世間ではあれこれ危険だの言われている食べ物はいくつもありますが、これらのほとんどは大げさに扱われたり事実と異なっていたりしてさほど問題はない。
ここで紹介する飲食物も即座に影響があったり直ちに危険というようなものではありません。特に常識を逸脱したような摂取ではない限り、ほとんどの人は今まで通り摂取しても一生問題がないはず。
ですが、リスクはあるが認知度が低く、それを知らずに摂取している人が多いと考えられる飲食物が3つあるのでそれを紹介したいと思います。
アルコール飲料の発がん性
アルコール飲料の飲み過ぎが肝臓に悪いことは世間一般で認知されていることですが、アルコール飲料そのものに発がん性があるということが世間で騒がれることは殆どありません。
多くの人はアルコールを飲むことに和気あいあいとしています。
しかしアルコール飲料とその代謝産物のアセトアルデヒドそのものに発がん性があります。
国際がん研究機関(IARC)ではアルコールが乳がん、結腸・直腸がん、喉頭がん、肝臓がん、食道がん、口腔がん、咽頭がんのリスクを高めるとしていて、アルコール飲料の発がん性はグループ1(人に対して発がん性がある)に分類と一番上のランクとなっています。
多くの人はお酒、ビールの話で盛り上がりますが、気をつけるべきことは肝臓だけではなく、その他科学的に証明された発がん性リスクが数多くあるということです。
飲むのをやめたほうがいいとは言いませんが、その事実を知った上で嗜むことが大切だと思います。
発がん性リスクが上がるという事実を何も知らないままどんどんお酒やビールを陽気に飲むなんて人がいないことが理想です。
ひじきのヒ素の含有量
ひじきにはヒ素が入っている!そういうと大抵の人は笑ってバカにするでしょう。
しかしこれは真面目な話。無機ヒ素は天然のひじきに入っていて、その含有量が無視できないレベルにあります。
数ある食品のなかでひじきのヒ素含有量は圧倒的で、ひじきの煮物を1品(乾燥ひじき5g相当)食べるとそれ1品だけで世界保健機関(WHO)の耐容一週間摂取量(PTWI)の100%に達します。
無機ヒ素は人間にとって全く不要なものです。
ヒ素は国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類でグループ1(人に対して発がん性がある)に分類。グループ1は分類的に最も上です。
カナダ、イギリス、USの食品安全機関では、消費者に対し、ひじきの摂取を避けるように勧告しています。
ときどき小鉢一皿食べる程度ならば問題はないと思われますが、日本人は白米やワカメなど海藻類からもヒ素を取り込んでいるし、好んで頻繁に食べている人は注意したほうがいいかもしれません。
ちなみに厚労省は、毎日ひじき4.7g以上を継続的に摂取しない限り耐容一週間摂取量(PTWI)に達しない、海藻中に含まれるヒ素によるヒ素中毒の健康被害が起きたとの報告はありません。としています。
ですがこの4.7gは水戻し物の量であり、水戻しものでは小鉢一食あたり35–40gとなります。つまり一食で4.7gを食べるということは一般的ではなく、一回食べると35–40g。つまりそれで耐容一週間摂取量(PTWI)に達します。
65度以上の飲み物
日本人はよく熱いものをすすりながらグイグイ食べたり飲んだりします。おでんやたこ焼き、ラーメンやうどん、鍋もの、コーヒー、お茶など。しかしこの習慣は注意したほうがいいかもしれません。
本当はこれは舌で確認してブレーキが掛かるべきなんです。しかし日本人は舌の感覚が熱さに対して強い人が多い。
猫舌という言葉がありますが、これは猫だけでなく動物は本来猫舌です。猫舌というのは正常です。
子供は基本猫舌ですが、それは正常です。大人になって熱いものが平気になっている人は飲食習慣で慣れているからです。ですがその慣れはリスクが発生します。
大人の猫舌は普通ではないというような見られ方自体がそもそもおかしいのです。猫舌は正常。
国際がん研究機関(IARC)では65度以上の飲み物はグループ2A(人に対しておそらく発がん性がある)で分類されています。
これは食道がんになるリスクが高いということです。
これは発がん性物質云々ではなく、熱いもので細胞が損傷を繰り返すことで癌が発生しやすくなるということでしょう。
強い刺激や損傷で細胞が死に、新しい細胞で修復するための分裂が活発になることでテロメアの短縮が加速したりすればその患部の細胞の老化が加速。老化細胞からの染色体の転写ミスや免疫低下で発がんというような流れかもしれません。
強い刺激や損傷の繰り返しは体にはよくありません。
対象が飲料となっているのはおそらく固形物は咀嚼中に温度が下がって喉へ運ばれるが飲料は冷えることなく食堂へ運ばれ細胞を刺激するからと言うことでしょう。
ただ日本人のようにすすって一気に口へ放り込み、あまり咀嚼せず早食いで一気に飲み込むような場合も、温度が下がる前に喉へ運ばれるため、同様のリスクが生じる可能性は考えられるのではないでしょうか?
まとめ
アルコール
は完全に抜け穴状態。アルコールの発がん性は完全に認められたものです。しかしこれを知らない人はあまりに多い。
添加物の発がん性を気にする人はあまりに多いですが、アルコールの発がん性を気にする人はいない。しかし添加物は多くの研究で安全性が証明されたものであり、さらに使用量など厳格に管理されているのでリスクは殆どない。それと比べるとアルコールのほうがよっぽど危ないでしょう。
本来アルコールは法律で禁止になってもおかしくはないのかなあと私は考えますが、常飲している人はあまりに多く、禁止にすれば経済に与える影響もとてつもなく大きく現実的ではない。
もちろん100%がんになる訳ではありません。飲まなかったからがんにならないわけでもありません。ですがリスクは間違いなく上昇するので一切飲まない選択はありだと思います。それは幸せかどうかは別として。
ひじき
は常食している人は殆どいないので心配は少ないと思われますが、好んで頻繁に食べている人は考え直したほうがいいかもしれません。
65度以上の熱い飲み物
は、やはり数十年後の将来的なリスクを考えれば、熱いまま喉へ流し込む習慣は控えたほうがいいと思います。
猫舌には偏見も未だ多く、猫舌を治す方法とか馬鹿なことを言う人もいますが、本来猫舌の方が正常なので、猫舌の人は無理に熱いものへ慣れようとしないほうがいいです。
舌はセンサーです。舌が熱くないと感じるものを飲食したほうがリスクは少なく安全です。