池の水を全部抜いて外来種大量駆除という行為に反対

外来生物が日本に昔から住んでいる生物の生態系を破壊したり、農作物に対して害虫となったり、例えばカミツキガメは人に危害を加えたりします。

池の中の侵略的な外来生物を駆除しようという試みは全国あちこちで聞かれ、テレビ番組では池の水を全部抜いて駆除する企画が続いているようです。私はテレビはもう15年以上見ていないのでこういう放送があったのを知りませんでした。

これについては賛否両論あったようですが、私の考えを言うと池の中の外来生物を何千匹と捕まえて全部処分することは命をむやみに奪う行為であり道徳性に欠けた行為だと思います。

外来種駆除がいい方向へ向かうとは限らない

特に馴染みのあるのはアメリカザリガニでしょう。1927年に食用ウシガエルの餌として日本へ持ち込まれたアメリカザリガニ。そのザリガニが逃げ出し野生化し、全国へ広がった。アメリカザリガニザリが日本へ来て95年。

じゃあ池からアメリカザリガニを全部駆除したらどうなるか。ブラックバスを全部駆除したらどうなるか。

ブラックバスやウシガエル、ミシシッピアカミミガメはアメリカザリガニを食べる。これらを全部駆除するとアメリカザリガニが増える。

アメリカザリガニはブラックバスなどの稚魚やウシガエルのおたまじゃくしも食べる。ジャンボタニシも食べる。

これら外来種は昨日今日入ってきたのではなくもう何十年とすぎて今の生態系で定着した。これを今更全量駆除したりする行為は生態系に何らかの変化が起こる可能性がある。

じゃあ全種駆除すればいい?

そうなると池に住む生き物を大量に殺すことになります。これについて更に書いていきます。

池の水を抜いての大量駆除は道徳的問題が残る

カミツキガメやワニなど人に危害を加える個体の1匹2匹の駆除ならわかる。しかし池をまるごと水抜いてあらゆる侵略的外来種を数千匹単位で全量駆除となるとどうだろう。

すでに野生化して何十年と経過したものを全量捕獲して殺してしまう行為は、傍から見ると池の生き物を手当り次第むやみに殺している作業にしか見えない。

すでに何十年と野生化し、生存競争で生き残って出来上がった現在の環境を今更人間が大幅に調整するのはおかしい。あらゆる種を駆除するとどうなるか。

作業が終わった池は僅かな生き物が残るだけ。これじゃあ生き物を大量に殺しただけである。

外来種が増えたのは逃げ出したり投棄したりと人間が原因であるが、その後何十年と経過し、日本の池などの自然で繁殖したのは環境に適応できた証。いくら放とうと、適応できなければ死んでしまう。しかし強い生命力で生き残った。

弱肉強食の生存競争で勝ち残って定着した種を、今更人間の身勝手な理由で大量に殺して人工的に調整した環境を作り上げてようとしている。

正義とはなにか?それは人間界のみで存在する人間のルールである。

動物は生きるために必要な分だけ狩りをする。人間は必要以上に動物を殺していることがよく問題となる。外来種に関しては食べるために殺しているのではない。外来種駆除は生物多様性だったり農作物を荒らす害虫駆除、人間の安全を守るという目的がある。

田んぼや畑などではなく、「池」という環境の外来種の一斉駆除の目的はおそらくは生物多様性、つまり日本の在来種を守ること。しかしその外来種が池に住んでもう数十年が過ぎ、池の環境が定着してしまった今となっては、その理由は建前にしか聞こえません。

そもそも生物多様性は環境が変化しても何らかの種が生き残るためにあるもの。人間が鑑賞するためではない。最初の原因は人間であったが、外来種という種が増えてより多様になり、互いの種が争い、そこで競争を勝ち取れなかった種が減る。これは自然の摂理。

初めの方にも述べたが、人に危害を加える危険なカミツキガメやワニなどが池にいれば駆除は仕方がない。田んぼや田んぼ周辺の水路のアメリカザリガニやジャンボタニシも作物を荒らすので駆除は仕方がない。これは人が生きていくために仕方がないこと。

しかし池に数十年と定着したブラックバスやミシシッピアカミミガメなどは人には直接的な危害がない。池の水を全部抜いて何の罪もない生き物を数千匹単位で殺して壊滅させる行為は反対です。無理にやる必要があるのか大いに疑問です。

駆除してもすぐに元に戻る?

池の水を全部抜くというテレビ番組は話題になったが、全部駆除したはずのミシシッピアカミミガメはでに元通り?30cmほどはありそうな甲羅が4体。ここまで成長するには野生だと4年以上はかかる。取り残しがあったか、その後成体が放たれたか、あるいはカメが歩いて移動してきたか。

せっかく駆除してもすぐに元通りではキリがありません。

2022年現在、このミシシッピアカミミガメとアメリカザリガニは販売やペット飼育は可能ですが、今後販売禁止にしていこうとする流れが環境省にあるようです。私もそれには賛成です。

ミシシッピアカミミガメやアメリカザリガニはまずはペット販売の規制から始めないと、ペットとして気軽に購入できてあちこちで飼育されている以上、今度も捨てられることは目に見えています。すでに飼育している人もいるので最初は飼育は禁止にしない。まずは販売禁止からがいいと思います。

しかしそれだけでは池にいるアカミミガメは減ることはありません。

在来種の保護という目的で人間が生物の命を大量に奪うということだけはないようになってほしい。増え過ぎた種を食べる目的で必要な分だけ捕まえるのなら私は賛成です。

ちなみに特定外来生物の場合、ペット飼育は出来ません。ペット飼育のための許可を得ることも出来ません。

日本の外来種対策 飼養等手続きフローチャート|環境省

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