タクシー運転手が酔っ払いに殴られる、料金を踏み倒される、タクシーを奪われる・・・そういった事件が何年も何十年もずっと前から後を絶たない。
日本は酒を飲んで酔っ払うことに抵抗がない文化が定着していて、酔っぱらいによる迷惑行為や犯罪が日常茶飯事となっています。
タクシーに乗る酔っぱらい乗客に関しても、どれだけ危険か毎日ニュースをチェックしていればよくわかります。
- 2021年2月15日、東京都新宿区で酔っ払ったNHK職員が車道を歩いていたため、タクシー運転手が注意すると消化器を投げつけられ殴られる。
- 2021年10月9日、神奈川県相模原市で酔っ払った客がタクシー運転手を投げ飛ばして殴り、料金を踏み倒す。
- 2021年10月29日、鹿児島県指宿市で酒に酔った市議がタクシー運転手の顔を殴る。
- 2021年11月30日、千葉県市原市で酒を飲んだ乗客が5700円を踏み倒しタクシー運転手に噛み付いて逃走。
- 2021年12月3日、鹿児島県指宿市で酔っぱらい客とトラブルになり、タクシーを奪われる。
- 2021年12月15日、栃木県那須塩原市で、酔っ払った男性が止まっていたタクシーを盗んで逮捕。
そして逮捕後に決まっていうセリフは、
「酔って覚えていない」
酩酊者を乗せることは危険を伴い大きなリスクです。タクシー運転手は危険なリスクを避ける権利があるはずです。
タクシーに乗る客に限らず酔っぱらいによる傷害事件は非常に多いです。
旅客自動車運送事業運輸規則では乗車拒否の要件はどうなっているのか。以下の要件は乗車拒否できることとなっています。
泥酔した者又は不潔な服装をした者等であつて、他の旅客の迷惑となるおそれのある者
出典:旅客自動車運送事業運輸規則第13条の3
泥酔者は乗車拒否ができるのです。会話がしどろもどろで意思疎通が出来なかったり、千鳥足が見られるような客は乗車拒否できます。
しかし泥酔者を乗車拒否出来るにも関わらず実際は酔っ払い客によるタクシー運転手への暴力事件が多く発生している。やはりどこで線引をするべきか見極めが難しいということでしょうか。
乗車前には普通に立って乗り込んできて、一応会話はできるが、乗って移動し始めると些細なことで運転手に噛み付いてきては暴力的になって、そこから収集がつかないほど暴れ始めたりと言った流れもあるでしょう。酩酊まで至らなくても暴力的に変わる人もいるかもしれません。
これだけ酔っ払いの暴力事件が多いのに対策といえば防犯カメラやSOSサインくらいです。しかし防犯カメラがあっても酔っ払いは関係なく絡んできますし、SOSサインはすでにトラブルが起きた後です。タクシー運転手の身体の安全を守るためになんとかならないものでしょうか?
アメリカのタクシーのように、運転手の安全のために頑丈な仕切板を設置するのもありではないかと思います。
あるいはもう深夜の時間帯のタクシーに関しては、乗車前に客に対してアルコールチェックを行わせることを義務化でもしないと安全は確保できないかもしれません 。一定基準値以上だと乗せてはいけなくし、検査拒否した場合も乗車拒否可能という法律改正が必要かもしれません。
現在、タクシー運転手は酔っぱらい客にいつ殴られるかもしれないという非常にリスクのある仕事をしています。そしてそれを解決するような決定的な対策がないのです。