最近は車を持たない若者が増えています。
昔はマイカーが社会のステータスであり、車を持つことで一人前みたいな風潮がありました。しかし近年は車を持たない若者が増えているという。これは日本だけではなくスイスの都市部でも同じ。
やはりその理由で多いのが、経済的な理由だということ。車はお金がかかるのだ。買うときだけではない、維持費がまたシャレにならないほど高い。
車は便利かもしれないがやはりお金には勝てない。
戦後、経済が豊かになるに釣れ日本では車を持つことが普通となってきました。時代は変化し、立ち止まって冷静に考えれば現代の都市部では車のメリットは少なく維持費ばかりが浪費されることに気が付き始めます。それまで車は外すことが出来ないものだったためか、この変化はむしろ遅かったと思います。
車の維持費は年間50万円
若者が車を持たない理由ですが、スポーツ報知の記事にあった「車を持たないと20年で1,000万円が浮く」というママさんの言葉が重く引っかかりました。う~ん。考えればたしかにそうかもしれない。
これは最近の物価の上昇に不安を持った回答でした。
20年で1,000万円というと、40年で2,000万円。これは年間だと50万円。車両価格、保険、税金、整備、ガソリン代など計算するとそれは普通にありえる金額です。駐車場代がかかる人もいるでしょう。
ただし代替交通費用がかかります。例えば車じゃなく自転車や小型スクーターにした。公共交通機関を使う。など車がない代わりに何かしら交通費はかかります。まるまる1,000万円浮くことにはならないでしょう。
しかし、車を運転すると意外な出費がでることも。
交通違反をすれば反則金、重大な違反や事故を起こせば罰金がある。また、車をぶつけて修理、故障して修理などがあると更に出費。盗難されないとも限らない。
こうなると1000万どころでは済まないこともあります。
日本は国土は狭いもののスイスのように公共交通網があまり発達しておらず、肝心な場所に鉄道などは走っていない。路線図もぐちゃぐちゃ、鉄道会社ごとに駅が異なり乗り換えも不便。バスは降りるときに払うという効率の悪いシステム。
自宅や会社の付近に駅がなかったり、日本はショッピングセンターも駅周辺に集中していない。土日でかけるにしろ、主要観光地に道路や駐車場はあっても線路や駅がないパターンは多い。そのため車で移動という流れは必然的。
ただ近年はAmazonなどネットで買い物をする人がかなり増えた。車で運ぶような大きな買い物は店舗にいかずに通販、食料品だけ近所のスーパーへ徒歩や自転車で移動して買うなど。こうなってくると、車は本当に必要なのかと考え始めます。
浮いたお金を何に使っているのか
車を持たないことで年間50万円浮くと仮定します。ではこの浮いた分が何に使われているか?
実は日本人の平均給与は1990年代をピークに年平均30万円ほど下がったままです(下図)。
消費税増税や物価上昇を考えると、車を持たないことで生活が昔より豊かどころかマイナスというようなレベルです。
消費者庁の2017年の消費者白書の第3章 【特集】若者の消費を見ると・・・
平均給与の減少とともに消費支出も減る一方です。教養娯楽、衣料、その他の消費支出は減っています。物価は上がり、保険料も増え、消費税も上がり、給料は上がらない。日本は生活が苦しくなる一方です。
この傾向から見るに、浮いたお金が別の趣味などへ回っている感じは見ることが出来ません。車を持たないから年間50万円生活費が浮くのでななく、車を持つ余裕がない世帯が増えてきているとも言えるかもしれません。
車を持たない選択はあり?
では最近の若い世代の傾向である、車を持たない生活はありなのか。
都市部であれば車を持つ意味は薄く、維持費ばかりがかさむので、持たない生活のほうが賢いかもしれません。通勤は自転車や電車、バスなど。車が必要な大きな買い物はネット通販をすればいい。休日など家族でドライブするならレンタカーを使う選択があります。
また、車を持たず、それが自転車や電車などに変わればそれはCO2削減に繋がります。
しかし都市部からちょっと離れると一気に公共交通が過疎化し、利便性が悪くなる。車の所持がやむを得ない人は多い。
若者は便利な都市部に多く、都市から離れた静かなところには割合的に高齢者が多いという傾向。つまり若者は車を持つメリットがあまりない。地方部は仕方ない、趣味で乗る人は別として、都市部の車離れは全然ありで、とりあえず車を持っておこうという感じで買ったのならば、積極的に手放していいと思います。
若者の車離れは、経済的な理由だったり、車に興味を持たない人が増えたりしたのが理由ですが、これは車を持たない世帯はこれからも増え続けると予想。
それがいいか悪いかというと、個人的にはマイカー離れは大歓迎で、環境面で優しくなり、渋滞が緩和され、膨大な数で溢れるマイカーのために道路や駐車場を作って無駄に国土を浪費しなくてすむし理想だという考えです。