2021年10月31日に京王線の列車内で刺傷事件が起きたことが社会問題となっています。こういった列車内での突発的なテロ事件は2021年8月6日の小田急線刺傷事件、2018年6月9日にも新幹線殺傷事件がありました。
このような事件を防止するにはどうしたらいいかという議論がされているようで、当サイトでもその考えを書いていきます。
ただし先に結論を言うと、予測不能な突発的な犯行そのものを防止する方法はありません。
列車事件の特徴
見た目も挙動も普通と変わらない人が、列車内で突然通り魔と化して不特定多数を切りつける事件。狙われるのは女性や高齢者。つまり犯人より弱いであろう人が狙われる。
閑散として人が少ない日時ではなく、人が多い日時が狙われやすい。
犯人は前もって計画しているが、事件が起こるまで一見普通の人と変わらないため、周囲の人はその場その時まで誰も予想ができない。
犯人は人生を悲観している場合が多い。
スイスで過去に起きた事件の例でも似ているが、犯人の武器は可燃性の液体と刃物というパターンが多い。
列車殺傷事件を防ぐ方法はない
不審者をどうやって検知するかで議論がされているようですが、そんなものは実用的ではない。
手荷物検査も非現実的。監視カメラだって、スイスは車両内に監視カメラがあって鉄道警察がオペレーションセンターで監視しているがそれでも事件は起きている。もちろん監視カメラは放置された不審物の発見や犯人特定、置き引き防止など治安向上には有効だが。
ただし通り魔的な犯行は監視カメラでも防ぐことは出来ない。
通り魔は人が集まる場所や日時を選んでくる。混雑した時間帯に手荷物検査は無理だし、監視カメラで怪しい人を見つけても、じゃあそこからどうすることが出来るのかというと、何も出来ない。出来るのはせいぜい事件が発生してから駆けつけるくらい。
カメラで発生そのものを抑えることは出来ない。人が多くいる中で起こされるこういった犯行は監視カメラがあっても関係ないだろう。
こういった事件で一番厄介な点は、いかにも普通を振る舞っている人が突然事件を起こしてしまうことで予測不能な点なのだ。
あの治安が良いスイスでも列車内での同様の事件は過去に何回か発生しているが、鉄道警備会社は事件を防ぐことは不可能という。スイスインフォの記事に詳しく書いてあります。
例えばだ、商店街やショッピングセンターの人混みの中に一人だけ事件を起こす前の犯人がいても誰もわからない。身なりは普通、武器は隠している、挙動も不審な点はないのだ。
人混みの中のひとりが突然刃物を出して切りつけてきたら完全な無防備状態の通行人の大きな被害は避けられない。
列車内も同様だが、狭い空間に大量の人が入り込んで逃げ場がない点は、商店街やショッピングセンターよりも遥かに危険だろう。
これをどうやって防ごうというのか。犯行そのものの発生を防ぐことは無理だ。新幹線殺傷事件や小田急線刺傷事件のときも対策が議論されたが、結局京王線の事件は起きてしまった。
事件が起きたあとにどう行動できるかが大切
事件の発生を防ぐことは出来ない。乗車しているだれが事件を起こすかなんて誰にもわからない。そんな事ができるのは預言者だけ。我々が出来ることは事件が起きたあとにどう行動するか、どう行動できるかということ。
しかし通勤で毎日鎖帷子を全身にまとい、消化器を持って・・・なんてことは非現実的。
我々が出来ることは列車内に設置された消化器の位置や使用方法を学び、車内で火災が発生した場合に迅速に使用できること。列車から迅速に出られること。出血など怪我の応急手当てが迅速にできること。
鉄道会社は事件が発生したらそれをすぐに察知し、警察と連携できること。そのためには駅構内だけでなく車両内にも監視カメラが必須だ。
根本的な解決法はないが、被害を少しでも小さくする方法を考えて実行していくべきだと思う。