現在東京五輪の真っ只中。
とても暑い中、選手は一生懸命競技をやっています。
オリンピックも試合である以上、勝った選手負けた選手と出てくるわけですが、勝っても負けても生涯の大切な思い出の一コマとなります。
その競技を頑張る姿は我々に感動と勇気を与え、スポーツをやっている人へは夢を与え、やっていない人へも生きる活力へと変わります。
前置きはこれくらいにして、本題に入ります。
各国メダルランキング表は禁止
オリンピック憲章によればオリンピックは人間の教育と世界平和に役立てることが根本原則とされています。
つまり異なる国、異なる文化の選手たちが集まり、同じ屋根の下でスポーツを通じて分かち合う。
オリンピックはスポーツの順位で価値が決まるのではない。国家間の争いでもない。
海外ではどうなのか知らないが、日本ではオリンピックがあるたびに、テレビのメディアがよく各国のメダル獲得ランキング表を作成する。
そして日本の順位は何位だ、今日のメダル獲得数は、メダルは、メダルは、と毎日メダルの話しで埋め尽くされ、メダルが取れなかった選手はほとんど取り上げられない。例えば3位(銅メダル)と4位の選手に対しての扱われ方の差があまりにもひどすぎる。
ここまでメダルの有無で差をつけるのか。
そして各国のメダル獲得数でランキング表を作り、日本は何位だと言う。
メディアはメダル以外見えておらず、思考がオリンピックではなくメダリンピックとなっている。
私は正直これにはもううんざりしています。
しかしオリンピック憲章(2020年7月17日から有効の最新版)の57条には
IOC と OCOG は国ごとの世界ランキングを作成してはならない。
出典:オリンピック憲章 〔2020 年 7 月 17 日から有効〕57条 国際オリンピック委員会
とある。
IOC(国際オリンピック委員会)は国ごとのメダルランキング表は作成してはいけないのだ。
これはずっと以前から知っていたことであり、私はオリンピックはずっと
「オリンピックの選手の価値はメダルで決まるものではない、オリンピックは国家間の競争ではなく、メダルは国家に与えられるのではなく、個人に対してその栄誉を称えるものだ。」
と思ってきた。
国家のためのオリンピックではないので、国家のメダル獲得数なんてなんの意味もないし何の価値もない。
IOCサイトでメダル表が
しかしそれを疑う表を見てしまった。しかもIOCサイトである。
これはどうしたことか、見事な各国メダルランキング表である。金メダルが多い順に上から番号がついていて、右端には合計別順位が記されている。IOCなら特別なのか?
いやオリンピック憲章には“IOC と OCOG は国ごとの世界ランキングを作成してはならない。”とある。
このメダルランキング表のURLは、https://olympics.com/から続いており、IOCのものだ。お問い合わせ窓口はIOCではなく大会組織委員会となっていて、ランキングページそのものは大会組織委員会なのかどこが作ったのかはわからない。
しかしやはりolympics.comである以上、オリンピック憲章に違反しているのではないかと思い、ページにあるお問い合わせ窓口から2021年7月26日にメールを送った。
しかし2021年8月19日現在のところ返答メールはない。
最後に
ちなみに私の考えとしては、各国メダルランキング表の禁止ルールはIOC(国際オリンピック委員会)が決めたものであり、IOC、組織委員会が各国メダルランキング表を作っていいとするなら別にそれでもいいと思う。
しかしそれならあのオリンピック憲章の57条は何だったのか。
IOCが決めた「IOCの各国メダルランキング表の禁止」を、IOCサイト(olympics.com)に載せていいものなのか。
それとも私の解釈がおかしいのか。私がなにか勘違いしているだけなのか。組織委員会の返事でそれを知りたい。
だからお問い合わせ窓口からその矛盾を問い合わせた。しかし3週間過ぎても返事がない。なぜ質問の回答が得られないのか。お問い合わせが多すぎて返事が遅れているのか。
お問い合わせ直後に、「お問い合わせを受領しました。」との確認メールはこちらへ来ているので、ちゃんと届いてはいるはず。
お問い合わせから3週間を過ぎ、返事はもう来ない気がしますが、今後返事が来れば追記します。