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2021年の超過死亡が多いのをワクチンのせいとするのは根拠なしのデマ

SNS上で反ワクチン派が「2021年3月以降の超過死亡が異常、ワクチンの時期と重なる。ワクチンのせいである!」と騒いでいる。

またワクチンに関する変なデマが流行るといけないので、これらに根拠がないことを記事にします。

現在フェイスブックでは虚偽の情報の投稿は禁止されており、ユーチューブでもコロナやワクチン関連の誤情報が禁止、グーグルアドセンスでもコロナワクチン関連の誤情報やフェイクニュースのサイトは禁止となっています。

ユーチューブで毎日コロナやワクチン関連の虚偽情報を連投していた反ワクチン派はここ最近ほぼ見られなくなりました。フェイスブックではまだ見られるが、簡単に通報出来るので発見しだい通報しています。ツイッターはまだ虚偽情報拡散が見られ、報告項目に虚偽情報の欄がないので報告しにくい。

まずはコロナやワクチンの虚偽情報をネット上に上げることを禁止する環境作り。そして通報しやすい環境を整えることが大切です。

それでは、超過死亡とワクチン接種に因果関係の根拠はまったくないことを書いていきます。

ネタのソース元は厚労省の人口動態統計速報

反ワクチン派のネタとなったのは厚生労働省の「人口動態統計速報(令和3年7月分)」です。

そのグラフがこちら。

出典: 人口動態統計速報(令和3年7月分)厚生労働省ウェブサイト

赤が令和3年。
青が令和2年。

反ワクチン派は、このグラフの3月以降の超過死亡が7月の時点で4万5,000人を超え、ワクチン接種の時期と一致しているから、実はワクチンの副反応疑いの報告数よりももっといっぱい死んでいるという主張。それでワクチンは危険と言いたいらしい。

反ワクチン派の主張はデータベースから相関性を闇雲に探しているだけの典型例である。この主張に根拠がないことを次の見出しで説明する。

ワクチン接種との因果関係に根拠がない理由

ワクチンとの因果関係に根拠がない理由。

  • これは速報値であり、人口動態統計(確定数)はまだ出ていない。
  • 3月に関して、医療従事者が数千人死亡した報告はない。
  • 3月から増えているように見えるが、実は前年の12月からずっと多い状態でワクチン接種と相関性はない。
  • 国立感染症研究所のグラフでは予測死亡数を大きく超えたのは2021年4月中旬から。超過死亡数は一気に増えその後は平行線。ワクチンの週ごとの接種者数と比例しない。

これは速報値であり確定数ではない

過去数年と比べても多くなっているが、2021年の超過死亡は速報値であり、確定数ではない。死因別死亡数も確定数が出ていない。つまり安易な比較はできない。これはデータベースから相関性を闇雲(半ば強引に)探しただけで、推論にすらならない。

ワクチン否定派の出した厚労省のソースは超過死亡速報値である。この超過死亡速報値に関して、厚労省は次の但し書きをしている。

速報の数値は調査票の作成枚数であり、日本における日本人、日本における外国人、外国における日本人及び前年以前に発生した事象を含むものである。
そのうち、日本における日本人についてまとめたものが人口動態統計月報(概数)であり、この月報(概数)に若干の修正を加えたものが人口動態統計年報(確定数)である。

出典: 人口動態統計速報(令和3年7月分)厚生労働省ウェブサイト

これは確定数のグラフではない。

この超過死亡の評価を速報値の段階でやるのは早すぎる。確定数が出てから評価するべきである。

医療従事者の大量死亡報告はない

ファイザーワクチンは2月に医療従事者から接種が始まり、4月になって高齢者を接種し始めた。しかし、医療従事者が毎月大量死したなんて報告はない。

グラフに相関性はない

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出典: 人口動態統計速報(令和3年7月分)厚生労働省ウェブサイト

厚労省の速報値では3月から増えて一見相関性があるように見えるが、実は2020年(令和2年)12月より超過死亡数は多く、昨年に近いのは2月だけという状況。12月と1月を見ないで2月以降だけ見るから、いかにも相関性があるように見えるだけである。

国立感染症研究所のダッシュボードを見ると一目瞭然である。

出典: 日本の超過および過少死亡数ダッシュボード exdeaths-japan.org 国立感染症研究所

数年分を見ると、そもそも予測死亡数を上回ることは度々ある。傾向を見ると、昨年前半の観測死亡数が例年よりやたら少ない。赤いマイナスのマークがいっぱい付いている。

このグラフを見ると、昨年(2020年)の12月から、すでに前年度を上回り続けている。1月も2月も3月も関係なく前年度よりずっと多い。つまりワクチンとは全く相関性が見られない。

予測死亡数を大きく超え始めたのは2021年4月中旬から。超過死亡数が予測閾値上限前後で推移しており、ワクチンの毎月の推定接種者数の推移と比例しない。ワクチンの週毎の接種数は7月をピークに鰻登りに増えていくが、このグラフとは比例していない。

週毎のファイザーワクチンの推定接種者数の推移グラフがこれ。

※厚生労働省ウェブサイトで公表されている「第67回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第16回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」の資料1-2-1より環境めぐりでグラフを作成。

接種者数が大きく増え始めたのは5月以降である。

一方、超過死亡は4月18日より一気に増え、その後は増加幅をほぼ維持したまま推移。超過死亡数とワクチン推定接種者数は全く比例していない。超過死亡は6月下旬から落ち付き始めているが今後はわからない。

超過死亡の原因は?

2021年10月3日の段階では、国立感染症研究所の「我が国における超過死亡数および過少死亡数 の死因別のデータ分析」が2020年12月までしか算出されていないので、超過死亡の死因にどういう傾向があるのかわからない。

医療逼迫による、コロナ感染症以外の治療に影響した可能性もあるかもしれませんが、所詮推測でありわかりません。

コロナで生活環境は大きく変化しており、様々な要因が絡んでいると見られ、超過死亡数および過少死亡数は、自殺者数の変化や、ストレスによる突然死、気温や天気の影響、生活スタイルの変化、死亡数の単なるバラツキなど、原因はこれであるというような推測はなかなか難しいと思います。少なくとも死因別のデータがないと推測すら難しい。

超過死亡が多いまま続くのか、それともここから減るのかそれはわかりません。言えることは、ワクチンと超過死亡の相関性も因果関係も無いということ

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