道路交通法で、四輪自動車や自動二輪、原付き、自転車の飲酒運転が禁止されていることは誰もが知っているが、電動車いすはどうだろうか?
実は電動車いすの飲酒運転は道路交通法では歩行者扱いであるために禁止されていない。
自転車が飲酒運転が禁止である理由は安全上の理由です。蛇行したり、歩行者にぶつかったり、信号無視をしたり、転倒したりするリスクは酒を飲んでいないときよりもハイリスクとなります。
しかし電動車いすはOKだ。けれど普通に考えて、飲酒した状態での電動車いすの運転は危険ではないのか。
電動車いすについては問題になった
電動車いすの飲酒運転について危険だという認識は警察庁にはあるようです。
しかしこれは問題となった。問題となったのは、警察庁の安全通行基本編 電動車いすの安全利用に関するマニュアルにある、「飲酒等して電動車いすを利用することは絶対にやめましょう」という記載。警視庁のマニュアルは電動車いすですが、意味合い的にはシニアカーも含まれているようです。
この記載について、障害者団体であるDPI日本会議が「歩行者は禁止されていないのに車椅子利用者が禁止は矛盾していて障害者への不当な差別である。」として抗議。
しかし酔った歩行者も危ない
もちろん歩行者も飲酒した状態では危険リスクは上がるでしょう。酔っ払いのトラブルや事故はとても多い。そのせいで一部の海水浴場など条例で禁止にしている場所もあります。
自転車の運転持だけでなく、歩行者も酔っ払うと色々とトラブルや事故を起こします。
よくニュースになるのがタクシー運転手やお店の店員に絡んでの暴力。また通行人へ絡んでの暴力、わいせつ、喧嘩、その他傷害事件、道路での転倒、橋などから川に転落、駅のホームからの転落、路上に寝て車に轢かれる事故など。酔っぱらいのトラブルや事故は非常に多いのが現状。
よっぱらった歩行者を禁止にしている国
Public intoxication (公衆酩酊)と言われている法律があります。
アメリカではカリフォルニア州、ジョージア州、インディアナ州、アイオワ州、テキサス州、バージニア州で軽犯罪となっています。ひどく酔って街中を歩いていたら逮捕されたり罰金が課せられます。
カナダはブリティッシュコロンビア州とオンタリオ州では公衆酩酊が犯罪。
オーストラリアではクイーンズランド州は公衆酩酊すると犯罪です。ただ、近年のオーストラリアでは公衆の場での酩酊を犯罪としないように変える動きがあります。
これらは道路交通法ではなく公衆酩酊法という形。
電動車いすの飲酒運転は禁止にするべきか
電動車椅子は道交法上は歩行者にあたりますが、これらの飲酒運転が、飲酒していないときと比べて危険であることに間違いはないでしょう。道路をフラフラ蛇行でもしたら事故に合うリスクは高くなります。
しかし警察庁の安全利用マニュアル(法的なものではない)ですら障害者団体は「歩行者は禁止されていないのに車椅子利用者が禁止は矛盾していて不当な差別である」と抗議しています。
ですが安全を考えればやはり運転は控えたほうがいいと思う。事故が増える統計データを集めてからでは遅い。危険だと思われる行為は事故が起こる前に未然に防ぐことが重要。
警視庁のマニュアルは障害者とは指定しておらず、健常者が電動車いすに乗った場合でも同様なので障害者差別にはならないと思います。それでも納得がいかないならば、道路交通法を改正して電動車いすの飲酒運転を禁止にすればいいのではないでしょうか。
飲酒した電動車いすの運転が、飲酒した歩行者と比べて危険であるか否かについては、わたしはそもそも飲酒した歩行者についても倒れたり道路に寝たり橋から落ちたり危険なので、歩行者も禁止にしてしまえばいいと思います。
ただ、電動車いすと歩行者の違いは、電動車いすは運動しなくても勝手に進んでしまう点です。目を閉じたままでも進むことが出来ます。歩行者は運動を止めればすぐに止まりますが、電動車いすはブレーキ操作をしなければ惰性で進んでしまいます。当然ブレーキが遅れればぶつかったり、飛び出したりすることになります。坂道では流れていく可能性があります。
酔った状態ではギャップ(段差)の乗り越えを失敗して転倒するリスクも高まります。踏切で蛇行すれば線路に車輪が挟まり動けなくなるでしょう。
ただやはり私は健常な歩行者含めて公道の歩行を禁止にしてしまえばいいと思います。
もともと酔っ払った歩行者は危険で事故は多かった。酩酊状態で公共の場に出歩くことを禁止にしてもいいのではないかと思います。道交法ではなく、酩酊法を改正して酩酊法で禁止にしてほしい。こうなると車いすでも走行できなくなる。
現在の酩酊法(酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律)では、節度ある飲酒が定められています。
すべて国民は、飲酒を強要する等の悪習を排除し、飲酒についての節度を保つように努めなければならない。
出典:酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律第2条
ただしこの法律は適用上の注意があります。
この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。
出典:酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律第10条
つまり、やりすぎて飲酒文化を侵害しないように!ということです。ただ、公衆の場での飲酒は日本はかなりルーズな方で、飲み会などで泥酔することも恥としない文化が根強い。酔っているから仕方ないだろ的な文化もあります。
基準値は車と同じにしなくてもいいので、アルコールの基準値を決めて、歩行者(というか公共の場での酩酊状態)を禁止にする法整備が必要ではないかと思います。
やはり車椅子だろうが飲酒運転は、歩道の差段差から車道へ落ちて転倒したり、信号無視をして車にはねられたり、横断禁止の場所で渡ったり、階段から落ちたり、多くのリスクが上がります。
電動車椅子の飲酒運転は危険なのでやめたほうがいいです。法律で禁止になっていないからいいんだと高をくくって運転し、事故を起こして損するのは自分であり、また他人へも迷惑を掛ける事になります。