このニュース初めて聞いたときの感想はと言うと、
「もうむちゃくちゃ。」
私はこの条例には反対です。
福岡県民の私が香川県の条例案に反対というのはおかしいかもしれませんが、反対です。
いくらなんでもやりすぎ。
オンライン課金ゲームの最大課金額を規制するならわかりますが、コンピュータゲーム全般を60分までに制限するのはやりすぎです。そんなことよりインフルエンザ対策で流行期間中のマスク着用を定めたほうがずっといいです。
ゲーム時間規制・・・効果があるないに関わらず、そもそも各家庭の親が家庭のルールで決めるべき問題であり、条例で縛る問題ではありません。県が条例でここまで介入することが信じられません。ここは日本です。
条例
18歳未満のコンピュータゲームの利用時間を60分までとする。休校日は90分まで。
スマートフォンなどの使用は中学生までは21時までにやめること、高校生は22時までにやめること。
ネット・ゲーム依存症
インターネットとコンピューターゲームの過剰利用は害であるとして以下のような問題点があげられています。
- 日常生活に支障が出ている
- 学力低下
- 体力低下
- 睡眠不足
- 視力低下
我々が勘違いしてはならないことは、ゲームそのものが否定されているわけではなく、ゲーム依存症が良くないと言う問題です。県がそれを条例で時間を縛り、これらの問題点をなくしていこうということです。
深刻なのはゲーム依存ではなくガチャ依存
コンピュータゲームにも色々あります。
大きく2つに分けるとオフラインゲーム、オンラインゲームに別れます。
そしてオンラインゲームは大雑把に分けると月額課金とアイテム課金に分けれます。
アイテム課金制のゲームは、基本プレイは無料で便利アイテムを課金させて売るという形。
このアイテム課金形式のゲームはいかに多く課金するかがライバルに勝てる手段となります。無課金で遊んでも課金者の引き立て役にしかなりません。そしてその有料アイテムにガチャというものが存在し、これが最も深刻な問題となっています。
ガチャとはガチャガチャ。くじのようなもので、課金でアイテムを当てるシステム。
引くまで何が出てくるかわかりません。当然レアアイテムは確率が低く、そして多くはゴミです。プレイヤーはレアアイテムを当てるために必死になってガチャをやり、何万円、何十万円、社会人では総課金額が数百万円から中には一千万円を超える人もいます。
このガチャ課金問題は青少年に対しては課金上限額を自主的に制限している運営は多いが、成人は無制限というパターン。
しかし未成年であってもゲーム課金時の年齢認証で20歳以上の嘘の年齢を入力し、成人として登録してしまえばいくらでも課金は可能なので意味をなさない。
成人においてもガチャ中毒は大きな問題になっていて、ガチャについては様々な議論がかわされガチャ仕様について確率表示など規制が入りました。
しかしガチャを含めたゲーム課金について、課金額上限の規制はなく、平均的な収入の人が毎月10万円も20万円も課金して貧困へ陥ってしまう人がいる現状に変わりはないのです。
オフラインゲーム依存症ならば、浪費するのは時間だけ。しかも終わりがあるので割と早く飽きてしまいます。そして別ゲームへ行くパターン。これは昭和時代からテレビゲーム依存症としてありました。
オンラインゲーム+ガチャ依存症となると、ゲームクリアやコンプリートはありません。次々とストーリーやアイテムが追加され、デイリークエストやログインイベントがあり毎日の作業に追われ、時間を大量に浪費。
ガチャイベントも次々とあり、ガチャ依存症は自分の周囲にある必要なお金まで、お金というお金は次々と吸い尽くしてしまいます。
私の意見
たしかに依存症は問題だと思います。ゲーム依存症が多いのは間違いないです。ただ依存症にもレベルがあり、完全に生活崩壊するレベルまで病むのはごく一部です。
そのゲーム依存症が社会問題化しているからと、県が県民の18歳未満全てに対してゲーム時間を条例で縛る権限はないと思います。これは家庭のルールで決めることです。課金額に絡んだ制限ならともかく、ゲーム時間を制限するというのが信じられません。
学力低下
ゲーム依存によって学力が低下することはあると思います。ただ、ゲーム時間を縛っても勉強しない人はしません、代わりにゲーム攻略本を読んだり漫画を読んだりして過ごしてしまうと想像できます。
一方でゲームを1時間を超えてやっている人でも好成績の人は多くいます。ゲーム時間を縛っても効果は薄いと思います。そもそもこれは家庭のルールで決めるべき問題です。
体力低下
ゲーム依存症になって外で遊ばなくなったりスポーツをしなければ体力は低下するでしょう。ただ、これはゲームに限ったことではありません。読書でもテレビでも同じです。
ゲーム時間を制限したからと言って、スポーツはしない子供はしないでしょうし、体動かすことが嫌いな子供は外で遊ばないことは容易に想像できます。
ですが昔の子供より体力がちょっと劣っていてもいいじゃないですか。そもそも座ってする仕事が多い現代社会では、昔のような体力は求められていないと思います。昔の体力基準は現代には必要ありません。
睡眠不足
ゲーム依存症の人は毎日が睡眠不足です。コンピュータゲームに限らず、テレビやマンガでも同じです。しかしゲームだけが時間規制の対象となりました。
そもそもこれは親が早く寝るように教育すればいい話ではないでしょうか。家庭の問題であり、県が条例を作ってゲーム時間を制約する問題ではないと思います。
視力低下
視力低下のリスクがあるのは間違いないと思います。
これは勉強でも読書でもテレビでも同様で、依存症になるとリスクは増えるでしょう。ゲーム時間を縛り、その代わりの時間をそれらに費やすと同じ様に視力低下のリスクへとつながると思います。
感想まとめ
子供のゲーム時間60分まで(休日は90分まで)。これは各家庭のルールで制限するべき問題であって県が条例で介入する問題ではないです。
子供のゲーム依存症が香川県の治安や安全性を驚かしているわけではありません、家庭の問題です。公共の場での歩きスマホを制限するならわかりますが、家庭でのゲーム時間はありえない。
こんなものが条例で成立すれば今度は子供のお菓子食べ過ぎ禁止条例でも出てきそうです。「お菓子は1日50gまで」などというようなものを本気で作ってくるのではないかと心配になります。
ゲームは子どもたちの大切なコミュニケーションの道具となっていることもあります。休日に朝から夕方まで友人と一緒に部屋でゲームやったっていいじゃないですか。休日の過ごし方は人それぞれです。
ゲームを規制したいなら課金上限額を制限してください。青少年だけでなく成人もです。これは深刻な問題です。
果たして香川県のゲーム規制条例は成立するのでしょうか。