寒い地方の冬は就寝時などに暖房を切ると、室温が氷点下となることがあります。部屋においていた飲み物などが凍ってしまうような時に、凍らせないために冷蔵庫で保温するというような話を聞くことがあります 。
冷蔵庫が保温ボックスになるらしい。しかし室温がマイナス温度のときに、冷蔵室がプラス温度とはまたすごい。
ここで浮かぶ疑問があります。
ただ、一部例外的に保温庫(60度で8時間まで)のあるシャープの冷蔵庫がありますが、これは含めないで普通の冷蔵庫ではどうなのかを考えましょう。
疑問(冷蔵室は室温より高く出来る?)
冷凍室は室温よりも高い温度に調整ができるのか?
つまり室温がマイナス温度だった場合にも、冷蔵室はプラス温度で調整ができるのか。冷蔵庫って温める機能があるのか??
冷蔵庫は物を冷やすための装置であり、暖房装置ではないはず。
冷蔵庫の冷蔵室の温度はパナソニックの取説によると3℃から6℃。部屋の温度がマイナスに下がった時にも冷蔵庫は3℃から6℃を保てるのか。
また、室温がマイナス温度だった場合に、それより高い温度の冷気を出せるのか。
室温より高くは出来ないが保温は可能
メーカーのサイトをいくつか回ってみると、冷蔵庫の周囲温度が5℃以下の状態が長時間続くと、冷凍室が凍ることがあると注意書きがあります。
冷蔵庫は庫内を冷やす構造であり、冷えすぎる場合はコンプレッサーを止めたりして調整されます。室温のほうが冷凍室より低温度の場合に、室温より高めの温度の空気が冷蔵室内に出るわけではありません。
しかし氷点下の室温であれば、少なくとも冷蔵庫の外へ置いておくよりは冷蔵室内の方が凍らせずに長く保てます。
これはなぜ??
冷蔵庫の壁は熱を大幅に遮断します。冷蔵庫の壁は発泡ウレタンや真空断熱材などが使われており、庫内は外気の影響を受けにくいのです。この断熱で実質保温していることになります。
長時間室温が冷たいと徐々に下がる
外気がマイナス温度の時に、4℃だった冷蔵庫の温度が3℃・・・2℃と下がり始めたのを4℃へ戻す機能は冷蔵庫にはありません。
寒い地方で室温が一時的に氷点下になることはあっても、室内は暖房を使いますので低い温度が24時間続くわけではありません。よって寝る時に凍りそうな場合は冷蔵室は一時的な保温倉庫となるわけです。
しかし飲み物などを冷蔵室に入れて、夜間睡眠で 暖房を切り、翌朝起きてすぐ仕事にでかけ日中不在で暖房を切っている、というような室温が長時間マイナスで続く、また冷蔵室の設定温度が低い場合など、条件次第では冷えすぎて凍ることがあるでしょう。
例えば室温-5℃の中で庫内まで-5℃に一度下がってしまった冷蔵室を、自力で再び+6℃に引き上げる能力は冷蔵庫にはありません。
霜取り用のヒーターを搭載している冷蔵庫もありますが、これは冷凍庫の熱交換器の霜をとって冷却効率を上げてしっかり冷えるようにするための装置であり、冷蔵室で下がりすぎた温度を上げる装置ではありません。
冷蔵庫の運転は冷やすだけです。
冷蔵室が下がりすぎた場合、それを上げるのは冷蔵庫の運転を弱めるか止めて調整するしかありません。しかし室温が氷点下の場合はコンプレッサーを止めても冷蔵室は氷点下のままです。
まとめ
室温が冷蔵室より低く下がりこむ場合、飲み物などが凍らないように冷蔵室で保温は一時的には出来る。少なくとも冷蔵庫外よりはまし。
これは冷蔵庫の断熱材によるもの。
ただし室温が冷蔵室より低い状態が長時間続く場合は、冷蔵室内に保管しても徐々に温度は下がって室温に近くなる。