自転車は交差点では二段階右折の義務があります。片側一車線だろうが中央線がなかろうが、信号機のない交差点でも自転車は二段階右折。
これがもし信号機がある丁字路の交差点だったらどうなるでしょうか?
この二段階右折の盲点を指摘します。
自転車は交差点で二段階右折の義務
自転車は原付と違い、全ての交差点で二段階右折の義務があります。原付きは信号機で交通整理が行われている片側3車線以上(※)の交差点で二段階右折となりますが、自転車は片側1車線でも、中央線がない道路でも、信号機がない小さな交差点でも、交差点ではすべて2段階右折です。
(※片側3車線以上の交通整理の行われている交差点手前は道路管理者と公安委員会は車両通行帯として意思決定をしなければならないため、片側3車線以上の交差点手前は3つ以上の車両通行帯と同じ意味である。)
軽車両は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。
出典:道路交通法第34条第3項
また、自転車は信号機の青色の灯火で直進と左折は出来ますが、右折は出来ません。
多通行帯道路等通行原動機付自転車及び軽車両は、直進(右折しようとして右折する地点まで直進し、その地点において右折することを含む。青色の灯火の矢印の項を除き、以下この条において同じ。)をし、又は左折することができること。
出典:道路交通法施行令第2条 青色の灯火 3
丁字路の二段階右折はこうなる
道路交通法通りに行くと、自転車はこの丁字路交差点の中で停止し、方向を90度傾けることになります。交通の妨害となり大変危険です。ここで向きを変えて待つことなんて不可能です。
しかも交差点で方向転換して正面を向いても、丁字路なので正面には当然、信号機はありません。何を目安に進めばいいんでしょうか?道路交通法では正面の信号が青になったら進行というが、信号がないんです。
図にするとこんな感じ。現実的に無理。道路交通法はこの部分を想定していない、あるいは信号機や道路標識を設置し、交通規制を管理する都道府県公安委員会がこの右折を想定していないということです。
こういう丁字路交差点なら右折可能
大きな丁字路交差点は原付の場合、二段階右折禁止になっている場合もありますが、下の写真のように二段階右折用に待機場所が設けられている丁字路もあります。こういった丁字路交差点はちゃんと待機所の正面にも信号機が設けられています。
このスペースに自転車も入り込めば、右折方向にも信号機があり二段階右折は可能ですが、このようなスペースが有る丁字路交差点は殆どありません。
実情に合わない道路交通法
二段階右折禁止の場合は、原付は右折レーンから右折することが出来ますが、二段階右折禁止の標識は原付を対象とした標識で、自転車はすべて二段階右折が義務付けられています。
自転車は原則車道を走るとしながらも、それを想定した道路環境ではないのです。
道路交通法が実情にあっていないので、交通整理が行われている丁字路交差点でこの記事にあるような方向へ右折する場合は、歩道があれば歩道に自転車を上げて横断歩道を渡って、右折する形しかありません。