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道路交通法第20条第3項が分かりにくい!なぜここで追い越しの説明?

道路交通法第20条3項をご存じだろうか。

道路交通法第20条(車両通行帯)だが、この第3項の全体の意味がなんだかよくわからない。

ちょっと検索すると、道路交通法第20条3項は「追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。」と説明するサイトが多いが、第20条3項はこれで本当に正しいのか?

なぜなら道路交通法第20条3項はとても長い文章でいっぱい説明しているようにみえる。長い文章に何が詰まっているのかパッと見て全体が読めない。最後の一文だけ見てればいいのか。

道路交通法第20条第3項

道路交通法第20条第3項はこれ。

車両は、追越しをするとき、第二十五条第一項若しくは第二項、第三十四条第一項から第五項まで若しくは第三十五条の二の規定により道路の左側端、中央若しくは右側端に寄るとき、第三十五条第一項の規定に従い通行するとき、第二十六条の二第三項の規定によりその通行している車両通行帯をそのまま通行するとき、第四十条第二項の規定により一時進路を譲るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、前二項の規定によらないことができる。この場合において、追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。

出典:道路交通法第20条第3項

一文が長すぎて分かりにくい!道交法ってもっと見やすく理解しやすく文章を工夫して書けないものなのか。

道路交通法第20条第3項だが、多くのサイトでは「追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。」だけを説明している。

この20条というのは(追い越し方法)ではなく、(車両通行帯)について書かれたもの。追い越し方法については道路交通法第28条である。なぜここでも書くのだろうか?

第20条3項の難しさ

車両は、追越しをするとき、

第20条第3項は「車両は、追越しをするとき、」からはじまる。

車両は、追越しをするとき、第二十五条第一項若しくは第二項、第三十四条第一項から第五項まで若しくは第三十五条の二の・・・第二十六条の二第三項の規定により・・・」。なんのこっちゃw。さっぱりわからんぞ。

実はこれは、「追い越しをするとき云々・・・」ではなく、

以下の条件

  • 追い越しをするとき。
  • 道路外へ右左折するとき。
  • 右左折するとき。
  • 原付が2段階右折するとき。
  • 環状交差点で右左折するとき。
  • 交差点の指定通行区分を通行するとき。
  • 進路変更禁止がある車両通行帯を通行するとき。
  • 左に寄って緊急自動車に道を譲るとき。
  • 道路の状況その他の事情によりやむを得ないとき。

これらの場合のとき云々・・・なのだ。

「追い越しをするとき」というのは、これらの並べられた条件の一つに過ぎなかった。

前二項の規定によらないことができる

上の条件の時に、「前二項の規定によらないことができる」とある。

では前二項を見てみる。

以下が前二項である。

第二十条 車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。ただし、自動車(小型特殊自動車及び道路標識等によつて指定された自動車を除く。)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。
2 車両は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により前項に規定する通行の区分と異なる通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に従い、当該車両通行帯を通行しなければならない。

出典:道路交通法第20条1項と2項

第1項は、「車両通行帯は最も左の通行帯を通らなければならない。車両通行帯が3以上あるときは速度に応じて最も右側の通行帯以外を走ることができる。」

第2項は、「通行の区分が指定されている通行帯はそれに従うこと。」

しかし、以下の条件

  • 追い越しをするとき。
  • 道路外へ右左折するとき。
  • 右左折するとき。
  • 原付が2段階右折するとき。
  • 環状交差点で右左折するとき。
  • 交差点の指定通行区分を通行するとき。
  • 進路変更禁止がある車両通行帯を通行するとき。
  • 左に寄って緊急自動車に道を譲るとき。
  • 道路の状況その他の事情によりやむを得ないとき。

のとき、上の2つの規定はあてはまらないということ。

この場合において、追越しをするときは?

そして20条3項は最後に、「この場合において、追越しをするときは」とある。

この場合とは先程並べた除外条件であるが、そのうちの一つである「追い越しをするとき」で説明します。

車両は、追越しをするとき、前二項の規定によらないことができる。この場合において、追越しをするときは・・・右側の通行帯・・・

これだとなんかさっぱりわからない。

これは「車両通行帯のある道路で追い越しをするときは・・・」という意味。

車両通行帯のある道路では直近の右側の通行帯から追い越さなければならない。これは、車両通行帯のある道路では、追い越す車両のすぐ右側の通行帯から追い越さなければならないということである。図にしてみる。

つまりこういうことになる。片側3車線ある高速道路で一番右の第3通行帯が追い越し車線となっている場合でも、第1通行帯を走行中に前の車に追いついて追い越すときは、第3通行帯である追越車線からではなく、直近の第2通行帯から追い越すということ。

つまり2車線の車線変更を伴った追い越しはダメだということ。

個人的な意見だが、これは第28条(追い越しの方法)に書くべきだと思う。

道路交通法第20条3項をわかりやすく書く

これらをわかりやすく解読して20条3項を書き直してみる。

(車両通行帯)

次の場合は通行するべき車両通行帯(左の通行帯走行義務や指定の通行帯走行義務)は適用されない。

  1. 追い越しをするとき。
  2. 道路外へ右左折するとき。
  3. 右左折するとき。
  4. 原付が2段階右折するとき。
  5. 環状交差点で右左折するとき。
  6. 交差点の指定通行区分を通行するとき。
  7. 進路変更禁止がある車両通行帯を通行するとき。
  8. 左に寄って緊急自動車に道を譲るとき。
  9. 道路の状況その他の事情によりやむを得ないとき。

※1番目にある「(車両通行帯で)追い越しするとき」は直近の右側の通行帯から追い越さなければならない。

道路交通法第20条3項はあくまでも「通るべき車両通行帯のルールの例外について」書いた条項である。

何故わかりにくくなったのか

道路交通法第20条3項「車両は、追越しをするとき、~のとき、~のとき、~のとき、~のとき、二項の規定によらないことができる。この場合において、追越しをするときは、・・・」

これを見て私はてっきり道路交通法第20条3項は、追い越しについての説明かと思っていた。しかし「追い越しをするとき」と言うのは、ズラリ並んだパターンの一つにしか過ぎなかった。

そのため、右折車を追い越すときに右側から追い越すの?右に通行帯はないんだけど?という矛盾がでてしまい、よくわからくなっていた。

そもそも追い越し方法なら28条にあるのだからそこへ「車両通行帯で追い越しするときは直近の右側の通行帯から追い越さなければならない。」と補足するべきだった。だから道路交通法は情報が飛び飛びになって全体が解釈しにくい。

「車両は、追越しをするとき、第二十五条第一項若しくは第二項、第三十四条第一項から第五項まで若しくは第三十五条の二の規定により道路の左側端、中央若しくは右側端に寄るとき、第三十五条第一項の規定に従い通行するとき、第二十六条の二第三項の規定により・・・」
ではなく、
「次の場合は前二項の規定によらないことができる。追越しをするとき、道路外へ左折するとき、道路外へ右折するとき、・・・」
と、わかりやすく書けなかったものだろうか。

道路交通法は無造作に文字や単語を並べているだけで非常に分かりにくいと感じた。

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