題に関心があり飲酒運転をしない人だと思います。
アルコールインターロック装置をもっと改良進めてすべての車両に義務化、もうこれしかないです。今のままでは飲酒運転はゼロにはならない。
飲酒運転はゼロにしないといけないのです!
1件でもあったら駄目!